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運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう  作者: 音無砂月
第9章 聖書を利用するのは神だけではなく悪魔も同じ

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2020/12/20刊行予定

ユミルとカルヴァンの『ざまぁ』展開あり

番外編2本収録

シュヴァリエたちにとってエレミヤがどれだけ大切なのかを再認識でき、ノワールのエレミヤに対する気持ちも分かる話になっていると思います。


※10月26日よりニコニコ静画にてコミカライズ連載決定!

挿絵(By みてみん)

「ここがマルクア神聖国」

馬車の中から見えてきたマルクア神聖国を見つめる。

城門もそうだけど平民の建物、全てが白で統一されている。美しい街並みではあるけど白で統一され過ぎて少し物寂しい。

まさかマルクア神聖国から招待を受けるとは思わなかった。絶対に罠があると思うから先にマクベスを潜入させている。

馬車がマルクア神聖国の町中に入ると私は裏路地に目を向けた。

裏路地というのは大抵は貧民たちの棲み処に通じるので治安が急に悪くなったりガラの悪い人がいたりする。国の状況を見るには裏路地の状況を見るのが一番良いのだ。

だが、マルクア神聖国の裏路地は表通りと何一つ変わらないように見える。私はまた別の場所に目を向けた。

「マルクア神聖国は王都の外に貧民を閉じ込めるためのスラム街があると聞いたけど本当のようね」

「ああ。だから王都は他の国と違って美しい外見を保てている。臭いものには蓋をするのがこの国のやり方だ」

ノワールの言葉に私は納得する。

どうりで気が合わないわけだ。

帝国に招待した彼らに好感を持つことはできなかった。

「天族であることに誇りを持っている分、差別意識も高い。エレミヤ、城内では一人になるなよ」

「分かっているわ」

アヘンを流通させた国だ。何があるか分からない。

城は王都の奥に聳え立つ。ノワールは王都の奥にある王城を見て「臆病な連中だ」と揶揄した。

本来城は王都の入り口か真ん中に建てる。

有事の際は王城が盾となり王都を守る為だ。

けれどマルクア神聖国は王族の命を何よりも大切にしている為奥にあるのだ。

初めて見るマルクア神聖国の王都見学を馬車の中で済ませて私たちは王城へ入った。

挨拶に出てきたのは頭の真ん中がとても眩しくなった小太りの男だ。

「ようこそ、おいでくださいました。ノワール陛下。エレミヤ殿下」

「暫く世話になる」

私はノワールのエスコートで馬車の中から出た。

ノワールは外向けの笑みを浮かべているがその目は目の前の男がどういう人間か見極めようとしているようだ。

「ささっ。長旅でお疲れでしょう。お部屋へ案内させていただきます」

「ご配慮、感謝いたします」

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