俺の大切な彼女
俺の名前は、流石洋介
28歳
俺は今、凄い悲しい気分になっている。
何故なら、俺の彼女である、佐藤姫菜が乳ガンで、今日亡くなってしまったからである。
俺と、姫菜の出会いは、今から、20年前の1999年である。
俺が、まだ小学2年生の時だった。
【1999年9月1日】
鈴木先生(女性)「皆さん、おはようございます!」
クラス全員「おはようございます!」
鈴木先生「今日から2学期ですね!夏休み楽しかったですか?」
洋介「楽しかったよ!俺、海で一杯、泳いだよ!」
鈴木先生「実は、今日からこのクラスで、一緒に勉強することになった転校生を紹介したいと思います!」
洋介「男の子ですか?女の子ですか?」
鈴木先生「女の子です!」
洋介「女の子か!可愛いかったら、仲良くなりたいな!」
田中(洋介の親友)「洋介、お前は、相変わらず女が好きだな!俺は男が良かったぜ!」
洋介「田中、うるせえよ!」
鈴木先生「では、今、廊下で待ってるので呼んで来ます!」
転校生が、教室に入ってきた。
鈴木先生「では、お名前をどうぞ!」
姫菜「佐藤姫菜です!」
洋介(か、可愛い)
鈴木先生「では、佐藤さんに、質問ある人、手を挙げて下さい!」
洋介「はい!」
鈴木先生「じゃあ、流石君!」
洋介「どこから転校してきたの?」
姫菜「世田谷からです!」
洋介「世田谷から何故、春日部に来たの?」
姫菜「父親の仕事の関係です!」
洋介「へえ、そうなの!」
鈴木先生「他に質問ある人?」
田中「はい!」
鈴木先生「じゃあ、田中君!」
田中「得意な教科は何?」
姫菜「音楽です!音楽以外は、成績は4ですが、音楽は5です!」
田中「へえ!」
鈴木先生「では皆さん、佐藤さんと仲良くして下さいね!」
【放課後】
田中「洋介、一緒に帰ろうぜ!」
洋介「ゴメン、今日は一人で帰ってくれ!」
田中「何でだよ!」
洋介「今日は、お前と、帰りたくないんだ!」
田中「洋介、今日のお前、おかしいぞ!
じゃあ、またな!」
洋介(よし、邪魔な奴がいなくなった!姫菜さんと一緒に帰れるチャンスだ!あっ、七海!)
橘七海(同じクラスの女の子)「佐藤さん、私と一緒に帰りましょう!」
姫菜「橘さん、私、どうしても一緒に帰りたい人がいるの!今日はゴメンね!」
七海「それって誰?」
姫菜「流石君だよ!」
洋介「えっ!?」
姫菜「だって、流石君の顔、カッコいいんだもん!性格も悪そうな人じゃなさそうだし!」
洋介「ありがとう!実は、俺も姫菜さんと一緒に帰りたかったんだ!」
姫菜「流石君ホント!?」
洋介「そうだよ!」
姫菜「じゃあ一緒に帰りましょ!」
洋介と姫菜は一緒に教室を出ていった!
七海「あの二人もしかしたら、将来、結婚しそう!」
洋介「ねえ、姫菜さん」
姫菜「何、流石君?」
洋介「下の名前で呼んでくれない?」
姫菜「分かったわ!『洋介君』でいいの?」
洋介「うん!」
「じゃあ、私のことは『姫菜』って呼んでいいわよ!」
洋介「今は、それはできないから、『姫菜ちゃん』でいい?」
姫菜「それでもいいわよ!」
こうして俺と姫菜は仲良くなった!
【2000年2月14日】
洋介「帰るか!」
下駄箱に箱が入ってた。
洋介「そうだ、今日はバレンタインデーだった!
一体、誰からだろう?」
俺は急いで家に帰った
洋介「さあ、箱を開けるか!」
箱を開けたら、ハート型のチョコと手紙が入ってた。
洋介「取り合えず、手紙を読もう!」
手紙(洋介君、姫菜です!この日のために一生懸命作りました!食べてください!貴方の出会えたのは本当に奇跡だと思ってます。私は今まで男の人を好きになったことがありませんが洋介君は私のタイプの男の人です。だからいつまでも仲良くしようね!)
洋介「姫菜ちゃーーーーん!!!」
【2000年3月14日】
姫菜「帰って宿題でもやろう!」
下駄箱に袋が入ってた。
姫菜「今日は、ホワイトデーだわ!
きっと、洋介君だわ!」
姫菜は急いで家に帰った
姫菜「早速、袋の中を見ましょう!」
クッキーと手紙が入ってた。
姫菜「手紙も入ってたから読もう!」
手紙(姫菜ちゃん、洋介です!
この前は、チョコありがとう!
クッキー作りました!
俺は、姫菜ちゃんより可愛い女の人はいないと思う!姫菜ちゃんに会えて良かった!姫菜ちゃんいつまでも仲良くしような!)
姫菜「洋介くーーーーん!!!!」
【2003年10月1日】
俺は修学旅行で日光に行くことになった
洋介「姫菜、今どうしてんだろ?」
田中「そんなに、佐藤のことが気になるなら佐藤がいる部屋に、遊びに行けよ!」
洋介「いや、ダメだろ!」
田中「少しぐらいならいいだろ!」
俺は姫菜がいる部屋に行った。
姫菜は着替えてる途中だった!
姫菜「キャーー!!!!洋介のエッチ!!!!
洋介なんか大嫌い!!!!」
俺は部屋に帰った
洋介「おい、田中のせいで姫菜に嫌われたじゃないか!」
田中「行ったのはお前だろ!」
【翌日】
今日は日光東照宮の見学だけど俺の今そんな気分じゃない。姫菜に嫌われてしまったからである!
洋介「おはよう姫菜!」
姫菜「話しかけないで!」
洋介「どうしよう!」
安田先生(男性)「みんな、あれが有名な三猿だぞ!」
洋介「先生、本当は三猿ではなく四猿だったてこと知ってましたか?」
安田先生「そうなのか、流石?」
洋介「しざるというお尻を隠したさるがいます。意味としては『姦淫するな』という意味です。」
(「姦淫」とは不道徳な性行為のこと)
安田先生「流石、姦淫という言葉よく知ってるな!
で、何故、三匹になったんだ?」
洋介「四猿の四は『し』と読めるので、死を連想してしまうことと、しざるも『し』があるので同じく死を連想してしまうからだと思います!」
姫菜「洋介って、物知りなんだね!
洋介、酷いこと言ってゴメンね!」
洋介「俺の方こそ、女子の部屋に行ってゴメン!」
姫菜「また仲良くしようね!」
洋介「こちらこそ!」
【2004年】
俺は小学校を卒業し、中学生になった。姫菜も俺と同じ中学に進学した。
関口(クラスメイトの男)「おい!流石、お前の顔キモ過ぎて腹立つんだよ!一発殴らせろ!」
洋介「だ、誰か助けてーーーー!!!」
関口「誰も助けてくんねえよ!お前みたいな奴!」
姫菜「洋介を殴ったら、私が承知しないわよ!」
洋介「ひ、姫菜!」
関口「何だ、佐藤じゃねえか!」
姫菜「洋介の顔はキモくないわ!キモイのはアンタの顔よ!」
関口「何だと!佐藤やんのか!
まずは佐藤、お前から殴ってやる!」
関口は姫菜を殴ろうとしたが、姫菜が関口の股間に蹴りを入れた。
関口「うおーーー!!!!動けねーーーー!!!!」
姫菜「洋介に謝って!」
関口「流石、スマン!」
洋介「姫菜、ありがとう!」
俺は、この時、改めて、姫菜はいい奴だと思った。
【2009年12月25日】
姫菜「洋介、私をこんな時間に呼び出すなんてどういうこと?」
洋介「姫菜、俺と付き合ってくれ!」
姫菜「えっ!?」
洋介「これが、俺がお前に贈る最高のクリスマスプレゼントだ!俺は、お前がいないとダメなんだ!お前がいない人生なんかつまらない。俺が小2の時、お前を初めて見たときは、こんなに可愛い子は他にいないと思った!だから俺と付き合ってくれ!」
姫菜「うん!」
こうして俺は姫菜と付き合うことになった。
姫菜といる時間が俺にとって最高だった。
大学も一緒の大学に進学した。
姫菜はミスコンでグランプリを獲得した。
大学卒業後、俺は俳優に、姫菜は歌手になった。
そして月日は流れ
【2019年1月1日】
洋介「今日は平成最後の元日だな!年賀状も一杯来てる!」
俺は年賀状を全部見たが、毎年姫菜から来る年賀状がなかった。
(ピロリン♪)
洋介「あっ、姫菜から年賀状は来なかったが、LINEが来た。
去年の3月以来だな!」
LINE(洋介、実は・・・
私、末期の乳ガンなの。もう1年は生きられないの。)
洋介「嘘だろ!」
俺はLINEに書いてあった姫菜が入院してる病院に行った。
洋介「姫菜ーーー!!!!」
姫菜「洋介・・・」
洋介「姫菜大丈夫か!」
姫菜「それが大丈夫じゃないの。
抗ガン剤で髪は抜けるし、強烈な吐き気に襲われるし。
洋介、今の私は、洋介にとっては
ダメ女だよね。」
洋介「いや、姫菜はダメ女じゃない!
俺は、お前と出会えて本当に良かったと思っているんだ!
中学生の時に、お前は、同級生の関口の股間に蹴りを入れて、関口を撃退し、俺を助けてくれた!
俺は、お前に感謝している!
今度は、俺が、お前に中学時代の恩返しをする番だと思っている!」
姫菜「洋介・・・」
洋介「さあ、俺が、お前にしてほしいことを言ってくれ!」
姫菜「じゃあ、毎日、私のお見舞いに来て!」
洋介「いいとも!
あっ、それと、姫菜!」
姫菜「何?」
洋介「姫菜がもし、元気になって退院したら俺と結婚してくれ。」
姫菜「えっ!?」
洋介「今度は、俺が、お前を助けてやる番だと思っている!
だからお願いだ!退院したら、俺と結婚してくれ!」
姫菜「まさか病院でプロポーズされるなんて思わなかけど・・・
私で良ければ喜んで!」
洋介「ありがとな、姫菜!」
俺は姫菜のお見舞いに毎日行った。
姫菜の病状が善くなることを信じて。
しかし・・・
【2019年4月30日】
姫菜「苦しいよーーーー!!!」
洋介「大丈夫か、姫菜?」
姫菜「私、洋介と結婚するの無理かもゲホゲホ」
洋介「そんなーーーー!!!」
姫菜「洋介には、私より素敵な人がいると思うから、私のことは諦めてゲホゲホゲホ」
洋介「そんなことは、できない!
俺は、お前じゃなきゃダメなんだ!」
姫菜「ありがとう、でも
ゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホゲホケボケボ」
洋介「姫菜ーーーー!!!」
姫菜は天国に旅立った。
27歳だった。
でも俺は決意した!
姫菜の分も頑張って生きようと!
だから姫菜は天国で幸せに暮らしてくれ!
俺も死んだらそっちに逝くからな!
姫菜、今までありがとう!
最高な女性だったよ!