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運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう  作者: 音無砂月
第4章 私の運命?

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「は?お披露目会?」

「ああ」

満面の笑みで陛下は言った。

っていうか、いつまでいるんだろう。さっさと執務室に戻ればいいのに。

「テレイシアから人が来るのだろう。なら、少し仕事に余裕ができるし、お前のお披露目会を開こうかと思ってな」

余裕?できるわけないでしょう。

それにユミルと陛下がさんざん散財した上に、公爵が国庫を好き勝手に使っていたのでこの国の財政はかなりヤバイ。財政難が表面化していないのはフォンティーヌを始め、少数の優秀な臣下が頑張ってやり繰りしてくれているからだ。

「お披露目会なら既に終わらせていますが」

とても簡素なものではあったけど。

「もっと盛大にしたいと思っている。あの時はあまりできなかったからな」

あなたがその気ではありませんでしたからね。ユミルにぞっこんだったし。

「そんなお金、どこにありますの?」

「ないのか?」

なぜ私に不思議そうな顔をして聞くのですか。

「あるわけがありません」

王なら自国の国庫ぐらい把握しておきなさいよ。

「テレイシアで何とかならないのか?」

「は?」

陛下が言わんとしていることは瞬時に分かった。だが、分かりたくはなかった。

「お前のお披露目会なのだ。テレイシアから出しても当然だと思うが」

もしそれを言えば、厚顔無恥と罵られて門前払いをくらうことになるだろう。

私の姉は女王だが、「無駄にできる国庫など万に一つもない」という信条のもと執務に当たっているので他国に出す金は一つもない。

それに、お披露目会を行う場合は普通に考えて夫側が全額負担だ。それを支払えと?それも一国の王が?

前代未聞だ。

「通常は夫側が全額負担いたします」

「それができないのだろう」

「ええ(あなたとユミルと公爵様のせいでね)。テレイシアから一時的にお金を借りることはできます」

私は改めてお披露目会をする必要はない。お金もないし。

「ならそれで構わない」

構わないって。返す当てはあるのだろうか?

陛下を見る限り何も考えていないのは明白。一応、姉にはハクを通して聞いておこう。姉の目的を考えると安い買い物みたいなもので、了承してくれる可能性はある。

「分かりました。姉に聞いてみます」

「ああ、頼む。楽しみだな」

にっこりと満足そうに笑う陛下にはため息しか出ない。

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