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運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう  作者: 音無砂月
第2章 媚びを売るべき相手が誰かを分からせて差し上げましょう

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追加 ヘルマ視点

私の名前はヘルマ。エレミヤ妃殿下の侍女をしているけど、本当はユミル様の侍女。

私はユミル様の命令でエレミヤ様の情報を番様に流している。

「エレミヤ様は寝室に剣を隠し持っていたんですよ。それで侵入者を見事、撃破したって感じです。恐ろしいですよね。寝室に武器を持ち込むなんて。一体誰を殺す為に持ち込んだのか」

私がそういうとユミル様は自分の体を抱きしめ、怯え始めた。

「まぁ、怖いわ。もしかして、それで私を」

可哀そうなユミル様。

竜族にとって番は絶対の存在だ。守られるべき大切な方。

人であり、他国から来た異人の妃殿下にはそれが理解できないようだ。

仕方がないとは言え、少しは自分の立場を弁えて欲しいものだ。

「ユミル様、陛下に言って護衛の数を増やしてはいかがですか?それに最近ですが妃殿下は遂に護衛を一人つけられたとか」

「護衛を?」

「はい」

私は重々しく頷く。これも重要な情報の一つだ。ユミル様の命にも関わる。

「シュヴァリエというものです。父親は殺人を犯し、投獄されたのち牢獄で自殺しています」

「まぁ」

口に手を当てて驚くユミル様に私は自分の考えを話す。きっと大きくずれてはいないだろう。

「蛙の子は蛙と言います。父親が殺人鬼ならその息子であるシュヴァリエも同じ穴の貉。妃殿下がシュヴァリエにユミル様に害を与えるよう命じる可能性もあります」

少し遠回しに言ったけど、要はユミル様殺害を命じる可能性があるのだ。

妃殿下だって、いくら侵入者だったとはいえ何の躊躇いもなく人を殺すような野蛮人だ。きっと人の命など何とも思っていないのだろう。

「でも、そんな人道に反する命令を王妃様ともあろう方がするかしら?」

お優しいユミル様。でも、世の中はそんな人間であふれかえっているのだ。

世界の人間が全員、ユミル様のような方だったらきっと争いのない平和な世界だったろうに。

「人を躊躇いもなく殺した人です。それに侵入者だったとは言いますけど、果たして本当に侵入者だったのでしょうか?」

「何が言いたいの?」

きょとんとした顔でユミル様が問うてくる。彼女とは無縁の話ゆえに直ぐに察することはできなかったのだろう。

「妃殿下が自ら招いた可能性だってあります」

「まぁ。それはカルヴァンに対する裏切りよ。それにテレイシアの王女様なのでしょう。そんなはしたないことをするかしら」

「そういう人なんですよ、エレミヤ王妃は。ですから陛下に頼んで護衛の数を増やしましょう。番様にもしものことがあってはなりませんので」

ユミル様は納得してくださいました。そして直ぐに陛下を呼ぶように近くにいた侍女に命じた。

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