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転移大学生のダンジョン記~拳一つでフルボッコだドン~  作者: 如月 燐夜
三章 挑みし者と立ちはだかる者
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ダンジョンアタック3

連続投稿4日目ぇぇえ!

翌朝(といってもダンジョンの中で落ちてから何時間経ったのか分からないので体内時計計算でだが)俺とモネは一眠りした後この不可思議な空間から出るため周辺を探索していた。


既に暗闇に目が慣れ始め、モネも俺を呼び捨てにするほどお互いを求め合いくんずほぐれつした仲なので遠慮もない。


「ねぇねぇソラトお兄ちゃん!あっちに何かありそうだよ?」


「そうか、向かってみよう。それとそのお兄ちゃんってのやめないか?」


「だって前からお兄ちゃんみたいだなぁってソラトさんのこと思ってたんだもん!実際は居ないけど…だからソラトさんはモネのお兄ちゃんに決定しましたぁ!拍手~!パチパチィ」


えへへーと腕にしがみつき何故かお兄ちゃんと呼ばれることになった俺は困惑しながら前を向き歩き始めた。無邪気に甘えるモネを見て妹の優海ユウミを思い出してしまったのは内緒だ。


モネが指し示した先に有ったのは階段だった。


だがその前方に何かが居る。



「止まれ。何かいるぞ…!」


それは山の様に巨大な鬼だった。20メートル以上はあるか?ここからでも良く見えるがまだ百メーターは離れている。此方に背中を向け座っている様だ。階層主なのだろうか。


「どうするのお兄ちゃん…?」


「…」


退くか、進むか。


確かにあの山の様な大鬼(以後、山鬼と明記する)を避けるのであれば引き返すのは今のうち。


だがそこから下へつづく階段なり上へと上がれる迂回路を見付けるのには時間が係る。


食料も心もとない。


山鬼の姿を見るに皮膚は分厚く殴れば鋼鉄並みの硬さはあるだろう。


下手すれば一撃殴ったら俺の拳が砕けるかもしれない。


だが勝算がないわけではない。ほぼ運が絡むけどな。


ならば取るべき道は一つだろう。



「倒すぞ…!モネは下がってなさい。俺が奴を引き付ける。」


ぶすぅっとした顔をして不貞腐れるモネに苦笑して頭を軽く撫でてやる。


すると少し機嫌を直したのか、泣きそうな声で俺を見る。


「負けないでねお兄ちゃん…!神様、どうか私の愛する人に武運をお与え下さい…!」


「うぉ…あぁ。絶対勝って見せるよ。」


モネが背伸びして口付けをした。


その後神に祈る仕草をする。


こんだけ期待されてるんだ、男を見せなきゃな。



「よし、行ってくる!」


俺はモネを置いて山鬼へと近付いた。



▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼


そろりそろりと後ろから山鬼へと近付くにつれ、ひゅぅぅぅごぉぉぉぉという音が大きくなっていく。


背中近くまでやってくると音の正体が分かった。


山鬼の鼾である。


俺は少し距離を取ると深呼吸をした。


まずは精神集中…


すぅ…はぁ…


それから創造する。


これまで俺が覚えた魔法はこんな技が使えたらなぁ…と創造してきた時に発現したものだ。


だから今回もそれを狙ってみる。


俺が創造するのは氷の世界。


全てが凍てつく氷点下。


白銀の世界。


生命が活動できないそんな空間だ。


地球の世界において白亜期に大地の帝王たる恐竜達さえも滅ぼした極寒の時代。


俺のありったけの魔力を持っていけ!!



名前はそう…


『氷魔法_アイシクル・エイジを会得しました。』



「うぉぉおおお!【アイシクル・エイジ】ッ!!」



俺の叫びと吹き荒ぶ冷気に充てられ目覚めたのか山鬼が立ち上がり俺の方へと歩き出そうとしてる。



だが、俺の魔法は完成している。


一歩目、踏み出した右足が床に張り付きパキンッと小気味良い音を立て巨大な足の付け根から折れる。


二歩目、着地した左足も砕け散った。


三歩目、を歩くことはなくそのまま胴体が地面に落ち頭から粉々に砕け跡形もなく消え去った。



「よ…し…やっ…たぞ…うっ…!」


「ソラトお兄ちゃん!!」



モネ、無事で良かった…!


上手く範囲から外れていたのか元気そうなモネが駆け寄ってくる。


その顔は今にも泣きそうだ。


魔法を解除すると魔力を使い果たした俺は山鬼を倒したのを確認して意識を失った。



▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼


魔力を全て失った俺が次に目覚めたのはモネの体感で四時間ほど後だったという。


上半身だけ起こしモネの無事を確認すると現状把握を徹底した。まだ寝てなきゃダメだよと心配するモネに微笑み安心させ一つずつ確認する。


まず山鬼を倒してからこの階層に光が差し込む様になり辺り一面を窺うことが出来る様になった。


大きな広間でその中央に目の前の上への階段があり数百メートル離れた場所には下へと続く階段が見える。


左側には宝箱が三つとドロップアイテムだろうか。

袋が十個ほど落ちている。


スキルも使用出来るし、状態異常も治ったようだ。


だが、俺の正真正銘最大の切り札である【アイシクル・エイジ】を使った事によりブルースウォッチは粉々に粉砕されてしまったらしい。


更に俺の左腕が痺れて動かずモネがいうには顔が半分凍っていると騒ぐのだ。


頬に触れてみると、なるほど触れた感覚が全くしない。痺れているのだろうか。


凍傷の初期症状だな。


威力は絶大だがその反動もかなりのものの様だ。


使い方を間違えれば死にかねない。


絶対絶命のピンチの時にしか使わないと心に誓った。



まずはモネを少し休ませてる間に俺がドロップ品の回収と宝箱の確認をしないとな。


だがまだ立ち上がる体力がないのでもう少しだけ一緒に休もう。良いよな、モネ?

設定は生えるもの(にょきにょき

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