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運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう  作者: 音無砂月
第8章 黒白弁せず~リーゼロッテ、最後の騒動~

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149.ノワール視点

「あり得ねぇ」

俺は今、エレミヤの従者であるマクベスと一緒に屋根裏にいた。

俺の視線の先にはマルクア神聖国の侍女に扮したエレミヤがいる。

神聖国の侍女服は白一色でワンピースタイプとなっている。そんな服を灰色のカツラを被ったエレミヤが着ているのだ。

メイクはナチュラルメイクだけど、唇がほんのり桜色だ。

「どうして、あいつは自覚しないんだ」

エレミヤは基本的には自分の容姿に頓着しない。そのせいで自分の容姿が周囲にもたらす影響を全く想像できないでいるのだ。

目立つ銀色の髪を隠せばOK!ナチュラルメイクにすれば地味になって目立たないはず!とか思っているんだろうけど、儚げな容姿に白のワンピース。どう考えたってミスマッチだ。いや、よく似合っている。似合っているからこそミスマッチなのだ。

どこをどう見たって男の理想を具現化した清楚なお嬢さんが出来上がっている。

「鏡で確認した時にそこは気づいて欲しかった」

「いや、無理でしょ」

隣でマクベスが呆れながら何か言ったが無視をして俺はエレミヤを注視する。あんな姿でうろつかれたら目を放せるわけがない。

「いっそのこと、本当にどこかに閉じ込めてしまおうか」

「‥…」

そうすれば、あんな姿の彼女を俺以外の男に晒さずにすむ。

やっぱり、名案だよな。ジェイに言って絶対に脱出不可能な部屋を王宮内に作ってもらおうか。首輪とか手錠は極力避けたい。万が一エレミヤに傷がついたら大変だし。

そんなことを考えていると案の定、害虫がエレミヤに声をかけた。それだけでも万死に値する。

『おい、お前』

「あいつ、今俺のエレミヤをお前呼ばわりした?アイツ何様だ」

「王子様だろ」

マクベスの突っ込みは無視をする。

『はい、なんでしょう。殿下』

侍女姿のエレミヤが応答する。

「何返事してんだよ。無視してさっさと逃げろよ」

「無理でしょ。エレミヤ様は今侍女なんだから」

「関係あるか」

『喜べ。お前は俺様の目に適った』

何言ってる、こいつ。目に適った?お前如きの目に?

「ちょっと、殺気を抑えてよ。エレミヤ様に気づかれる」

マクベスの慌てる声が聞こえるが、それは意識の外にあり答えることができない。

『今夜、俺様の寝室に来ることを許してやろう』

「ちょっと、何してんの!?」

俺は腰に下げていた剣の柄を握り、刀身を出す。

マクベスが慌てて俺を後ろから羽交い絞めにする。

「何って決まってるだろ。あの害虫を殺すんだよ。当然だろ」

「そんなわけないだろ!何言ってんの。相手は他国の王子!ボンクラでも殺すなら帝国を出てからにしないとまずいって。相手は神聖国。帝国と同じくらい力のある国なんだから」

マクベスと揉めているうちにまたもやあの害虫はあり得ないことをほざきやがった。

何と、エレミヤを愛人にすると言ったのだ。

「おい、ちょっ、待てって。マジでヤバいって」

俺は制止するマクベスを振り切り、屋根裏から出て、エレミヤと害虫の前に出た。

「マナート殿下、他国で節操のない真似は止めてくれるか」

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