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転移大学生のダンジョン記~拳一つでフルボッコだドン~  作者: 如月 燐夜
四章 攻める者と護る者
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セレナの覚悟、ユリアンの決意

前半プルネリア視点、後半セレナ視点です。

エルフの里から5キロ地点_プルネリア


ソラトがチトセちゃんに乗って兵隊さんに突っ込んで一時間、目覚めたプルはお粧ししてブルースちゃんの後を着いていくの。


「わー!人がいっぱい!じゅる…」


あまりに沢山の兵隊さんを見てしまってプルは涎を垂らしてしまったの…。


「プルネリア殿、はしたないでござるぞ?いくら吸血鬼とはいえ、本能に従順すぎではござらんか?」


「えへへー、ごめんなさい!我慢出来なくって…最近ソラトが素っ気ないからプル、喉がカラカラなの…!ブルースちゃん、沢山飲んでも良いよね?」


「むぅ…それは良いが殺さぬ程度にするでござるよ?後で全員捕縛し、王国に返すでござるからな?」


「はーい!」


喉が渇いたの…!


兵隊さん、美味しい血をいっぱい飲ませて?



「どうやら時間でござるな。行くぞ皆の衆!」


「「「おー!」」」


「おー!なの!」


やったー!いっぱい吸っちゃうの!プルの渇きを癒してくれるかなー?



ブルースちゃんが大きくジャンプして百人くらいを纏めてなぎ倒したの!


凄い凄い!


よーし、プルも負けないんだから!


「タマ、ジビエ、来て!」


プルは魔力を使って一番仲の良い眷属おともだちを呼び出すの!


二人とも凄く足が速いんだから!


『姫、御呼びに与り参上しました!』


『呼んだかしら?』


「うんッ!わー!タマかっこいい!その鎧昔使ってたやつなの?」


『そうでございますぞ!この老骨めがまだ若かりし頃、先々代様を乗せ迷宮を駆け回っていた当時に賜ったものにございまする!』


「おじいちゃんに貰ったの?かっこいいの!」


『それでプルネリア、私たちはどうすれば良いんだい?』


はぅーッ!?


目的を忘れてたの。プルってばお馬鹿さんなの。


「すっかりタマの鎧に気を取られてたの!お願い、兵隊さん達を倒してッ!でも殺しちゃダメなの!」


『この老骨めにお任せを!蹂躙劇をお見せしましょう!』


『それがプルネリアの願いならば私はそれに従うわ。』


プルはジビエの背中に跨がると指を指して兵隊さんの方へ向かう。


「よーし、行っくよ~!なの!」



▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼


同戦場本陣_セレナ



時間が過ぎる度に苛烈化していく戦場にて私とアンリエッタ、カイン殿、そしてユリアンヌ王女は戦場を眺めていた。


伝令に走ってきたホーリーから報告を受ける。



「姫様、セレナ隊長、アンリエッタ副隊長、報告します。現時点で数の差はあれどこちらがやや優勢です。ブルースさんとプルネリアさんがどんどん敵を薙ぎ倒し戦線を押し返しています。」


「分かった、そのまま現状維持を保ってくれ!」


「はっ!」


また馬に跨がりまホーリーは戦場へと戻っていった。


エルフの里人に出された茶で喉を潤すとユリアン…ヌ姫が一つ溜め息を吐く。



「ユリアン…ヌ姫、どうかされましたか?」



「いや、何でもない。それと敬語は止してくれ。共に戦った仲間じゃないか。ただのユリアンで良い、王位は既に返上したからな。突然態度を変えられても困る。話しやすい様にしてくれ。」


「しかし…いや、分かった。これで良いだろうか?」


私はユリアンの真剣な瞳に負け、口調を元に戻した。



「うん、それで良い。カインさんも、アンリエッタもだよ?」


「ええ。」


「その…何て言うかよ、未だに信じられねえよ。おめえさんが姫様だっつうのは。何て言うか人間色々あるんだな。」


「今まで黙っててすみません。けど、ソラトには内緒にして貰っても良いですか?どうせ兄…バーストレウスと会った時にはバレるでしょうがその時までは内緒にしてて欲しいんです。」


ユリアンは私達三人に頭を下げる。


カイン殿は複雑そうな顔をし、アンリエッタはいつも通りの涼しい顔をしている。



「それがユリアンの…友の頼みならば私はそれに従おう。アンリエッタもカイン殿もそれで良いか?」


ユリアンは少し泣きそうな顔をしながらありがとう…と小さく呟いて席を立った。



「セレナ隊長、複雑そうな顔をしてますよ?」


アンリエッタが話し掛けてくる。


「そう…か?まぁ、アンリエッタがそう言うならば、そうなんだろうな…。」


複雑そうな顔…か。


ユリアンのソラトの事を話す時の表情を見たら、多分そんな顔をしているのかもしれない。


多分…ユリアンも、ソラトに私と同じ様な感情を持っているのだろう。


そういえばソラトを見る時、たまに熱意の籠ったような視線を時々向けていたのを覚えている。


ダンジョン内でも、打ち上げの時も…


そうか、ユリアンも男装をしていたが、乙女だったんだな。


女好きな気障野郎と思っていたが、それはあくまで性別と素性を隠すためであって必要な事だった。


いや、もしかすると本当に同姓が好きな可能性もあるが…


余計な詮索は止めよう。


仲間じゃないか。


立場を譲る気はないが、何か決意をした表情をしていた。


この戦争が終わったら打ち明けるつもりなのかもしれない。


ソラトは…どんな顔をするだろうか?少し楽しみだな。


ふふ… 


「隊長、何か考えが纏まった様ですね?」


「あぁ、良い笑顔になったぜ、セレナの嬢ちゃん。」


その時、伝令が息を切らしながら、天幕に駆け込む。


「伝令!カミツレ殿がコボルトを引き連れ只今帰還しました。その総数、約100!そのまま本体と合流するそうです!」


今度は別のエルフが伝令に走ってきた。


カミツレの奴、家族を説得出来たみたいだな。


「何、一つ楽しみが出来ただけさ。さて、カミツレも来て、ずっと座ってるのも退屈だし、本陣はカイン殿とユリアンに任せて一暴れしてくるか。アンリエッタ行くか?」


「行きましょう、私は貴方の副官です。貴方の行かれる場所が私の居場所ですから。」


「うむ、共に行こう!カイン殿、お任せしても?」


「あぁ、俺は構わねえが。その役目は普通男の俺がするもんなんだがな…まぁ、嬢ちゃん達なら大丈夫だろう。ちゃんと帰って来いよ?」


「勿論です。ソラトの帰る場所を守るのが私の役目ですから」


そう、今も敵地の最前線で戦っている彼の、ソラトの帰る場所は私が護る。


傷付き、一人で悩んだソラトの傍に私は居てあげなくちゃいけない。


それは他ならぬ私のエゴではある…


だが、それだけは譲れない。


ユリアン、貴方にソラトは渡さない。


それが私の中での答えだ。


ソラトがユリアンを受け入れるのならば、その時は私も快く受け入れるつもりだ。


私は立ち上がり、剣を腰に差した後、風を肩で切り天幕を後にした。



これが本妻の余裕ってやつですかね?笑


明日はロリババア視点でお送りします!


次回 龍王女近衛騎士隊 お楽しみに!

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