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転移大学生のダンジョン記~拳一つでフルボッコだドン~  作者: 如月 燐夜
四章 攻める者と護る者
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問題児達


「殺すころすコロス――…」


「ユキヤ…どこに居るぅ…出てこい…!お前のせいでぇ…お前がぁ…!」


先程からこの様な状態で虚空に向かって叫んでいる。


拙者のことをユキヤとか言う者と勘違いしている様でござる。


これは精神汚染というよりも何か執念染みたものを感じるでござるな…


いや、様子がおかしいのは変わらないでござるが。


しかし一定範囲外に出れば見失い周囲を見渡すばかりで何もしない。


拙者は二人を観察しながら少し離れた茂みでピーちゃん、キーちゃんに指示を出す。


「キーちゃんは重力魔法を使って女性の方を取り押さえるでござる。あのすばしっこさは厄介でござる。ピーちゃんは男性の方を火のファイヤーボールで牽制しつつ、魔力を消耗させるでござる。へばったところで同時に拙者が気絶させ範囲回復魔法を使用するでござる。」


「うへー、僕魔法苦手ー…マスターみたいに殴りたいよぉ!ブルース姉ちゃん、お願い!!」


「承知しました。ピー、話を聞いてなかったの?近付くと暴れちゃうから遠距離から攻撃させないとダメよ?」


マスターは主殿の事を指して言っているのだろう。


ピーちゃんは拙者の中の主殿の闘争心の部分が強く出ているようでござる。


だから近接戦闘を好む様になったのかもしれない。


キーちゃんはどうだろう…

拙者の知的な部分?

が、色濃く出ているみたいだが拙者のそれとは異なるでござる。


しかし賢くて頼りになる。


拙者の命令には絶対に従うような気質がありそうでござるな。


「むぅ…仕方ない。近付いて魔法を射たせる方向性にするでござる。しかし、ピーちゃん気を付けるでござるよ?かすっただけでもかなりの深手を負うでござるからな!」


「わかったー!僕頑張るよー!」


「全くこの子は…お姉さまごめんなさい…!作戦が終わったら強く言い聞かせますので…」


「問題ござらんよ。さぁ、作戦開始でござる…!」



拙者達は茂みを飛び出すとキーちゃんの魔法を切っ掛けに戦闘へ移った。



キーちゃんが重力魔法を発動する。


エルフの女性の居る一帯は陥没し木々は圧し折れる。

が、それを避けた女性の背後にはピーちゃんが居た。


なぬッ?!


ピーちゃんには男性の方を任せたのでござるが聞いてなかったのでござるか?


しまった!男性の方が自由になっている!


慌ててキーちゃんが男性の方に威力を落とした竜巻を使用し魔法を相殺した。


「あははははー、残念でしたぁー!僕はこっちだよぉー?」


などとピーちゃんは笑っている。


むぅ…作戦は失敗、上手く行きそうにないでござるな。


連携なんて合ってないようなものでござる。


慌てて拙者は声を荒げる。


「ピーちゃん一旦下がるでござる。そこに居ては範囲魔法と暗殺技の餌食でござるよ?!」


「ピー!下がりなさい!!」



キーちゃんも怒りを露にして声を荒げた。


ピーちゃんは聞く耳持たず、女性と男性の間を一発殴っては行ったり来たりを繰り返している。


全く…カミツレより扱いやすいと言ったのは訂正でござるな…

すごく扱いずらいでござる…!



「キーちゃんは作戦通り重力魔法に切り替えて拙者達ごと圧し潰すでござる。何、手足の二、三本折っても構わん。拙者はピーちゃんと合流し、足止めに加わる!」


「お姉さま…!でも…」


「キーちゃんの腕に掛かってるでござる。あの者達を助けるにはキーちゃんが重要な鍵を握ってるのでござるよ。」


袖を掴み拙者を呼び止めるキーちゃんに諭す様に伝え、軽く頭を撫でると何故かキーちゃんは頬を染め、それ以上は何も言わなくなった。


話が通じて良かったでござる。


さて、拙者も手加減などとは言ってられそうにないでござるな…!



拙者は即座にエルフの男女の間に割り込むと分身体を作り男女をそれぞれ分身体三体ずつ計六体で取り押さえる。


キーちゃんは即座に重力魔法で拙者ごと圧し潰した。むぅ…まだこんなに暴れるか?


腕が在らぬ方向に曲がっていようと拙者を引き剥がそうと無理矢理暴れる。


ならばと、魔力吸収マジックドレインを発動し、抵抗させぬ様に精力もじわじわと削っていく。


三体で同時進行した為かみるみるうちに抵抗を止める。


流石エルフと言うべきか。


純度の高い良質な魔力を相当量、蓄えているでござるな。


三分ほどで暴れるのを止め、大人しくなった男女をまずは骨折を治し、異常状態を治してからロープで縛った。


相当高度な魔法を掛けられていたのか、暫くは起きそうにないでござる。


治療が終わり、キーちゃんが近付いてくる。


「お姉さま、お怪我は有りませんか?申し訳ございません…お姉さまの崇高なる作戦に水を差したピーは私の方で折檻しておきましたので…!!」


見るとキーちゃんの後ろでピーちゃんが目を回して倒れていた。


薄ら寒さを感じつつも拙者はキーちゃんの頭を撫で、頬を染めるキーちゃんを傍目に、エルフの男女を担ぎ里へと戻ることにした。

キーちゃんはブルースの忠誠心が色濃く出ており、

ブルースを狂信的に崇拝しています。


更にその主たるソラトを神だと思っています。


ちなみにピーちゃんはブルースの戦闘狂の部分が強くなっております。


一度スイッチが入ると人の話を聞かず暴走するという設定です。


明日はアリシア・ユキヤ視点でお送りします。


次回、勇者、思考の坩堝に嵌まる お楽しみに!

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