人魚復活
2020年__
魔女に縛られたサキは、目の前の青い石に驚いた。
「あたなの探していたものはこれかな。」
そういって魔女はソファーに座り、パイプタバコを吸い、語り始めた。
「ふう〜〜〜。まさかこの時がくるなんて思わなかったかしら。
わたしはね。3000年この石を守り続けきたかしら。
この石を盗もうとしたものは、たくさんいたかしら。
でも盗もうとしたものは誰もが散々な目にあってひどい死に方をしてきたかしら。
この石には言い伝えがあってねえ。
青い目の娘が現れた時、この石が動き始める。
それは始まりであり、終わり。
魔王が復活する
その娘は世界を救うだろう。
と、ね。」
魔女はサキに近づいた。
「この小さなあんたが、世界を救う?ちょっと考えられないかしら。」
そう言った魔女の指から、金の指輪がテーブルにこぼれ落ちた。
「あれま、指がないかしら。」
魔女の片手の指が2本消えかかっていた。
「うふふ。。言い伝えどうりってわけかしら。
あんた、これがどういう意味か、ちゃんと見ておきな。」
そう言って魔女は、持っていた金の杖を頭上にかざして呪文を唱えた。
「じゅげむじゅげむ。。。ロンギガリウス!」
その瞬間、杖が光った。
部屋はその光で包まれ、真っ白になった。
しばらくして光が収まると同時に、そこには美しいドレスを着た姫が立っていた。
「ありがとう。サキちゃん。あたしはこの海の王妃。プリプレア。
3000年もの間、呪いをかけられてここに閉じ込められていたの。
あたなをずっと待っていたわ。」
気がつくと、サキの縄は解けて、元の体に戻っていた。
「ど、、どういうこと。。」サキは唖然としていた。
「この青い石とあなたは一つなのよ。その周りの全ての呪いを解くことができるの。
この石の持ち主が現れた時、石の能力が解放されたのよ。
ただ、、わたしの命はあとすこし。」
「え。。どういうことですか!」
「3000年も呪いをかけられていたのよ。肉体はボロボロよ。
サキちゃん、あなたには感謝しているわ。もう天国に行きたい気持ちなの。」
「そ、、そんなあ。。」サキの目に涙が溢れる。
「サキちゃん、あなたが世界を救うのよ。太一くんとね。。
幸運を祈るわ。最後に、あなたに一つだけ魔法をかけるわ。
こんなことしかできなくてごめんなさい。」
そういって王妃はサキに二つの指輪を差し出した。
一つは赤い石の指輪。もう一つは青い石の指輪。
手を伸ばして受け取るサキ。
「お姫様。。あたし。。どうしたら。。」
「その指輪があれば、いつでも人魚になれるわ。無くさないで。
そしてあの青い石を持っていくのよ。さようなら。。サキちゃん。。」
王妃の体は光に包まれ消てしまう。。
「お姫さま!!!」
サキは王妃を掴みにかかるが、姫は煙のように消えてしまった。
「ドド〜〜ン!」
その時、瓦礫が崩れるような音がして、サキがいる部屋が崩れ始めた。。
「やばい!」
サキは青い石を箱に入れ、ポケットに入れた。
サキは、2つの指輪を指に通して、
「人魚になれ!人魚になれ!」と叫んでいた。
しかし、変化がない。
部屋は崩れて海水が足元を濡らす。時間がない。
「どうしよう。。。。呪文が違うのかな。。。
たいちぃ。。こわいよう。。たいちい。。会いたいよぅ。。」
強く太一のことを思った瞬間、サキの体は青く光り、肌には七色の鱗が出始めた。。
海水が部屋に飛び込んできた。
サキの足がおびれになり、人魚サキが復活した。
サキは、急いで上に上がる。
部屋は崩れ落ち、深海に落ちていく。。
サキは今までにない猛スピードで海の上に出た。




