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運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう  作者: 音無砂月
第2章 媚びを売るべき相手が誰かを分からせて差し上げましょう

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グロリアが我が物顔でお茶会に招待する客のリストを持ってきた。

これで文句はないだろうという顔を見て私は呆れてしまった。

愚かな女。このリストを誰が作成したのかは把握済みだ。

そもそも私がユミルや陛下側の人間を野放しにするわけがない。もちろん、ちゃんと見張りはついている。シュヴァリエだ。

彼が私から離れている時の護衛はノルンにお願いしている。

早く護衛を何とかしないといけないとは思っているのだが、背中を向ける相手でもあるので簡単には選べない。


◇◇◇


「王妃様、本日はお招きありがとうございます」

「楽しんでいらしてね」

そしてやって来たお茶会。

招待した客の中にはもちろん、ユミルの養父であり摂政でもあるブラッドリー・ジュンテォーレ公爵もいる。

小太りで毛髪の乏しい男だ。特徴は時々キランと光る金歯だろうか。

「娘は番として陛下を支えております。つきましてはあなた様にもユミルと一緒にそうあって欲しいと思います」

口角を上げて笑う公爵。僅かに開いた口の中で太陽の光にあたりキラキラと趣味の悪い輝きを放っている歯がやけに印象的な男だった。

この男は私に陛下を支えるユミルの支えになれと言っている。裏で大国を牛耳るだけあってなかなか肝の据わった方だ。

「王妃になった以上はこの国に身を捧げるつもりです。不慣れではありますが陛下の支えになれるように頑張りますわ。摂政であるあなたのアドバイスは有難く頂戴しようと思うので遠慮なく仰ってくださいね」

私は公爵の言葉に嫌味を乗せて返した。

摂政である公爵のアドバイスならある程度は聞くが何の力も能力もないユミルの言葉を聞くつもりはない。それと、王妃は私。この国と王を支えるのは私であってユミルではない、と。

さすがは公爵。

彼は私の言葉に笑顔で「当然です」と答えた。

何が当然だと心の中で悪態をつきながらも私は笑みを深めた。

お互いに何も知らない人間が見たら仲の良い様子だと勘違いするような態度ではあるけど、心の中は罵詈雑言が飛び交っている。それは相手も同じだろう。

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