トリアタマとはいいますが。
ネタを思い付いたり思い出したりしたら、忘れないうちにメモったり執筆したりするスタイルでいきます。
鳥類は空を飛ぶために体を軽くする必要がありますね。
そして、ニワトリなんて、3歩歩いたら忘れるというくらい頭が悪いともいわれています。
トリアタマといわれるゆえんですね。
……ですが、実際のところはどうなんでしょう……?
今回のお話は、そんな、トリにまつわるお話を二つほど。
まずはお一つ。
烏。
鳥トリではなく、烏カラスです。
なんでも、巣を空にするバカモンだから、そんな名前が着いたとか?
鳥の文字の頭っぽいところから一本線引っこ抜いたのが、「烏」という文字ですよね。
だから、カラスはバカだって?
……とんでもない。
カラスはヤバいです。かしこい。
脳ミソの大きさでいって、イヌより大きいといわれています。
また、イヌは基本視界が白黒っぽくて赤い色を認識できないといいますし、ネコは視力が弱くてニンゲンを輪郭でモヤッと認識しているに過ぎないそうです。
それに対してカラスは、色を正確に識別しているといいます。
昔やってたバラエティ番組の受け売りではありますが、色付きの箱の中にエサを仕込んで、色を覚えさせると、箱の位置を変えても色違いの箱を複数個用意しても、エサを入れた箱をまちがえることは一度もなかったそうです。
鳥目ともいいまして、夜は目が見えないともいわれていますが、昼間であれば優れた視力を持っているといえるのではと思います。
……でも、たまに、夜の10時……22時……を過ぎた時間であっても、カアカア鳴いて騒いでることもあったりします。時期は忘れましたが。
……えっ!? なんで夜なのにカラス鳴いてるのんっ!?
って、なっちゃいますね。
そんでもって、カラスは、追い立てられたりいじめられたりしたなら、その犯人を絶対に忘れないといいます。
住んでるところが田舎ですとね、カラスがあれこれイタズラしたって話は事欠かなかったりします。
農作業の中休みに出したお菓子の残りとか、釣って水張ったバケツに入れといた小魚とか、目を離した隙に持っていってしまいます。
せっかく田んぼに植えたお米の苗を引っこ抜いて歩くこともあると。
それに腹を立てたニンゲンさまがですね、棒もって追い立てたりしますとね、その日は逃げて見えなくなったりするのです。
……ですが、次の日。
ふと、見上げてみると、電線にカラスが止まっています。それも、複数。
ですが、そのときはなにすることもなく、電線に止まっているそうです。
……じっと、こちらを見つめたまま。
翌日、電線を見上げてみますと、やはりカラスが止まっています。それも、昨日より数を増して。
翌日も、その翌日も、カラスは電線に止まっているそうです。日に日に数を増して。
不気味に思っていたある日、カラスはとうとう、ニンゲンに復讐するべく、電線に止まっていたなん十羽が一斉に飛び立ち、襲ってきたそうです。
……こわっ!? カラス怖!?
ここで言いたいのは、カラスは目がいいので、自身を追い立てたニンゲンを、しっかり記憶して覚えていたということです。
そして、対象をしっかり認識して、襲撃の準備を着々と整えていったということですね。
……こわっ!? カラス怖!?
……とはいえ、これはカラスすげー話ではなく、カラスかしこい話です。
どこらへんがかしこいかってところの、ほんの一例を。
車で移動していたりしますとね、アスファルト舗装された道路に、カラスが舞い降りてきて、またすぐ飛び立つ、なんてことを見かけます。
そのカラス、なにをしてイルカっていうとですね……。
イルカではなく、カラスの話です。
イルカはカラスよりもっとかしこいと思うのですよ。
さて、話を戻しますよっと。
カラスが舗装道路でなにをしていたかっていうとですね。
クルミを落としていたのです。アスファルト舗装の道路に。
カラスにとっても、クルミは貴重な栄養源なのでしょう。
でも、クルミは固い殻に覆われています。
カラスでは、中身を食べるのは無理な話なのですね。
そこで活躍するのが、地面よりも固い「舗装道路」です。
高い位置からクルミを落として、固い実を舗装道路に落として、割って中身を食べてやろうという作戦です。
でも、一つ疑問が出てくるのですね。
なぜ車が通る舗装道路なのか?
他の場所ではダメなのか?
その答えは、車が通るから、なのです。
より正確にいいますと、固い実を舗装道路に落として割ろうとしつつも、あわよくば、走る車のタイヤで殻を割ってくれやしないか? ということを目論んでいたりするのです。
舗装道路に落とすだけであれば、割れるまで何回も何回も空に飛び上がり、道路に落とすという手段をとる必要があります。
それに対して、クルミを車のタイヤに轢いてもらえば、労せずとも中身を食べることができるのですから。
まあ、そうなれば、固い殻も中身も、まとめて粉々のぐしゃぐしゃになってしまうのですけれどね。
しかし、そんなことはお構いなく砕けたクルミをせっせとついばんでしまうのが、カラスというものだったりします。
ではお次。
スズメかしこいのお話です。
秋の時期、実ったお米の粒をせっせとついばむやっかいものです。
刈り取った稲をはせかけしますとですね、かけた稲わらに陣取って、天日で自然乾燥中のお米をせっせとついばんでしまいます。
夏真っ盛りでは、季節の野菜や果物をくちばしで穴を空けてしまうのですね。
そうなってしまいますと、傷ものとして売りにだせなくなってしまいます。
そんな農家さんの強い味方、
テケテテンッ防鳥ネット~~。
網目の細かいネットを張り巡らせて、害獣害鳥害虫まとめて寄せ付けない防御結界を張るのです。
資材屋さんから取り寄せた50メートル単位、100メートル単位の大きなネットは、お値段6桁円とかするそうですね。
……たっか!?
とはいえ、それで鳥の被害から農作物を守ることができるのならと、農家の親が買って張り巡らせました。
私も手伝いました。
中々手間もかかりましたが、メインとなる柱や天井の支えとなるワイヤーなんかは、業者さんに頼んでやってもらったそうです。
そうやってできた骨組みに、網を張り付けて覆ってしまうことで、獣も鳥も虫も入ってこれない防御結界の完成です。
ふぃ~……。これでひと安心なのです。
……ですが、しばらくして、親が不思議なことを言うのです。
「網を張ったのに、スズメが網をくぐって実をつついてる」
……はあ? そんなわけないでしょ? そうならないように、7桁円かけて防御結界張り巡らしたんでしょ? なに言ってんの?
「いや、天井の網目から、こう、スッと」
いやいや、入るわけねーでしょうが。
入れないサイズの網目の細かくて高い網を買ったんでしょ? それで鳥が入ってきたら防鳥ネットじゃないでしょ。
「…………」
網目幅30ミリ。3センチです。指3本の太さより細いです。
鳥が羽を広げたら、それこそスズメだって10センチ越えてしまうでしょう。
どうやったってムリムリ。
そのときは、そう思って相手にしなかったのですが……。
ある日、防鳥ネットの防御結界の内側で作業を手伝うことがありました。
親の指示の元、農作業にいそしんで、ふと視線を上げると、防御結界の上に陣取るスズメが。
……はっはっはー。この網目の細かさでは、さすがに入れまいー。
スズメはなにもできずにただ去るのみ。
そう思って、視線を戻します。少ししてまた視線を上げれば、網目の上でたたずんでいたスズメの姿もなく、なにもできずに去ったのだろうと作業に戻ります。
……で、少ししてまた顔を上げれば、信じられないことが。
スズメが、私の目の前で、天井の網をくぐり抜けて飛び去っていったのです。
……私、しばし硬直。
何が起きたのか?
それは単純。一気に羽ばたいて揚力を得たのち、羽を閉じて、事前に羽ばたいた勢いだけで網目をくぐり抜けたのです。
それも、上方向に。
我が目を疑いました。そして、親が正しかったことを理解しました。
手伝いが終わり帰宅したのち、親にその事を報告します。
……結局、もっと網目の細かくてもっとお高い網を資材屋から購入したことで、鳥害も無くなっていくのですが……。
実を得たい一心で、一歩間違えば網に絡まって飛べなくなってしまうリスクを侵しながらも、「羽を閉じて網目をくぐり抜ける」などという、荒業を編み出したスズメ。
もう、トリアタマなどとは思えなくなったのです。
野生の本能スゲーっ!
いえ、賢い! というべきでしょうか?
おしまい。
面白い。楽しかった。自分はこんなの知ってる。そんな方がいましたら、下の方にある☆☆☆☆☆などはスルーしてもらって構いませんので、ぜひエッセイにして投稿してみてください。
自分にとってはなんてことない日常であっても、他の人にとっては驚きのエピソードかもしれませんから。