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妖精の森

作者: 皇子

この国には妖精の森と呼ばれる神聖な森がありました。


 奥深い神聖な森は、誰でも入れるが、その森で無慈悲な行動をしてしまうと、妖精の罰がくだるといわれている。


 無慈悲な行動とは、妖精の感じるまま思うままなので、罰を罰と認識する者は誰も居なかった。


 持っていたお菓子が消えていた。木の根っこにつまづき転んでしまった。好きな子と喧嘩をした等のそんな些細な事ばかりが起こっていた。本当は、隠れて大きな事が起こっていても、大き過ぎてその事と繋げていないだけで様々な事が起こっていたのだ。





ある日



「王子! アルファード王子、お待ち下さい!! 其方に行ってはいけません!!」


「うるさいぞ! この森の何処かにある妖精の木から木の実を我が愛しの姫に与えないと、我が愛しの姫が泣いてしまうのだ! 今もあの大きなキラキラした白銀の綺麗な瞳から、宝石の様な涙が溢れてしまうだろう」


「なりません! この森は妖精の森でございます。その様な気持ちで木の実を持ち帰りでもしたら、どの様な罰が与えられるかしれません」



かなり身なりのいい整った顔の青年が、勢いよく騎乗したまま森の中へ侵入してきた。


 その後を三人の騎士服を着た男達が追いかけている。



「誰に言っている!私はこの国の時期王になる者だぞ。この森もこの国の物だろう私がどうしようと、自由だろうが!この森は私の物と言っても過言ではない。


 ほら!向こうに変なモノが居るではないか!アイツをこの高貴なる私が仕留めて見せよう!見ておれ」



アルファード王子は、騎士達へ見せびらかす様に、騎乗したまま弓を構え標準を合わせ撃ち抜いた。


 変なモノと言われた妖精は、勢いよく飛んできた矢に射抜かれ、森中に響き渡る甲高い叫びをあげた後、霧になり消えた。



「どうだ!私の華麗な弓捌きは。あんなものの一匹や二匹退治してやるよ」


「なんということを……」


「私は急ぎ城に帰還し、報告して参ります」


「あ、あああーどうなるんだ……何が……何が起こるのか。妖精達よどうか、どうかお許しください」



その後、この事は緘口令が敷かれ。当人のアルファード王子は、注意勧告と謹慎させられた。アルファード王子はこの国ただ一人の王子であった為に、称号を取り上げる事が出来なかったのだ。


 きっとあるであろう、妖精達の怒りを鎮めようと、教会から祈りがもたらされたが、効果があるのか無いのか誰にもわからなかった。


 知ってるもの達の中では、誰もがきっと恐ろしい事が起こると予想したが、半年経っても一年経っても何事も起きなかった。


 いつしか妖精の森で起こった事は風化していった。毎日同じ様な日々や、少しのトラブル等が起こるくらいで大きな災害も異変もないまま日々は過ぎていった。


 アルファード王子はその後、白銀の瞳の令嬢と婚姻し、その国の王になりました。






それから三十年。アルファード王には未だ後継ぎが産まれていません。王妃の他に数人の側妃を迎えても、未だに誰一人としてお子を授かる兆しがみえないのです。


 アルファード王の若かりし頃の妖精の森での事柄が今頃何故か、誰かれ無く囁かれはじめ民達は、以前からの王侯貴族への不満等もあり。国、全体に暗いものが漂いはじめていた。



「王妃よ……すまない。私が、私が傲慢だった為に、君に子供を私達の子供を抱かせてあげる事ができなく……


 受け入れるつもりのなかった側室も受け入れる事になってしまった。君に、幸せにしたかった君に幸せをあげられず、不安な日々を過ごさせてしまっていることを今も悔やんでいる。


 私と共に王位継承権を捨て、余生を穏やかに過ごさないか。


 直系の血族は私だけだから、国の皇族は私で……滅んでしまった。父王に真剣に叱咤された時……嫌、元々は私の所為で皆に、配下も側室達にも国の民達にも迷惑を掛けた。私は、私は軽い気持ちでしてはいけない事をやってしまった。


 それは、今後悔しても取り返しのつかない事だが、信じたく無かったのだ。鳥を射るように妖精を射っても私なら大丈夫だと、変な自信をずっと持っていた。それに、その事には直視したく無かったのだ。当時の皆の反応を見て恐れていた私もいたから。


 本当に悔やんでも仕方ない事だが、あの日あの時妖精の森に行かなかったら、妖精を矢で殺さなかったら。私は君と幸せに暮らしていたのだろうか。と、考えてしまうんだ。


 取り返しの付く事とつかない事の判断を私が出来なかったんだと。今更ながらに後悔している」











この国には妖精の森と呼ばれる神聖な森があります。


 奥深い神聖な森は、誰でも入れるが、その森で無慈悲な行動をしてしまうと、妖精の罰がくだるといわれている。


 無慈悲な行動とは、妖精の感じるまま思うままなので、罰を罰と認識する者はいないが、眼に見えぬ事だろうとも、自身への罰、後悔、反省、は自分自身が一番知っている。


 誰に言われることもなく自分が一番わかっている。と、いうこと。



アンハッピー系は書かないのですが、突然書きたくなりました。

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