03. 東京の雨
東京メトロのホームは灰色だ。
・・・・
狭い路地にこもる空気と薄暗さが気分と調和していた。
改札を出て迷路のような路地を、何も考えずに進んでいく。
右か左かは気分で決めた。 ・・・・・
突然、ブウンとどこかから地下鉄の音がする。 ・・・・
壁に反響して、煙突みたいな空間を埋め尽くす。
思わずむせそうになった。先からは涼しい風が吹いている。 ・・・・
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「……」 ・・・・
・・・・
灰色のトンネルにエレベーターがぽんと置いてあるのが不気味だった。
しかしある種の神秘的なものを感じる。 /\
地上の白光があたりを淡く照らしていた。 \/ ・
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地上に出ると空から水がパラパラと落ちてきていた。
少し空気が軽くなった。 | | |・
首都高速3番線沿いを歩く。 | ・ | ・
傘はささずに水滴を浴びながら歩いた。| |
代わり映えしないビルの下の木々をくぐって、坂をくだる。
・ ・ ・
せっかく登ったのにまた降りるなんてどうかしている。
| ・ | 信号の音が遠くから聞こえた。・
| ・ | 曇り空が美しかった。
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「でさー、その動画がちょーウケて!」 ・ ・
「は、マ? あみってば有名人じゃん」 ・ ・
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どぎついメイクをした大学生が歩いている。 ・
落ち着いた雰囲気が壊される気がした。・ ・
・ ・ ・
「良くないね」 ・ ・
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道を進むにつれてどんどん人の数が増えてくる。 ・
・ ここまで増えると気にならなくなった。・
空は変わらず白く、つめたい水をおとしている。 ・
上を見た。雨が目に入った。 ・ ・ ・
こうして空を見つめていると、時間を忘れることがある。
白いキャンバスに灰色の絵の具がしみていた。 ・
ゆっくり動く大きな雲はくじらの形に見えた。
・ ・ ・ ・
パ――――― ・ ・ ・
・ シ――――― ・ ・
・ ャ――――― ・
・ ・ ・
水たまりを踏んでしまったようだ。 ・
・ 靴下に水が染み込んだ。 ・
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<p id=”memorize”>
「東京やべー!」
はじめての社会科見学は雨一色。
広田がミッドタウンを見て叫んだ。
先生に怒られていた。
「東京やべーって、田舎モンみたい」
「だっておれら田舎から来たじゃん」
「まー、そーだけど」
自由行動でキョロキョロとあちこち見ていた広田は、こけて水たまりに頭からつっこんだ。
班の奴らと一緒にゲラゲラ笑った。
「笑うな!」 /―――\
| 水 |
</p> | 面 |
・ \―――/ ・
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広田はそれから転校し、以来連絡は取っていない。 ・
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「ミッドタウンでも行ってみるか」・ ・ ・
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濡れてビショビショの靴はそのまま、横断歩道をわたった。
広田なんているはずがないのはわかっていた。・
なぜそうしようと思ったのかはわからない。
・ 追い風でも吹いていたらしかった。
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エレベーターを降りると商店街だった。::::
無印のルイボスティーを買った。:::::
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ガレリアに入ると、暖色の木々が輝いていた。
そこかしこの柱にある工芸品がうつくしい。
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「だめだな」 : ::::::
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わたしが求める美しさはここには無かった。
自然で飾らない耽美的でくるしい世界が必要だった。
たとえば雨とか、くさいトンネルとか。 |
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エレベーターを登り連絡通路へ入る。 |
| ここには誰も居なかった。 |
| 中央の塔は静かだった。 |
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<div class=”mid”> | ・・・・
ここもいやに綺麗だった。 |
少し濡れたスーツと靴下だけが、あの鈍重で美しい世界を覚えていた。
すこしありがたかった。 @media(max-width:720px){
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きっとわたしははぐれものなのだろう。
・・・・
エレベーターのボタンを押した。・・・
どこかで電話の音が鳴った。
エレベーターがやって来た。 ・・・
・・・・・
訳:エレベ@ターが登る:登る:登る~~屈な世界が鬱陶しく感じた$%&は!{;
繧ィ繝ャ繝吶?繧ソ繝シ縺檎匳繧九?ら匳繧九?ら匳繧九?る??螻医↑荳也阜縺碁ャア髯カ縺励¥諢溘§縺溘?ょコ?伐縺ッ縺?↑縺??
訳:じ:んはどこに向かって$#のだろうか%どこへ向かって<!-- 不明 -->の$ろうか。
縺倥?繧薙?縺ゥ縺薙↓蜷代°縺」縺ヲ縺?k縺ョ縺?繧阪≧縺九?ゅ←縺薙∈蜷代°縺」縺ヲ縺?◆縺ョ縺?繧阪≧縺九?
訳:エレベ(ターはずっと登って$$)
繧ィ繝ャ繝吶?繧ソ繝シ縺ッ縺壹▲縺ィ逋サ縺」縺ヲ縺?◆縲
訳:そして10時間ほど経ったとき&よ##くドアが開@@
縺昴@縺ヲ10譎る俣縺サ縺ゥ邨後▲縺溘→縺阪?√h縺?d縺上ラ繧「縺碁幕縺?◆縲
訳:スー:;靴下もかわ!#しまった。
繧ケ繝シ繝?b髱エ荳九b縺九o縺?※縺励∪縺」縺溘?
・・・!・!・!・・・!・!・・
屋上庭園には誰 いなかった。
も ・!・!・・・・ ・:
あたりはすっかり暗く、空には月が出ている。
・!・!・・・!・:!・!・・!・・・
カフェテラスの椅子に座ってルイボスティーを飲む。
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| 月がきれいだった。
| こういうのも美だろう。
人々が美しいともてはやすのもわかった。
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/\
「だからこうやって間違えるんだろうな」
不思議と気分は落ち着いていた。
もう、ぜんぶ決まっているからかも知れない。
わたしは靴を揃えた。
わたしはビルの柵へ近づいた。
広大な雲海が奥まで続いていた。
まんまるの月が怪しく水面に光っていた。
「グッド・バイ」
わたしは月へ向かって歩き出した。
ゆっくりと、踏みしめるように
どこからか拍手が聞こえた。見世物じゃないぞ。