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運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう  作者: 音無砂月
第6章 邪魔で邪魔で仕方がない

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「カルラ、ノルン。お仕事をお願いしたいんだけど」

マクベスの情報によるとアウロはかなり荒れているようだ。

しかも私がリーゼロッテの婚約を彼女にばらしてすぐに動きを見せた。

私の事業を失敗させて地位を堕とす為に裏稼業の人間に接触した。けれど、全てフラれた。しかもこっぴどく。彼女のプライドはかなり傷つけられたことだろう。

マクベスがかなり頑張ってくれて、フィグネリアが裏で手を回し、アウロの使っていた駒を使えなくしたことが分かった。やはり彼女は敵ではなかった。

復讐と嫉妬に捕らわれた愚かで哀れな女は次にどう動く?

まず最初に自分の他に動いてくれる人間がいないか探すだろう。誰かの弱みを握る。あるいは身分を笠に着て脅す。

ここへ嫁いでから部屋に籠りきりで貴族とコミュニティを築いて来なかった彼女には例え下級貴族であったとしても没落させるのは難しいだろう。身分とは他の有力貴族とコミュニティを築けて初めて己の武器として正しく作用するのだ。

だけど気の小さい下級貴族なら脅し程度で良い。

その手さえも使えなくなったらもう自分で動くしかない。アウロの今の関心は私に向いている。とにかく気に入らないようだ、私のことが。

気の弱い下級貴族が被害に合わないように、こちらはマクベスに情報を集めさせて先に保護しよう。

「周囲に誰もいない状態の時、アウロ様にだけ聞こえるように雑談をして欲しいの。アウロ様の神経を逆なでするような雑談をお願いね。アウロ様には極力、顔を見られないようにね」

「畏まりました」

カルラは侍女の見本のようなお辞儀をする。

「お任せください」

にやりと笑ったノルンはまるで悪い魔女のようだ。

カルラとノルンにはアウロを追い詰める役割をさせる。

追い詰められた人間は深くものを考えずに感情のまま動くようになる。無謀にも一人で私の所に来るだろう。私を排除しに。

「シュヴァリエは念の為、ノルンとカルラについていて」

「畏まりました」

シュヴァリエには雑談をしている二人がアウロに危害を加えられた時の為の護衛だ。

「ディーノは私の護衛ね」

「分かった」

「それと暫く夜間は部屋の前で護衛する必要はないわ。中で守ってね」

シュヴァリエはちょっと微妙な顔をしたけど私の主旨が分かっているから反対はしなかった。

ディーノは頷いて了承の意を示した。

取り合えずはこんなものだろう。後はアウロがどこまで踊ってくれるかだ。

王族って本当に面倒ね。一層のこと全て投げ出してしまいたくなるわ。まぁ、それができないからこうやって常に神経を尖らせて速やかに対応しているんだけどね。

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