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転移大学生のダンジョン記~拳一つでフルボッコだドン~  作者: 如月 燐夜
二章 求める者と授かる者
35/114

臨時パーティー

翌朝、宿を出て一人でギルドへと向かう。ブルース達にはセレナ隊に同行してもらい午後から合流する予定だ。



ギルドのスイングドアを潜り中へ入る。かなりの混み様だが目的地は決まってるので人垣を掻き分けて奥へ進む。酒場スペースの一番奥のテーブルには既に目的の人物が座っていた。


「おはようございます、カインさん、ガイのおっさん」


「おう、ソラトか!今日も元気だな」


「おはよう!前にも言ったけどなんで俺だけおっさん?カインと年かわらないんだけど…そろそろキレちゃうよ?」


「今日はお二人に相談が有ってきました。あとユリアンにも…お、居た!おーい、ユリアン!」



「ん?やぁ、ソラト!ご機嫌麗しゅう!どうしたんだい、こんな時間に。」


優雅な所作でこちらに向かってくるユリアン、いちいち所作がうぜぇ…だがこの三人に用があるのでとりあえず適当に挨拶を済ませお茶と朝食を頼んだ。



「折り入って皆に話があるんだ。実は俺のパーティーのセレナと明日の夜、デートをすることになった。だが、俺はクロッセアの地理に疎くてな。そこで三人に定番から穴場までデートコースを教えて欲しいんだ」


「ほう、中々やるじゃないかソラト!確か王国の騎士団の子だろ?逆玉か?」


「アンリの上司とは中々隅に置けねえやつだな!よし、お兄さんに任せとけ!」


「なるほどね。それは僕の協力が必要不可欠だろう。よろしい、大船に乗ったつもりで任せるといい」



三人とも俺をからかいながらも話に食い付いてきた。おっさん二人は大人の社交場を知ってるだろうし、ユリアンは年も近い。中々期待出来るんじゃないだろうか。


俺としてはデートで失敗したくないから念入りな下調べをしておきたい。前世(認めたくないけど一度死んでるんだよな)ではそれこそ、電車のダイヤから予約した店の途中に雑貨屋とかあればそれも踏まえたプランをきちんと練っていた。え?面倒臭い?それは否定しない。




「あぁ、夕方に食事して夜に少し飲める様な場所が良い。本当は和食が良いんだけどな…」


是非セレナにも和食を食べて貰いたいのだが、ここは日本とは違う。嗚呼、米、カレー、ハンバーグ…!だめだ、とりあえずはプラン練らなきゃ。



「そうだな、和食ってのは知らねえが王国貴族御用達の店ならあるぜ?」


「あぁ、中々予約が取れないがお誂え向きにすぐ横にそこのオーナーがいる。」


「ふふん、二人が言ってる王国貴族御用達の店とは僕の店さ!ソラトの為なら予約をねじ込んであげよう!」


「うおっ!マジか!それは助かる!ユリアン良いのか?」


「ああ、もちろんさ!しかも明日はモンスターレースがある。最高の一夜になること間違いなしさ」


「モンスターレース?」


「そうさ、ここクロッセアで最高の余興さ。十一の魔物が早さを競い頂点を目指すのさ。もちろん、胴元は僕だけどね。」


へぇー前世の競馬みたいなもんかな。あまり賭け事は好きじゃないがまぁ、一度くらいやってみても良いかもしれない。


「なるほどな、面白そうだ!それには券を買ったりとか色々手順が有るんだろ?」


「そんなややこしい事はこちらで手配しておこう。ああ、券は銀貨一枚だがソラトは大切な友人だ。食事の料金に含めて最高のおもてなしを提供しよう!」


「何から何まですまない。お言葉に甘えさせて貰おう」



「良かったじゃねえかソラト、ユリアンの店は庶民の憧れなんだぜ!」


「あぁ、俺も一度だけ行ったことあるけど飯はうめえしサービスも充実してた!まぁ、モンスターレースは見れなかったけどな」


「そのかわりと言っては何だが少し手伝ってほしいんだ」


「おっ、なんだ?そこまで譲歩してもらってるから俺に出来る事なら手伝うぞ?」


「実は…」


ユリアンが一枚の紙を取り出す。クエスト依頼の様だ。


クエスト名【金竜石の納品×5】


依頼者 魔物屋ヴァネッサ


47層の金竜がドロップする金竜石を納品して頂きたい。期間は20日間。一つ金貨四枚で六つ目以降追加納品で金貨五枚で買い取らせて頂く。



ヴァネッサかーい!


「いやー、モンスターレースの魔物を買い取らせて貰っててお得意様なんだよ。頼まれたら断れなくてね…。」


「おっ、金竜か!面白そうだし俺も行こう!報酬は頭割りで良いか?」


「ええ、カインさんが来てくれるなら心強いです!報酬もその通りで」


「金竜って強いのか?」


「あぁ、銀級冒険者パーティー六名で戦って勝てるかどうかってとこだな」


「まぁ、金級間近の僕と僕に勝ったソラトが居れば問題ないさ!それにあの時本気を出してなかったんだろ?まだまだ余力を残してたはずだ」


あ、バレテーラ…


とりあえずおっさん二人の援護もありデートプランは決まった。ユリアンの手伝いをする事になったのでこれから即席パーティーを組みダンジョンに潜る事になる。カインのおっさんも一緒なので安心だ。


「とりあえず、パーティーを組むんだからステータスを見せた方が良いよな?」


ユリアンとカインのおっさんのステータスも気になるから提案してみる。


「そうだね。本当はステータスを見せるって行為は相手を信頼してからする行動だけどソラトならば僕は構わない。もちろんカインさんにもね!」


「俺も別に構わねえぞ?」


「じゃあ俺から。《ステータスオープン》」


名前 ソラト・ユウキ

種族 人族 転生者

年齢 20

レベル 122


職業 拳闘士 従魔使い


称号 【魔物の主】 【異才の料理人】 【漂流者】 【天然ジゴロ】 【一撃必殺人ワンパンチブレイカー】 【ミスタートラブルメイカー】 【非童貞】new 【勇者の卵】new 【反貴族派】


レベルが一定値を越えたので能力を数値化します。


能力

物理攻撃力 3500

物理防御力 2800(+40,000)

魔法攻撃力 5200

魔法防御力 3000(+40,000)

敏捷 2920

運 4000



魔法 氷魔法LV7

《アイシクル・ブロウ》

《アイシクル・バースト》

《アイスボール・オリジン》


スキル 拳闘術LvMAX 拳技LV3 テイムLv5 直感LV2 話術LV3 魅了LV4 気配察知LV1 解析 地図 憤怒

耐性 飢餓 魅了


従魔

ブルース(ヒューマスライム)

カミツレ(人狼)

セレナ(人族)

ティア(雪妖精)



「「・・・」」


皆、絶句である。もちろん俺もだが…。なんか色々突っ込み処が多すぎて酷い。


だが、一つだけ嬉しい事がある!レベルが上がって数値化されるようになり、ステータスからパンツレスラーがなくなった事だ!ひゃっほーい!


「言いたいことは分かるがとりあえず後にして欲しい。あーユリアンのステータス見せてくれるか?」



「あ、あぁ、もちろんさ!《ステータスオープン》」


名前 ユリアン

種族 人族

年齢 20

レベル 98


職業 魔法剣士


称号 《蒼バラの貴公子》 《両刀使い》 《美の追求者》



能力

物理攻撃力 1050

物理防御力 780

魔法攻撃力 1620

魔法防御力 1020

敏捷 1400

運 1290



魔法 植物魔法LV6 水魔法LVMAX 土魔法LVMAX


スキル 細剣術LVMAX 即反応LV4 気配察知LV3 魅了LV3 宮廷儀礼LV7 カリスマLV5 美的感覚LV4


流石ユリアンだな、中々良いステータスをしている。両刀使いと美的感覚があるってことはもしかして…┌(┌^q^)┐ホモォ…いや、まさかな…。美しければ男も女も関係なく食っちまうような男なのか?

そんなことない、うん、そう信じたい…。けど貴族ってそういう趣味のやつもいるって前世で聞いたことが……考える事をやめた。


「じゃあ、カインさんお願いします!」


「おう!」


「僕のステータスに対するコメントはないのか?」


「ノーコメントで」


「そんなぁ……」


がっくり肩を落とすユリアンを横目にカインさんがそそくさとステータスを見せてくれる。


名前 カイン

種族 人族

年齢 33歳

レベル 105


職業 大剣士 金級冒険者


称号 【大物殺し(ビッグキラー)】【クロッセアの英雄】【破壊者デストロイヤー】【竜殺し】



能力

物理攻撃力 3000

物理防御力 2500

魔法攻撃力 1050

魔法防御力 2000

敏捷 2800

運 3200



スキル 物理強化LV8 野生の勘LVMAX 知者の勘LV3 超反応LV6 気配察知LV7 空間把握LV7 料理LV5 炊事LV6 夜営LV6 解体LV7 狩猟LV4 魔力反射 大型武器適重化 狂化




おぉー!やっぱつえぇーな!流石は金級冒険者だな!


「カインさん、頼りにしてますよ!」


「おう、任せとけ!」


「それじゃ行こうか!おっと大事な事を忘れてた!パーティー名を付けなくては」



ん?そんな大事な事か?気になってユリアンに聞いてみると


「当たり前じゃないか!パーティーを組むにはパーティー名を決めなくてはならない。登録時に習わなかったのか?」


「いや、聞いては居たけどさ」


俺の場合ブルースが勝手にパーティー名を決めてしまったため特に悩まなかった。まぁ、考え付かなかったのもあるが今思うと【天拳】はないんじゃないかな?かなり中二臭い……


「あぁ、なら話は早い。僕は【エレガント・パフューム】を推すよ!」


何それ!はっきり言ってクソダサい……そんなんで呼ばれるのは勘弁だぞ?ここは年長者に意見を求めよう。



「………カインさんは何か有ります?」


「そうだな、シンプルに【金竜の牙】とかで良いんじゃね?」

 


Oh~……こっちもなのるのが

恥ずかしいな…けどエレガントなんちゃらよりは全然マシだ。てかちょっと俺の中の暗黒竜が息を吹き返してる…

正直心を擽られるのだ。



「よし、カインさんの案で行こうか!」



「おっ、気に入ったか?ユリアンもそれで良いか?」


「クッ…仕方ない。ではカインさんの案で行きましょう。僕達は臨時とはいえパーティーを組むんです。というわけで【金竜の牙】リーダーはソラト、君に任せるよ!僕は非常に名残惜しいが辞退させて頂こう。」


「異議なし!」


まさかのリーダーに任命されてしまった…。解せぬ…!


だがカインさんは乗り気だし、ユリアンはそのまま受付に依頼受了に向かってしまうし。シャニアさんが俺に気付いて苦笑している。俺も苦笑を返してそのままダンジョンへと向かった。


資材?あぁ、何か今日の朝ブルースにもらった腕輪に色々入ってるので何も追加で買わなくても平気になった。


腕輪というよりデザインが明らかに妖怪○ォッチなんだよね。しかもたまにプルプル動くし、たまに早送りしたみたいに高い声で「主殿ー!」とか聞こえるし。


うん、これブルースの分身だよね。まぁ、道中勝手にドロップアイテムを自立移動して回収してくれるし便利といえば便利だな。



さて、目的の階層に辿り着いた。47階層か…未知のエリアだな。警戒して進もう

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