王国との決着
ソラト視点です。
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バーストレウスを追い掛けて俺はひたすら荒野を駆けていた。
不意に襲ってくる怒りを堪えながら。
俺の中で何が起きてるんだ?
何度も思案しようとも答えは出ない。
やもう何度目になるか分からない襲撃を受ける。
威圧…こんなスキルもあるのか…
邪魔だ、失せろ!
俺は恐怖心に駆られ失禁する兵士共を殴り飛ばし、ひたすらバーストレウスを追い掛けたがその姿は無く俺はミンストレイル王都を目指す事にした。
二日掛けて王都手前の村周辺まで辿り着いた。
ブルースが俺を追い掛けて来て各戦場の報告や捕虜を纏めてエルフの里の厩舎に押し込んでいると報告をした。
最初の頃は良かったんだけどいずれ限界を超えた。
それでも収まらないので魔法で森を急遽開拓しすり鉢状の穴を作り大木で壁を作り簡易的な捕虜収容所を作った。
敵軍の鎮圧に成功し、此方側の被害は怪我人は出たが死者ゼロという完全勝利になった。
敵軍は死者三万、行方不明者約七千、捕虜約一万二千となった。
残りの五千はバーストレウスに付き従ってたみたいだが、多分俺が殺したか殴り飛ばして気絶している。
最近頭にもやが掛かったように所々記憶が欠落している。
それと勇者。
どうにも俺と同郷らしくミンストレイル王国の王城内で召喚されたらしい。
名前もユキヤとかいうらしい。
そいつが俺を嗅ぎ回ってるらしくブルースがどう対処するか聞きに来たと言うことらしい。
念の為スカイという偽名を伝えておいたがそのうちバレそうだな。
まぁ、接触したのがブルースだし語尾でバレんだろ
面倒だ、そんなのは全部後回しにして俺はバーストレウスとミンストレイルの腐った上層部の人間を殺してから対応し、勇者を飼い殺しに近い状態にして放置しておくよう指示した。
それと捕虜の食事。
これは捕まえた捕虜の所持金を全て没収し、武器、鎧、嗜好品も売却させた。
それでも足りないならブルースの判断でクロッセアへ買いに行くよう指示すると日が暮れ始めた。
チトセを使い王都まで飛んで行こうか悩んだが買付けや警備の人員に支障が出ても仕方ないと思ったのだが、その件はブルースも悟っていたらしくチトセの部下を使うのでチトセは俺の方で自由にしていいとのこと。
いつの間にあいつに部下が出来たんだ?
とりあえず分身体にチトセをこちらに向かわせる様に伝えたからもうすぐ来るとのこと。
待つ為に久々に腰を下ろし、仮面を外してから氷魔法で作った氷解を噛み砕き水分と空腹の足しにした。
何故かブルースがおろおろしていたがどうしたんだ?変な奴。
やがて遠くの方からチトセの姿が見え俺の近くで着地する。
チトセに乗り込み王都へ向かおうとしたが、ブルースが帰ろうとしない。
「どうしたんだブルース?早くエルフの里へ戻れ。」
「嫌…でござる!拙者も連れていって欲しいでござる!」
どうしたんだよ本当に。
こいつが我が儘言うなんて珍しい事も有るもんだ。
まぁいい、こいつも役に立つから連れていくか。
「好きにしろ。チトセ、王都へ迎え!」
「むぅ…全く龍使いの荒い主なのじゃ…!しっかり捕まっておくのじゃぞ!」
愚痴を洩らしながらも飛び立つチトセ。あっという間に王都へ着いた。
さて、最後の一仕事だな。
『我はエルフと迷宮都市クロッセアの守護者なり。薄汚い手を使いエルフの里、果てはクロッセアにまで手を出そうとした報い、きっちり受けて貰おう。我の望みは一つ、この国の腐った上層部を滅ぼし、今回の行軍に携わった者は全て名乗りを上げよ!』
声に魔力を乗せ大音量で放った俺の声明に慌てて飛び出した守備隊が矢やら魔法やらを使って攻撃してくるが、全く以て当たらない。
俺はそのまま座して様子を確認するが、反応はない。
仕方ない、最終通告をするか。
『まだ従わないのであれば城を破壊する。期限は一時間だ、色良い返事を期待している。』
すると都市内で動きが有った。
必死に混乱を防ごうとしていた一部の兵士が、民によって殺され、門を抉じ開け逃げ出そうとする。
が、ブルースの張っている結界にぶち当たり、その場で倒れるという事例が多く見られた。
ブルースの張った結界は悪意あるものだけを外に出しそれ以外は閉じ込めるという奴だ。
これなら民衆に紛れて逃げ出そうとする上層部の人間のみを選別し、処理することが出来る。
『民達よ、そう慌てるな。その結界は悪意を持った人間のみ通す。この国の上層部の人間達だ。貴様等に危害を加えるつもりはない。だが、上層部の人間…そうだな。王族や大臣を連れてきた者には金貨十枚をくれてやろう。』
そう言うと先程までとは一転、多くの民衆は王城へと雪崩れ込んで行く。
やがて、一人、また一人と贅沢な服に身を包んだ醜く太った人間共が結界の外に飛ばされていく。
俺も同じ種族だが人間ってのは欲深い生き物だな。
民達はそいつ等を結界の外に突き飛ばし手を伸ばす。
そいつらの元に金貨十枚を投げ落とすとそれを傍観していた身形の汚い…
多分スラムの人間であろう者達が足早に王城、あるいは貴族の邸宅へと駆ける姿が見えた。
やがて一時間ほどで集まった人間は三十二名、王家の者や国の軍務、財務、内務外務などの人間が集まった。
最後に国王が堂々とした佇まいで自ら結界の外へ出て来た。
護衛の騎士達は王を止めようとするが耳を傾けない。
その姿は正に王と呼ぶに相応しいものだ。
俺はチトセに着地させそいつらを縛らせたブルースに頷くと近寄った。
「ひぃ…悪魔め!」
「ち、近寄るな!」
「何故私たちまで…!!」
「金を…金なら出す!俺を助けてくれ!」
悪魔か。それも良いかもな…!
こいつらからすれば俺は悪魔に見えるのも当たり前だ。
だが、こいつら上層部の人間はエルフの里へ前触れもなく軍隊をけしかけ、迫害し搾取していった。
俺はそれが許せない、姿形が違えども同じ命を持った生物だ。
他者をいたぶって良い筈がない。
だが、こいつらはこの期に及んでまだ、自らの保身しか考えてないのか。
どいつもこいつも腐ってやがる。
一つ懸念がある。
その中にバーストレウスの姿は無かった。
逃げられたか?確かに王都へ向かってた筈なんだが…
まぁいい
これだけ居れば十分だろう。
俺はそいつらを籠に投げ入れ、エルフの里へ戻った。
ブルースの気持ちとしては
あれ?主殿変じゃね?
↓
めっちゃ氷食ってる。wwwww
↓
頭おかしくね?m9
↓
これ着いてかなきゃやばいぞ!
てきな感じですね。
最初は城ごと破壊するつもりでした。
しかし、こうゆう対応にしたのは余計な人を巻き込みたくないと思うであろうソラトの心情を優先しました
次回エルフの里に戻ってからのソラト達、上層部の待遇。




