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パニック作品

ひきこもり (バージョン②)


俺は70過ぎの年寄なのに引きこもりをしている。


引きこもりをしてるのには訳がある。


趣味で毎回同じ数字でロト7を購入していた。


同じ数字で買い続ければ、何時か1等が当たるんじゃないかって思っての事。


それである時、偶々買う日を間違えて同じ週に2枚ロト7を購入した時があったんだけど、その重複して購入したロト7がドンピシャで1等が当たったんだ。


それもキャリーオーバーで一枚10億円の時。


それで税金が掛からない20億円の金を手にしたって訳だ。


で、その金を、前から興味はあったけど金が無いんで見てるだけだった先物取引にぶっ込んだら、それも大当たりして此方は税金を引かれたけどギリギリ4桁億円の金を手にする事が出きた。


そうしたら、金が無い時は蔑みの目で俺を見ていた親戚連中が群がり集って来たんだ。


蔑みの目て見られるのは仕方が無いとは思ってはいたよ、だって親戚連中は皆んな最終学歴がそれなりに名の知れた大学。


それなのに俺は親戚の中でただ1人、最終学歴が底辺高校だったからな。


それで、群がり集って来た親戚連中は金があるんだから旅行に行こうと誘って来た。


飛行機をチャーターしての海外旅行や旅館を貸し切りにしての豪遊に行こうと誘う。


誘うって言っても金を出すのは俺なんだが。


だけど俺は元々引きこもり体質で何処かに出かけるくらいなら、家に引きこもり漫画を読んでいたいんだ。


だから俺は人里離れた山奥の山を購入して、その山の地下をくり抜いて核シェルターを造る。


地上っていうか山の頂きにあるのは核シェルターの出入り口の小屋と、偽装されたヘリポートに風力発電の風車が数基と避雷針だけ。


一番近い山道から数十キロ離れているからヘリコプターじゃなきゃ此処にたどり着けない。


だいたいさ、海外旅行に行っても大学を出ていてそれなりに外国語が喋れる奴等は良いけど、アルファベットも禄に覚えられなかったお馬鹿な俺が海外に出かけても、お喋り出来ず通訳に頼ってばかりでは面白さに欠けるだろう。


それにネガティヴ過ぎるって言われると思うけど、海外旅行でもそうなる可能性があるんだけど、国内旅行している時に大地震などの災害にあってみろ、右も左も分らないところで災害にあったら幾ら金を持っていても帰宅困難者になるんだぞ。


そう地震などの災害に合う訳か無いって言うかも知れない。


でも、阪神淡路大震災が起きたのが今から約50年前、阪神淡路大震災から今現在の間にも東日本大震災や能登大地震など複数の大地震が起きている。


人間からしたらそんな昔に起きた地震なんてって言うかも知れないけど、地球規模の時間間隔で言ったら一瞬の出来事でその地震の揺れはまだまだ続くかも知れないんだぞ。


そんな時に旅行なんて俺には無理だ。


だから俺は山をくり抜いた核シェルターの中に、掃除洗濯料理をさせる為に買い込んだ十体程のアンドロイドと引きこもっている。


大金を手にした事で数店の新古書店の古本の漫画を買い占めて手に入れた、沢山の漫画その半分以上はエロ漫画だけど、が詰まっているシェルターの一角を占める書庫からチョィスした数冊の漫画をソファーの前のテーブルに置く。


テーブルの上には医者から食べないようにと言われている、ケーキや饅頭など好物の甘い物で満たされてる皿が幾つも置かれている。


引きこもっているから病院なんて行かないし行く気も無い、だから金持ちになる前から掛かっていた糖尿病でくたばるのは時間の問題だと思う。


一応糖尿病の薬だけは20年分くらい闇で手に入れて備蓄してあるけどな。


まぁ20年も持たないだろうから、それまでに食いたい物を食い飲みたい物を飲むんだ。


アンドロイドにはくたばったら用意してある棺桶に入れるよう命じてあるし、くたばらなくても失明したりしたら密輸した白い粉を多めに摂取させて殺すよう命じてある。


オイオイ、ロボット三原則はどうした? なんて言うなよ。


そんな事言ったら、世界中の戦場でAIを搭載した無人飛行機なんかが飛び回って、敵兵を殺しまくっているあれはなんだ? って事になるじゃないか。


あれだってロボットの一種だろ。


俺は1500ccのペットボトルのコーラをラッパ飲みしてからテーブルの上の漫画を手に取り、ページを捲り漫画を読む。


核シェルターの外の山々には、昨日何処かの国が首都に撃ち込んだ核ミサイルがもたらした、真っ黒な雨が降り注いでいた。







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― 新着の感想 ―
[良い点] できることなら私もひきこもりたい。 若くてかわいい女性のアンドロイド10体ほとと一緒にですね。
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