青い石。
気がつくとサキは砂の上にいた。
目が霞む。
ぼんやりサンタが見える。。
「サンタ?」サキは驚いて起きあがった。
なんということか、サキはスノーボールの中に閉じ込められていたのだ。
「嘘でしょ!どうなってるの?あたし、小さくなってる!」
「おやおやお姫様が起きたかしら」
声の主は、破壊の魔女サリーヌだ。
「あなた、人間のくせにずいぶん深く潜れるかしら。
何者かしらねえ。ああ、さっき小さくしちゃったのよ。魔法で。
だからそこからはでられないかしら。ほほほーー。」
「ふざんけんな!魔女め!ただじゃおかないからな!!」
サキは大声で中から叫ぶが、魔女にとっては小声でしかない。
「ふふふ。勢いだけはあるかしら。さて、どうやって遊んじゃおうかしら。
シャークのおやつになってもうか、このまま鑑賞用の人間になってもらおうかしらw
ペットちゃん。」
「ふざけないでーー!!!!このくそばばあああ!!!」
サキは思い切りガラスを蹴ったが、全くビクともしない。
「あらら。ババアだなんて。はしたない言葉使っちゃダメかしらー。
あたしはね、ここを3000年も守ってるのよ。あなたみたいなゴミが、入ってきちゃダメなわけー。
おほほほーーー。」
「ゴミ??今なんつったーーー!!!ゴミだとおおお!!人をゴミ呼ばわりすんじゃねーー!!!」
サキが怒りの頂点に達した時、サキの青い目が光った!
「ん?」魔女が眉をひそめた。
バリイイイイン!!サキの青い目から放たれた光線が、スノーボールのガラスをぶち破った!
「へーーーーーー。やるじゃないかしら。あなた。。。んふふ。飛んだ拾い物しちまったかしら。」
魔女は不吉な笑顔でサキを見た。
「あんた!あたしを陸に戻さないと懲らしめるわよ!」
「そうかい。じゃあまずは大きくならなきゃねえ。今のあんたじゃあ、あたしの小指にも負けるかしらー!」
そう言って魔女は小指をサキのほうへ突き出した。
がしかしサキは両手でそれをかわし、魔女の指に乗った。
全速力で、走り、魔女の顔目掛けてキックした!
「ふふっ。ふうっ!」
だが、魔女の吹きかけた息で簡単に吹き飛ばされてしまった。
「まあ、気合いだけはあるかしらー」
サキは床叩きつけられて、気絶してしまった。
魔女はサキをつまみあげ、箱の中に入れた。
「ふううううん。困ったかしら。えらいことになったかもしれないかしら。」
魔女はそう呟きながら、青い石が散りばめられた鏡の前に箱を置き、唱え始めた。
「じゅげむじゅげむ。。むむむむむっっ。この子の正体を暴きたまえー」
魔女がそう言うと、鏡の表面が液体のようになり、
何か写り始めた。
そこには、太一との出会い、人魚としてのサキ、ペニーの出会いまで全て映り込んだ。
それを見た魔女は、黙って立ち上がり、部屋の2階へと上がっていった。
しばらくして降りてきて、小さな壺を机の上に置いた。
「ふむ。まさかこの時が来るとは。。」
魔女は壺を杖で割った。
バリーーーン!
すると、中から、輝くひときわ大きな青い石が出てきた。
サキはその音で目覚め、箱から出ようとする。
「逃げようったってそうはいかないかしら。」
魔女はつかさずサキを摘み上げ、テーブルにある置物に縛りつけた。
「あなたの探しているものはこれかい?」
魔女はサキの目の前に青い石を差し出した。
「え。。」