青い石のネックレス
ペニーの目の前に現れた人魚アニー。
何故かペニーの名前を知っていた。
「ペニー、怖がらないで。私はあなたのお父さんを知っているの。」
「僕のお父さんを?」
「そう。嵐の夜、あなたのお父さんは探していたの。
この青い石を。」
そう言って人魚アニーは手の中で浮かぶ青い石を差し出した。
「綺麗。。これをお父さんが?」
「そう。お父さんはずっと探していたの。漁で沖合に出るたびに
潜水していたわ。でも残念ながら見つからなかった。
そんな時あの嵐の日、お父さんは船から投げ出されたの。
私は偶然それを見かけて、お父さんを助けようとした。
高波で暗闇だったけどなんとかお父さんをつかまえて、
私は岸まで運ぼうとした。でもね、お父さんは、
石を落としたんだ。探さないと。って言ったの。
でも私は岸までお父さんを運んだ。
お父さんは命より大事な石なんだといい、
私はその後戻って石を探して、深い海の底でこの石を見つけたの。
そして岸に戻ったんだけど、なぜかお父さんの姿はなかった。
お父さんは私に言っていたの。もし見つかったら、
息子に渡してくれと。」
わたしはそれ以来あなたをずっと探していたわ。
アニーは、ペニーが岩のそばで絵を描いていたのをいつも見ていたのだ。
「そうなんですか。。。」
ペニーに青い石を渡すと、ペニーは石をじっと見つめる。
それはペンダントのように平の円の形をしていて、
中には宇宙のような無数の星が輝いて見えた。
「その石が何かは私にはわからない。でもお父さんとの約束だから
届けにきたのよ。」人魚は丘の上に気配を感じた。
「誰か来るわ。ペニー。それを大事になさい。それじゃあ。」
そう言って人魚は海の中へ戻って行った。
「ペニー?いるの?」
クレアの声だ。
「う、うん」ペニーは石をポケットに隠した。
「もー。嵐の日はここに降りてきたら駄目だって約束したでしょー
みんな心配してるわ。帰りましょう」
クレアは育ちのいい娘だった。
小学校も地域のお金持ちの家の。子供が通う学校だった。
そんなクレアのおしゃれな靴が泥だらけになっていた。
「クレアちゃん。ごめんね。靴が。。」
「いいよ。気にしないで。それより早く帰るわよ」
2人は丘の上に戻って行った。




