2-1 自己紹介
絶滅種シリーズ第三弾 オオウミガラス編
はじまります。
はじめまして。私、オオウミガラスと申します。チドリ目・ウミスズメ科、オオウミガラス属に分類される海鳥。
・・・・・・絶滅種です。
全長75センチ、体重5キロ。頭高75~85センチで、ウミスズメ科では飛び抜けて大きかったんですヨ。
ウミガラス類は飛べますが、私たちオオウミガラスだけは飛べません。
羽色は頭部、背、尾、翼は黒褐色で、夏羽では眼先に大きな白斑が有ります。オシャレでしょ。
因みに、胸から腹は白色。嘴は大きく、黒地に白い縞模様イリ。
翼は短く、長さは20センチほど。爪も黒、水掻きは茶色がかった黒色。
飛翔力は残念ながら無いけれど、脚は黒くて短くて、グイッと尾の近くに寄っています。だから水中で力強く泳いだり、深く潜る事が出来るの。ウフフ。
スペイン北部からイギリス、スカンジナビア半島、アイスランド、グリーンランド、カナダのセントローレンス湾にかけての北部大西洋の小島で、極度に密集して集団繁殖していました。
とっても仲良しデス。
好きな食べ物はニシンやシシャモなどの魚類や、イカ類。大好物はイカナゴ。
関西に御住まいの方と、気が合うと思うわ。私は生魚が好きだけどイカナゴの釘煮、とっても美味しそう。
エッ、1キロも炊くの? スゴイわね。オホホ、話を戻しましょう。
外見も行動も、ペンギンにソックリ。実は私たち、ペンギンの本家本元なんです。
岩場に住み、泳ぎは得意。もうね、名手と言って良いレベル。飛べないから、岩場をヨチヨチ歩いて移動。
アラもしかして、『ギャップ萌え』ってヤツかしら? ダメよ、私には愛する夫と娘が・・・・・・。コホン。
地元の漁師は私たちのコト、古代ケルト語で『ペン・グイン (白い頭)』と呼んでいました。ソレを受けて学者たちが、失礼な事を言い出したのよ。
聞いてくださいな。
私たちがポッチャリとした飛べない鳥だから、ラテン語で同音の『ペンギン (太っちょ)』と命名。見た目をドウコウ言うなんて、有り得ない!
そりゃね、寒い海で生活するんだもの。厳しい冬を乗り切って、生きるんだもの。蓄えますよ、脂肪。ポヨンポヨンじゃなくて、フワッフワ。
切手にデザインされた事だって有るんです。
繁殖期は6月頃、上陸するのは繁殖期のみ。シロクマから身を守るため、小さな島の断崖を選びます。安心して子育てするにはウッテツケ。
陸続きだとクマさん、歩いて来るでしょう? だ・か・ら、小島をチョイス。
巣を作らず岩肌の上に直接、卵を一つ産みます。瓢型なので、コロンコロンしません。
卵は大きくて直径12センチ、幅は最大8センチ。重さは400グラム。黄白色の地に黒い斑点や筋が有って、とっても個性的。
モチロン、交代で抱卵します。だって私たち一生、番で過ごすんですもの。ね、仲良しでしょ?
孵化まで、6週間から7週間。雛は2週間くらいで海に入れマス。カワイイわよ。
子育てにも全力投球。親ですもの、当たり前よね。魚のいるトコロまで背中に乗せて、連れて行く事も。
教育熱心? ありがとう。私も両親から、そうして育てられました。
雛が巣立つと繁殖地を離れ、南方へ。フランスやスペインの寒い海で、餌を探して過ごします。
自己紹介は、このくらいで良いかしら?