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運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう  作者: 音無砂月
第9章 聖書を利用するのは神だけではなく悪魔も同じ

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174.マクベス視点

ノワール陛下の部屋に行くようエレミヤ様に言われた。

誰にも見つからないように部屋に行くとそこにはノワール陛下とは別に桜色の髪に紫の瞳をした女性がいた。

綺麗に編み込まれた頭にはガラスでできた薔薇の簪がつけられていた。とても珍しい簪だ。

「マクベス、彼女は俺に仕えている間者でレイラだ。レイラ、彼女はエレミヤの間者、マクベスだ」

「レイラです」

ノワール陛下に自己紹介されたレイラは深々と頭を下げる。

間者?

彼女は威厳のある貴族の令嬢の様な雰囲気を纏っていた。それにお辞儀もとても綺麗だ。

間者になる人間は訳アリの人間か代々その職についているかのどちらかだ。

だから間者同士の暗黙の了解として相手の出自については聞かないことになっている。さして興味もない。俺にとって重要なのは彼女の出自ではなく使えるかどうかだ。

実力主義のノワール陛下が紹介するぐらいだ。能力値は期待しても良いと思う。


◇◇◇


俺たちの後をついて来ていた奴らにノワール陛下は追跡の魔法を施していたようで俺とレイラはそれを頼りに調査を始めた。

「お兄さんたち、こんなところに何の用だ?物見遊山で来たのなら引き返すことをお勧めするよ」

赤黒い髪の男が話しかけてきた。

左目は眼帯で覆われている。

服装や体格からスラムの住人ではない。

「誰だ?」

「ザガリア。お兄さんたちは?」

「マクベス、こっちは」

「レイラです。ここへは探し物をしに来ました」

「へぇ。探し物ね。いったいどんなものなんだ?」

目を細めたザガリアからは口元には笑みを刻んでいたが目の奥はひどく冷めていた。憎悪すら感じる。

「アヘンについてです。最近よく出回っているので私も欲しいなと思いまして」

「あんたお貴族様だろ。そんなものを使ってまで夢を求めなくても金で買えるだろ」

レイラはアヘン目当てでザガリアに近づき、何らかの情報を得ようと考えているのだろう。ノワール陛下が信用し、使っている間者ならアヘンを流しているのがガルディアンという組織であることは知っているはずだ。

そして俺たちを付け回していたのがアヘン絡みだということも。

俺はザガリアを見る。

彼の目は先ほどと比べ物にならないぐらい冷たくなっていた。

そうか。彼は貴族が嫌いなのだ。

レイラにどのような事情があったのかは分からない。しかし隠したところで彼女が貴族に属する家柄であることは明白。

彼に取り入るのならレイラでは不利になる。

「‥‥‥全ての願いを金銭で叶えることはできない。だから私にはアヘンが必要なの」

ザガリアは俺たちを観察するようにじっと見つめてくる。

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