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転移大学生のダンジョン記~拳一つでフルボッコだドン~  作者: 如月 燐夜
三章 挑みし者と立ちはだかる者
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71階層~悲願の達成~

明けましておめでとうございます!

今年一発目!宜しくお願いします!

79階層を突破し順調に階段を駆け上がっていた俺、プルネリア、モネは眷属のジビエ、タマと共に現在71階層まで上がっていた。




「クソッ、開かねえ!どういうことだ?」


『多分扉の先が守護者の間なんだろう。誰かが倒すか、あるいは別の扉を探すしか方法は無さそうだ。』


俺が扉を殴り付けながらそう愚痴るとジビエが背後からそう言っていた。80階層ではこんな事なかったのに。



「仕方ないですよ、お兄ちゃん!諦めて他の扉を探しましょう?」


「むぅ…いや、待て!扉の反対側から何か聞こえないか?」


「……の………どの…ぉー…」

微かに声が聞こえるのだ。更に俺のテイムスキルがアラートしている。何かを伝えようとしているのだ。いや違う!この暖かいけどヌメッとしたのはブルースのパスだ!居るぞ、絶対に居る。



俺は集中しブルースをパーティ編成に組み込めないか試してみる。


うっ…やっぱ側に居ないと駄目なのか?いや、諦めるな!この扉の反対側には確かにブルースが居るんだ。


多分セレナやカミツレ、ティア、チトセも。



こんなところで諦めてたまるか!俺は更に魔力をパーティ編成に注ぐ。



「ブルウゥースー!俺はここだァー!聞こえたら返事をしてくれ!」


扉越しに魔力を乗せた大声で叫ぶ。するとドドドと言う音が聞こえた。


ん?ドドド…?あ、もしかして最悪なパターンじゃないかこれ?


具体的に言うとブルースと会った時の川の水が押し寄せてるのでは。


その瞬間、扉が押し開けられ、巨大な牛面の魔物が数えきれないほど沢山扉の向こうから流れてきた。



「に、逃げろ~!!濁流が来るぞ!」


俺は慌ててジビエに飛び乗ると階段を駆け下りる下は荒野エリアだ。濁流が来ても問題ないだろう。



『あぁぁるぅじぃどのぉぉぉぉおー!』



濁流の轟音を欠き消すような声量であいつの声が聞こえる。だが振り返ってはいけない!未だに濁流がすぐそこまで迫っているのだ。だが諦めない!まだ魔力は十分にある。ここで押し留めてみせる!



「プル!お前はモネを抱えて空へ避難しろ!タマとジビエには戻ってもらえ!」


「分かったの!」


「お兄ちゃんは!?」



俺?俺はここで濁流を止めてやる。



あと十秒もすれば濁流が押し寄せる中、立ち止まり魔力を練成する。山鬼…ポチを倒した時に使ったあの技なら大丈夫だ。俺の今の魔力ならこの濁流を防ぐ…いや、凍らせる事だって出来るはずだ!



「行くぞ!【アイシクルッ・エイジ】ィィッ!」



瞬間、錬成した魔力が世界を凍らせた。地を這う魔物も空を翔ぶ魔物も空気さえ凍っている。荒れた荒野を流れる濁流も俺の魔法でカチコチに凍っている。



「ソ、ソラトォォ…寒い…くしゅん」


「お兄ちゃん…やりすぎですぅ…」



あちゃ…モネとプルは範囲外に設定したのに影響が及んじゃったか…。俺はマジックバッグの中から毛皮を取り出すとモネとプルに手渡し暖めさせた。



マップを確認していると階段の方から複数の青い点と緑の点がこちらに向かってくる。青は敵ではないが味方でもない者を表す色だ。


ん、だけど人数が多いな?60や70じゃ利かないな。


その一番前を猛スピードで駆け寄ってくる複数の緑の点は俺の従魔を表すものだ。


ははーん、チトセが龍化して翔んで来てるのか。


そろそろ顔を見せに行こうか。



「モネ、プル!出迎えが来たみたいだぞ?行こうか。」


「「はい(なの)!」」


俺とモネ、プルは凍った濁流の上をブーツの裏にスパイクを付け濁流の上を走り出した。

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