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01. せせらぐ川のほとりで青空を仰ぐ。

   


 

    

  

 せせらぐ川のほとりで青空を仰ぐ。厚みを増した入道が遠くに見えた。

 山間のリゾート地はクーラーの効いたビルよりも涼しかった。

「アイスクリーム」

「三百円」

「あいよ」

 うそだ。やっぱり暑い。

 アイスをなめると、清涼な山の木々の影がくすんで見えた。

 スマホでゲームを開く。とうとう家にいるのと何も変わらなかった。

 さらさらと川の音だけが響いていた。

   

  

 せせらぐ川のほとりで青空を仰ぐ。厚みを増した入道が奥のほうに見えた。

 山間のリゾート地はクーラーの効いたビルよりも涼しかった。

「アイスクリーム」

「三百円」

「あいよ」

 うそだ。やっぱり暑い。

 アイスをなめると、清涼な山稜の影がくすんで見えた。

 スマホでゲームを開く。とうとう家にいるのと何も変わらなかった。

 さらさらと川の音だけが止まっていた。

  

   

  

 せせらぐ川のほとりで青空を仰ぐ。厚みを増した入道が山の向こう に見えた。

 山間のリゾート地はクーラーの効いた東京の街よりも涼しかった。

「アイスクリーム」

「三百円」

「あいよ」

 うそだ。やっぱり暑い。

 アイスをなめると、清涼な山稜の影がくすんで見えた。

 スマホでゲームを開く。とうとう家にいるのと何も変わらなかった。

 さらさらと川の音だけが止まっていた。

 

   

        

                         

                                         

 せせらぐ川のほとりで青空を仰ぐ。厚みを増した入道が近づいてきていた。

 山間のリゾート地はクーラーの効いた東京の街よりも涼しかった。

「アイスクリーム」

「三百円」

「あいよ」

 うそだ。やっぱり暑い。

 アイスをなめると、清涼な山稜の影がくすんで見えた。ゆ

 スマホで天気予報を開く。どうやら夕立が降るらしかった。う

 さらさらと川の音だけが止まって聞こえた。だ

 ち

     が

   降る。

 

アナウンスが

  聞こえる。

           人が減っていく。

 風鈴の音だけがむ

        な

        し

        く響いてい


た。


 青空をWhiteが埋めつくす。


 アイ  ス クリームが溶け出した。

 

 消しゴムが空の碧いペンキをかき消す。

 ホテルに戻ると、穏やかな電気があたりを満たした。    クラシック音楽が鳴る。

 山のセミたちはどこへ行ったのか。 水のしたたる音が、月のように遠く鳴っている。

 あたたたたかな日差しがガラス越しに見えた。

 

    ま  フロントの奥にスーツを着たつ

    ど               め

    に映る山あいが歪む。      た

                    い

          。たえ見がンマ―リラサ



 未定義のプロパティ 'room' を読み取れません。

Hotel.room = 204;

 部屋に戻ると風が静まった。雨は降っている。

  かわいた

 ベッドのシーツはシワ一つなく、




 天をクジラが舞っている。川

  をつめたい水で満

         た

   した。

 

 やがて入道雲も去っていった。

 ホテルの角にちいさな川ができていた。

 なんて涼しいのだろう。

     

 

   

            


 木でできた無機質なバルコニーを降りる。

 おおアイスクリーム屋、まだあったのか。

  

    

 

 セミと鳥がまた鳴き出した。

 地面の水たまりを踏まないように、

 せせらぐ川のほとりで青空を仰ぐ。厚みを増した入道が遠くに見えた。

 山間のリゾート地はクーラーの効いたビルよりも涼しかった。

「アイスクリーム」     白い

「三百円」         雲が 

「あいよ」         見えた。

 アイスをなめると、清涼な山の木々の影がくすんで見えた。

 のんびりと濡れた椅子に座り、くつろぐ沢を写真に取る。

 さらさらと川の音だけが響いていた。

 

 写真では時間が停止する。

 しかし世界は動いていた。


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