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21話

上げるつもりでしたが、ピッツァ2枚にチーズ乗せはいくらdcといえども体の内部が弱い僕には無理でした...。

お詫びという形で、なんとか今日中に異世界学院譚ーーーもとい、秘匿された学院譚の2話を上げさせてもらうことで手打ちにお願いします。

「文化祭が終わって間もないが、今からは定期考査が首を伸ばして君たちを待っている。私はラノベも少し入れつつーーーって冗談だ、怖い顔はしないでくれよ。しっかり授業でやったとこだけ出すから」

その言葉に、席替えで前方に来た谷町がおとなしく裏に回してコンパスを持とうとしていた手を出していた。多分、勉強と趣味を両立したくないとかそういうことなんだろうが、俺にしては文章で百合の世界を見ていないんだと思える。...もしくは、アイツが考えているのが百合じゃなくてレーーー

「...で。まあ、今日からは範囲を終わらせられるようにサクサクやって行くから、無駄話はないと思いたまえ」

沈みに沈んであらぬ考えをよぎらせた俺を、現国教師こと大塚晃平の言葉が引きずり戻す。珍しく偉そうな言葉を吐く彼を一瞥してから、俺は授業に集中したーーー。


「...全く、僕に対しての冒涜だよ!僕がラノベで見るやつなんて、専らBLだけなのに!」

「まじかよ。おまえ、同性愛なら両方とも見るのか?」

「ん?ああ、まあね。でも、僕は女装男子と普通の男子の、実質NLのしか見ないから」

「ああ、なるほどな...」

どうりで、前「スズ×ナツを...」なんて恐ろしいこと言ってやがったのか。俺が当人だから、冷や汗すらかけねえ。

「...谷町くんはいいよね、ナツ君と喋れて」

後ろから感じられる圧倒的に冷たい空気に、思わず俺は振り向く。そこには、もちろんだが凛華がいた。...いつもはない、まるで目の前で浮気されて説教前の妻のような空気を纏って。

「...僕だって、怒りたいわけじゃないんだよ?でもさぁ...目の前で、僕以外の奴に喋ってて、しかも僕の方に一切話を振ってくれないっていうのは、ちょっと...ねぇ?」

その後、指を一本犠牲にすることでなんとか許してもらえた。


「...んで、いつまで続けてんだ?それ」

「わかんねえ。凛華の気が済むまでこうなったままなのは確定しているが」

「...そうか。お前も大変だな」

放課後。運良く座学オンリーだったのでマシだったが、俺はずっと凛華に指を封印されていた。...右腕の、小指。

「左で書くってのも、なかなかいい経験だったよ。まあ、二度とやりたくはないが」

「こういうことになれるってのも重要だよ?両利きにさせてあげようっていう僕の優しい心を踏み躙りたいの?」

「いや、話してくれないからって凛華が拗ねたからだろ?」

「谷町くんとだけ喋るなんてひどいよ!確かに、ジェネシスではよく一緒にいるけどさ...!」

とても怒った様子の凛華を左手で撫でながら、俺は恋を見る。

「お前もってことは、恋も大変なのか?」


その言葉を聞いた途端、恋は遠い目をした。

「...そもそも、北斗に出会ったからこんなことになったんだ。あそこでぶつかってなきゃ、刺されることもなかったし病室であいつに追い打ちされることもなかった。追い討ちにきてなきゃ、俺があいつと契約して北斗が彼女もどきになることもなかったからな...。お前らのせいだぞ?全然くっつかなかったから、こうやって俺が身を挺して、毎晩俺の布団に潜ってくる北斗を無意識的に蹴り落とせるようになったんだよ。...組長(おやじ)になんて申し開きすりゃいいんだよ...。」

最後の「親父」の発音が違った気がしたが、深追いしたらダメな予感がしたので「...大変だな、お前も」と濁すにとどめた。

「...恋、私を呼んだ?呼ばれてないなら呼ばれるまでいるけど」

「呼んでねえよ、北斗。ま、一緒に帰るか」

「うん。よろしく、えっと...夏に、恋が大好きな凛華」


「僕が大好きなのはナツ君だよ?恋くんは友愛だし」

「知ってる。だから、恋が大好きな凛華。恋がーーー」

「オーケー北斗、お前は黙ってろ」

口を封じられた北斗はモゴモゴと何かを口にしたが、諦めたように力を抜いた。それにしても、恋が大好きな凛華、か。...恋が大好きな、凛華?

「...おい、恋。ちょっと表に出ろ」

恋を無理に引っ張って行こうとするが、本人から動いたのであらい真似はしない。よくわかってるようだ、さすが恋だな。

「...どういう事だ?恋が凛華を好きって、北斗に罰ゲームを受けてるかなんかなのか?」

いつもより真剣な口調で、恋に聞く。それに帰ってきたのは、肩をすくめる仕草だった。

「ご生憎だが、まじだよ。3歳の時にお前らと会った時に、一目惚れだ。ま、今となっちゃお前を焚き付ける方が面白くて諦めてるが。北斗はそのことをよく知ってるぞ?日曜に俺の病室に忍び込んだ時に言ってやったからな」

「...?」

俺が戸惑っていると、少し恥ずかしかったのか頭を掻いて続けた。

「それにな、これはお前の父親ーーー組長(おやじ)に言われてしてることでもあんだよ。親父の店で優遇されんのも、そういう面があっからだ。...大丈夫か?」

...家に帰ったら、詰めるか。

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