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と、いう夢をみたんだ。

王子さまとステッキとわたし

掲載日:2020/04/20


白い、靄の中に立っていました。

深い霧の出ている、森の中。の開けた空間です。

空間の入り口から光が差し込んで、霧に反射して世界が白く発光しています。



その光の先から、何かがやってきました。



かなり大きい…動物…そう、馬です。

馬に騎乗した人。



白馬に乗った王子さまがやってきました。



王子さまの顔は逆光になっていて、顔、表情は見えません。


白馬に乗った王子さまは少しだけ離れたところで止まり、じっとわたしをみつめています。




その時わたしは、手に何かを持っていることに気づきました。


リレーバトンみたいな太さのものです。

ピンク色をした筒の上に、星の形をしたものがくっついています。

クリスマスツリーのてっぺんにつける星みたいです。


星をぼぉっと見ていたわたしは、突然気づきました。



このリレーバトンは、変身ステッキです!



王子さまを見上げると、まだこちらを見ています。

何かを待っているようです。




わたしは近くの茂みに駆け込みました。


白馬の王子さまが待っているといえば、そう、お姫さまです。


わたしはこのステッキを使い、お姫さまに変身することにしました。



頭の上でくるくるとリレーバトン、もとい、変身ステッキを振ります。

キラキラとした光を浴びると、いつのまにかドレス姿になっていました。


スカートが大きく膨らんだ、プリンセスラインという形のドレスです。

前面にリボンがばしばしついているのがちょっと微妙ですが、気にしないことにします。



ドキドキしながら王子さまの前へと戻ります。

どうすればいいか分からないので、ぺこりとお辞儀をしてみました。

王子さまの視線は感じますが、何も言ってくれません。



これは…まさか…王子さまのお気に召さなかった…!



ちょっと待ってみて、その場でくるりとまわってもみましたが、王子さまはうんともすんとも言ってくれません。



すごすごと、茂みへと戻ります。




今度こそ立派なお姫さまへと…


実のところ、お姫さまの知識など幼稚園の頃「おひめさまぬりえ」を喜んでやっていたくらいしかありません。



幼稚園の頃のわたししか頼れるものがおらぬ…

蘇れ幼稚園のころのわたし…!



気合をいれて、ステッキを振ります。

キラキラ光る後には、今度はマーメイドラインのドレス姿になっていました。


大人の魅力、マーメイドライン。

しずしずと王子さまの元へ向かいます。




微動だにしない王子さま。



茂みへともどるわたし。





くそっ…!王子の好みはいったいどんな女なんだ!?


プリンセスラインもだめ、マーメイドラインもだめ。

正直そのふたつしか覚えていない!


お姫さまっていったい何なんだ!?




そこでわたしは気づきました。



ティアラです!!



なんということでしょう、お姫さまといったらティアラ。


そのティアラを付けるのを忘れていたのです。



わたしはホッとしました。これで王子さまも気に入ってくれるでしょう。


すっとステッキを振りかぶります。



うなれ幼稚園の頃のわたし…!!




きらきらと、光が降り注ぎます。


光を纏ったまま、茂みからゆっくりと出ていきました。



三度目のドレスは、シンプルながらも繊細な模様の入ったAライン。


そして頭の上の、しっかりとした重み。


自分でみることはできませんが、きっとドレスに合う、繊細なティアラが飾られていることでしょう。




顔を上げ、王子さまを見つめます。




今まで動かなかった王子さまの手が、動きました。


両手を上に、肩のあたりまで上げます。




そのまま肩も少し上げ、首をゆっくりと横に振りました。




馬がお尻を向け、王子さまはそのまま去っていきました。







ちくしょう。










ちくしょう

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