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運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう  作者: 音無砂月
第2章 媚びを売るべき相手が誰かを分からせて差し上げましょう

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追加 ユミル視点

私はヘルマの話を聞いて、すぐにカルヴァンに来てもらうことにした。

優しいカルヴァンは仕事よりも私を優先してくれた。真っ先に駆け付けてくれたカルヴァンに私は縋りついた。

そして、ヘルマの話を彼にもした。

「何だと、それは本当か」

「ええ。間違いないわ」

「お待ちください。その話には何の根拠もありません。それに、彼女に護衛をつけさせたのは私です。第一に王妃に護衛がついていないことの方がおかしい。そのせいで彼女は暗殺されかけたんです」

カルヴァンの側近であり、宰相のフォンティーヌが私に意見をする。

臣下のくせに生意気。

彼は苦手というか嫌いだ。さっさとクビにすればいいのに優秀で、カルヴァンの幼馴染だからってことで大目にみてあげているのに。

「それって本当なの?エレミヤ様が自分から招いたんじゃないの?テレイシアの王女は随分と貞操観念が緩いのね」

「エレミヤ様ではなく妃殿下か王妃様とお呼びください。あなたが気安く名前を呼んでいい相手ではありません。それと先ほどの言葉も撤回してください。邪心にまみれた言葉で妃殿下を汚すな」

「っ」

私に指図するだけではなく、吐き捨てるように乱暴な言葉を投げかけるなんて。

「私はカルヴァンの番よ!私に指図しないで!それに私は本当のことを言っただけよ」

「確かにあなたは陛下の番です。けれど、王妃ではない。この国で最も敬われる女性は国母である王妃のみ。それと確たる証拠もなく妃殿下を侮辱するようなことを言うのは止めていただきたい。あなたのその無責任な言動が我が国を窮地に追いやっているのです。そろそろ自覚をしてください」

何それ、意味わかんない。

私はカルヴァンの番。でも、カルヴァンは国の為に仕方がなく好きでもない女と結婚しないといけなかった。私はそれを許してあげたのよ。私は理解ある番だから。

私が許してあげたからあの女は今、王妃になることができたんじゃない。それを感謝すべきよ。

それに証拠がなくてもだいたいあってるでしょう。見るからに男好きのする顔してるし。

「どうして、私が責められないといけないの。私は、エレミヤ様の非道な行いにも耐えているのに」

そう言って涙を流せばカルヴァンが抱きしめてくれた。

「フォンティーヌ、いい加減にしろ。エレミヤがどういう女かお前が一番分かっているだろう。それなのに、ユミルよりもエレミヤを優先するなど。幾ら幼馴染のお前でも許せることではない。お前に一週間の謹慎処分を言い渡す。少しは頭を冷やせ」

「本気で言っているんですか?」

「ああ。幾らお前でも俺の番を侮辱することは許さない」

「分かりました」

くすっ。ざまぁ。

苦々しく出て行くフォンティーヌを見て胸がすっきりした。こんな具合にあの女もさっさと自分の立場を自覚して出て行ってくれたらいいのに。

帰る場所がないって言うのなら私がカルヴァンにお願いして侍女として雇ってあげても良いわね。だって、私は優しいから。

「ユミル、お前の護衛を暫くクルトに任せる。クルト、俺の番を頼んだぞ」

「お任せください。この命に代えても守ってみせます」

「よろしくね、クルト」

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