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運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう  作者: 音無砂月
第5章 天然トラブルメーカー

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76.リーゼロッテ視点

「リーゼロッテ、最近エレミヤのことで良くない噂を聞くの」

お母様が心配そうに眉を寄せて私に言ってきた。

「良くない噂ですか?」

「そう。何でもアヘンをしているとか」

「そんな!あり得ません」

お母様の言葉を私は即座に否定した。だって、エレミヤ様はお義兄様が選んだ大切なパートナー。何れはこの国を背負って立つ人だ。

そんな人がアヘンなんかするはずがない。

「エレミヤ様は何れお母様のように皇妃となるお方です」

自分で言いながらなぜかずくりと胸が痛んだ。

どうしてだろう。

お義兄様の横に立っているエレミヤ様はお義兄様に相応しい方だと思うのに。そう思う度に胸が痛む。何かの病気かもしれない。後で医者に相談してみよう。

「ユリアンヌ嬢。あなたがご友人から相談を受けて様子を見に行った。彼女がアヘンをしていたそうね」

「はい。私は残念ながら体調を崩して行けませんでしたけど、代わりにエレミヤ様が行ってくださいました」

「彼女の部屋にはアヘンが充満していたとか。つまり、エレミヤも少なからずアヘンを吸引したということよね」

お母様の言いたいことを察した私は顔を青ざめさせた。なんてことだろう。

「アヘンは依存性の高い違法の薬物。どのくらいエレミヤが吸引したか分からないけど」

「そのせいで、アヘン中毒に?」

「可能性はあるわね」

私のせいだ。

私がエレミヤ様に行かせたから。エレミヤ様は関係なかったのに。彼女とちょっとお出かけをしてみたくて、でも皇女という立場上気軽に出かけることはできない。

まして一緒に行動するのが次期皇妃となると余計に。

だけどお友達の邸に行く程度なら簡単ではないけど許可を貰いやすい。

だからエレミヤ様にその話を持ち掛けた。お優しいエレミヤ様はスケジュールの都合をつけてくれたのに。私が体調を崩したばっかりに一人で行かせてしまった。

あの時は朝食の時までは元気だった。でも、朝食を終えたあたりから気分が悪くなったのだ。

数日寝込めば治ったので医者は疲れが出ただけだと言っていた。

「わ、私、すぐにエレミヤ様のところに行って、治療を勧めてきます」

「その方が良いかもしれないわね」

善は急げだ。

私はすぐに部屋を出てエレミヤ様の元へ向かった。


◇◇◇


「馬鹿な子ね」

部屋を出て行った娘を見送って、私は一人呟く。

我が娘ながら本当に愚かだ。

意図的にそういうふうに育てたのは私だけど。

リーゼロッテは私が意図的に作った純粋無垢な子供。汚いものを徹底的に排除して、綺麗なものだけを見せ続けて出来上がったのが彼女だ。

「ねぇ、そうは思わない。フィグネリア」

私が声をかけると部屋の奥から黒髪、黒目の妖艶な少女がでてきた。

この国には黒髪、黒目の子が多い。この国の特徴だ。

最近は他国から来た人と結婚することも多いので金髪やら茶髪やらも増えてきてはいるけど、貴族は殆どが黒髪、黒目だ。

特に利益の為に身分の釣り合った者と結婚する貴族には。

「純粋無垢で可愛らしい子だと思いますよ、私は。ところでこのお茶、何も入ってませんよね?」

リーゼロッテがさっきまで座っていたソファーに腰かけながら新しく淹れたお茶を見てフィグネリアは聞く。

「あなたじゃないんだから」

「あら。娘に一服飲ませて数日寝込ませたのは、どなただったかしら?」

フィグネリアの言葉に私は笑みを深める。

「医者の手配、助かったわ。あの子は本当にただ体調を崩しただけだと思っているの。馬鹿な子よね。きっとノワールやエレミヤだったら口に含んだ瞬間に毒があるって分かったでしょうけど。あの子は疑うことを知らないから」

「そういうふうに育てたのでしょう」

「そうね。でも、気づこうと思えば自分で気づけた。現状に流され、それを怠ったのはあの子よ」

「あなたはとても恐ろしい人です」

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