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転移大学生のダンジョン記~拳一つでフルボッコだドン~  作者: 如月 燐夜
三章 挑みし者と立ちはだかる者
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少女は嫉妬に塗り潰されもう一つの人格を作り出す

モネ回二回目。

すこし表現がわかりづらいです。下に解説入れときますね!

ソラトさんと二人で私のミスにより、ダンジョンの落とし穴に落ちて次に目覚めた時、私は段々と理性を抑える事が出来ずソラトさんを押し倒してしまいました。


苦笑しつつも私の事を心配してくれたソラトさんの優しさを無視して。


嬉しかった…ソラトさんが私を求めてくれたことが。


まるで箍が外れた獣の様に私を求めてくれたのが。


嬉しかった…恋人になったセレナ隊長ではなく私の名前を呼んでくれたことが。



背徳的な甘美の罠に堕ちた私を体力が尽きるまでソラトさんは愛してくれました。


例えそれがその場に秘められた虚実塗れの愛だとしても。


正気に戻ってからまず私の心を占めたのは隊長への自責の念でした。


しかし後悔しても遅い…関係を持ってしまったのは私の責任だから。


そしてソラトさんに亡くなった妹が居たのを知りつつもその隙間に入り込む様にお兄ちゃんと呼んだ。彼はそれを否定せず受け止めてくれた。



例え隊長に殺されても文句は言えません。


ソラトさんは目覚めた後も出会ったあの日の様に八重歯を覗かせながら私に微笑み掛けてくれました。


ずるいよ…きっと隊長にもそんな顔で接してるんでしょ…?


私だけの物にならなくていい。ただ一秒でも長く側に居て。


そんな思考がぐるぐると頭を回りました。


この考えに名前を付けるとしたらなんだろう。


浮気、略奪、横恋慕、強欲、嫉妬…


嫉妬…そっかこれが嫉妬って感情なのか。生まれて初めてのこの感情は私の心を締めました。


真綿でじわじわと首を絞められ苦しいと叫んでも決してその絞める手を弛めず着実に、確実に私の良心を殺していきました。


だけど私はそれを絶対に表に出しません。


こんな醜い部分を見せたらソラトさんは私から離れて行ってしまうから…。


私は空っぽ。だからバレないように外面だけ仮面を被る事だって出来るんです…。それが真っ黒な仮面だったとしても……。





移動を始め、しばらく歩くとソラトさんが山の様に巨大な魔物を見つけました。


私を気遣い一人で戦うとそう言いました。私に出来ることはソラトさんを信じて祈ることです。


私が唱えた灯りの魔法を頼りにソラトさんは巨大な魔物に近付くとあと数メートルの所で突然立ち止まりました。数秒止まって突然濃密な魔力が辺りを包み込んだかと思ったら寒気を感じました。


寒い…!そう思った時には既に事態は一変していました。右足、左足が休息な凍結とともに粉々に砕け巨大な魔物は一瞬で塵となりドロップ品を残して死にました。


何が起きたのか分からないまま終わったんだという事だけが理解でき、気がつくとソラトさんの無事を祝っていました。



ですがそこで様々な異変に気付きました。


ソラトさんは私に怪我がないのを確認するとそのまま力が抜けてしまったのか倒れてしまいました。その左腕、顔左半分は白くなっており魔力が枯渇したのが私でも分かるような程でした。


無理をされたソラトさんを寝かせ、その寝顔を堪能しながら頭を撫でました。今だけは私のソラトさん。ウフフ……可愛い。


段々と昂りを感じた疼きを自慰して私も休むことにしました。




次にソラトさんが目を覚ましたのは体感で二日ほど経った後でした。ソラトさんはよほど疲れていたのか、魔力の回復に時間がかかったのかは分かりませんがむくりと起き上がると少しすっきりした顔をしながらおはようと声を掛けてくれました。


私も挨拶を返しソラトさんの興味を引くため演技をしながら巨大な魔物のドロップ品に会話を移しました。



「ソラトお兄ちゃん!早く開けようよ!何が入ってるのかな…?!わくわく…!」


よくもこんな言葉が浮かんできたものだと自分でも呆れましたがお兄ちゃん…ソラトさんが嬉しそうに微笑むので続行しました。良い子(外面)の私は吐き気がするほど気持ち悪かった。でもソラトさんは喜んでくれる、それが唯一の正解だった。


私をからかって自分だけドロップ品を確認しようとしたソラトさんに頬を膨らませながら抗議の声を上げるとソラトさんもごめんごめんと、一緒に開けようかとそう言ってくれました。


ドロップ品は全部で三つ。それと巨大な魔物が守っていたのかその後ろに大きな宝箱が一つありました。


マジックバッグに魔剣と魔盾が入っており剣と盾は装備を落としてしまった私がソラトさんから借り受けました。


ソラトさんはくれると言ってくれましたがこれはソラトさんが倒した魔物からドロップしたもの。


所有権はソラトさんにありますから。と謙虚に断りダンジョンから出たら返すことを約束しました。



最後の一つの宝箱はソラトさんが緊張した顔で私を離れさせてから一人で開けると言いました。その尋常じゃない雰囲気に私はただただ頷き従うことしか出来なかったのです。


宝箱を開けたら中からなんと女の子が出てきたのです……!


私は驚きました…!ソラトさんも同じ筈です。


彼女の名前はプルメリアといって今は失われた古代の種族ヴァンパイアだったのです!


昔ばなしに聞かされた失われた古代の種族が目の前におり直接会話出来たのですから。


ソラトさんは何を考えたのか彼女を仲間に率いれる考えの様でした。


私が口を挟む余地なんてありません。ソラトさんが決めた事ですから。私はそれに従うと決めました。


彼女は見た目は私よりお姉さんの容姿をしてますが話し方は子供のような幼稚な話し方。


実年齢と精神年齢がまるで一致しません。ソラトさんの従魔にはチトセちゃんという五大龍の子孫がいますがその子とは真逆の存在。


一度話し出すとやかましい美しいヴァンパイア、プルメリアさんが仲間になったのです。

共に落とし穴に堕ちてしまったソラトに対して押し寄せる感情が爆発し、今だけはこのままで居たいと思ったモネは催婬効果により己のうちに眠る欲望に気付いてしまいました。


幸せそうなソラトとセレナを見ているだけで不満に思う。後先なんて関係ない、この場には二人だけだからと感情を歪めてしまいもう一つの人格が現れた訳です。


独占欲、嫉妬、様々な負の感情が混ざり合い生まれてしまったのです。



分かりにくいと思いますがこんなんで勘弁してください笑


自分の語彙力のなさは分かってるつもりですが違和感を感じたら少しずつ修正していきます。


次回もモネ回のつもりです。予定は未定なので分かりませんが…

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