年上のお姉さんに襲われるのって男の夢だよね?
少し過激な描写が入ってます。
お茶を濁す感じで書いたので多分大丈夫ですが。
苦手な方はバックをお薦めします。
翌日、起床と共に宿を飛び出してベニートの店へと向かう。昨日来たばかりなんだけど道がどうにも分からん…何とか辿り着いた頃には昼近くなっていた。
「おっさん、居るか?」
「あん?おお、てめえか。昨日の今日で何のようだ?」
「約束したはずだ、明日の朝払いに来ると。これが約束の代金、金貨十枚だ」
「ふっ…そうか、確かに受け取った。また来い」
「あぁ…」
意地張って強気で店を出た後俺は道に迷ってしまった。職人街はあちこちに工房が乱立しているためかなり入り組んでいる。流石に昨日今日来たばかりの俺では迷うのも仕方ないのかな?
朝、ブルース達は買い出しに、セレナ隊は皆、朝の鍛練をしているので同行出来ないのは仕方ないのだが。……ん?
「へへへ、嬢ちゃん!俺たちと一緒に遊ぼうぜ?」
「そうだぜ!楽しいとこに連れてってやるよ!」
「……」
「どうした?ビビって声も出ねえのか?」
「沈黙は肯定と受け取るぜ?」
「……さい」
「あん?」
「うるさい…!」
職人街のとある路地に通り掛かるとそんな声が聞こえてきた。俺は不思議に思い暗い路地裏へと足を進めていく。そこで見掛けたのは二人の男と真っ赤な少女だった。その少女を見つけた瞬間、俺の中で少女を庇護したい欲が高まる。
なんだこれは?!
とりあえず、少女を助けなければ!俺は急いで少女に駆け寄る。すると下郎共がやっと気が付いたのか俺に声を掛けてくる。
「んだ、この坊主?嬢ちゃんの知り合いか?」
「なんだ?ヤろうってのか?」
「その子を離せ!嫌がってるだろ!」
「うっせぇ、この野郎!」
男Aが懐からナイフを取り出すのを見て俺はそのナイフを持った腕を掴む。パワーレベリングで上がった腕力で男の手を握り潰すと蹴りで男を吹き飛ばす。すかさず男Bの顎に肘を打ち付け失神させると俺は赤い少女へと目を向けた。
「やぁ、大丈夫かいお嬢さん?」
何故か気障な口調で語りかけている。なんだこの感覚。操られてる様な……
「私は助けなんて求めてなかったわ。けど一応お礼は言っておくわ。有難う。」
少女が話した瞬間、俺の中の何かがさらに膨らむような変な感覚に陥ってしまう。
少女の見た目は真っ赤な髪に青と緑の色が違う瞳、真っ白い肌に場違いな赤いドレスを着ていた。
あぁ、欲しい(・・・)…何故か彼女をこの手中に収めたいという欲求が高まっていく。だが抗う、このままここに居ては少女が危険なのだ。
『スキル_魅了耐性‐を覚えました』
え?魅了?段々と頭の中の靄が晴れていく。どうやら新たな耐性を手に入れた様だ。
「あら。貴方、私のチャームが効かないのね?というより解除した?おかしいわね…」
「それよりここを出よう。いつこいつらが目覚めるか分からない。」
「でも、貴方が守ってくれるでしょ?」
「茶化すな、行くぞ」
俺は名も知らぬ少女の腕を掴み路地裏を後にした。
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼
路地裏を出て何とか大通りに出ると喫茶店に入り一息吐くことにした。少女は暗がりで見えなかったが大胆に空いたドレスの背中部分から蝙蝠の羽を出していた。
「どこ見てるのよ?」
「いや…悪い。あっ…とまだ名前言ってなかったか。俺はソラト。冒険者をしている。職業は拳闘士兼モンスターテイマーだ」
「誤魔化したわね。フフ…まぁいいわ。私はヴァネッサ、少し先にある魔物屋の店主をしているわ。こんなところで上客に会えるなんて私って幸運ね。」
「上客?なんのことだ」
「だって貴方、自分でテイマーって言ってたでしょ?それにアダマンタイトの鎧にこの喫茶店、羽振りが良いのは間違いないわ」
あれ?まぁ、そうなるか。この喫茶店もたまたま見つけたが入り口の立て看板に貴族様御用達だかなんだか書いてあったしな。
魔物屋って言ってたっけ。確かギルドから小鳥の囀り亭に向かう途中の路地にそんな立て看板が立っていたのを覚えている。あの時見た白い少女はなんだったのだろう。
「そうか。なら今度、店に寄らせて貰うとしよう。戦力は多いに越したことはないからな」
「何ならかこれから向かう?私はいつでも歓迎するわ」
どうしようかな?ブルース達に相談したいけど、一旦見に行くのも悪くない。それに折角のお誘いだ、断るのも悪いだろう。
「じゃあ昼食を済ませてから向かうとしようか。ここは俺が奢るから好きなものを食べるといい」
「あら、いいの?では遠慮なく頂くわ」
店員に食事を頼むとしばらくして俺の頼んだパスタがやってくる。味はボロネーゼとかトマト系の酸味の利いた味で懐かしく思いながら俺は綺麗に平らげた。ヴァネッサはピザみたいなのとスープを注文していた。食事の最中、俺は気になることをヴァネッサに尋ねることにした。
「なぁ、ヴァネッサ。その背中の羽、どうなってるんだ?それに路地裏でチャームとか言ってたよな?」
「そんなに知りたいの?フフ、でも秘密よ。女は秘密に溢れてるものよ?それを解き明かそうなんていけない子ね。」
上品にピザみたいのを食べながら口を抑えて話すヴァネッサ。上流階級の生まれなのかな?
「いや、年もあまり変わらんだろ。俺の予想だけどよ」
「残念ながら貴方の数倍は生きてるわ。でも仕方ないわね、私の種族くらい教えてあげる。私は元魔物、今は魔族よ。サキュバスって知ってるかしら」
サキュバス…男性の夢に現れてはその精気を吸い取るとかいうやつだっけ?エロいイメージしか湧かないけどさ。だがヴァネッサには足りないものがある。
それは二つのお山だ、見た限り絶壁…うっ、冷たい視線を感じた。これ以上はやめとこう
見た目は普通の女性だけど蝙蝠の羽と悪魔の尻尾があったはず。まぁ、前世のにわか知識だから宛にならんけどな
「サキュバスか、なるほどな。だが、その…なんだ?魔族が魔物を商品として取り扱うのは少し酷じゃないのか?大きな括りでは同じ魔物な訳だろ?」
「あら、貴方勘違いしてるわね。人間が犬や猫を売るのにそこまで悩む必要あるかしら。私からすればそれと同じよ、気にすることないわ。魔物以外にも冒険者をやってた魔族をうちで買い取ったりもするわね。それに良い商品を店に置くのは商売人の基本でしょ。うちの商売に口を挟まないで欲しいわ。」
そら、そうだわな。何を売ろうと商売人の勝手だしこんな綺麗なドレスを着てるわけだからそれなりに儲かってるのだろう。或いは魔物専門のギルド的な立場なのかもしれない。うん、そう思おう。奴隷とか普通にいる世界な訳だしその辺の切り替えはしておかないと後で響く。
「貴方の悩みは解決したかしら?今度は私から聞くわ。なぜあんなところに通り掛かったのかしら?偶然?それとも声に気付いて?それにしては駆け付けるのが早くないかしら」
「いや、本当に偶々だよ。恥ずかしい話だが道に迷ってな。この鎧の代金を支払いにベニートって鍛冶屋のおっさんとこまで向かったら帰りに道に迷ってな?そんで偶々ヴァネッサの声が聞こえたから向かったら男二人に絡まれたヴァネッサを見つけたってとこだ」
「あら、そうだったの。ベニート…たしか、職人街の外れに住んでたわね。貴方、最近この街に来たのよね。迷うのも仕方ないか。でもあの男二人は私の餌だったの。ほら、私ってサキュバスだから月に一度、精気を吸わないと暴走しちゃうのよ。これまでは若い奴隷で済ませてたけど、働き盛りの男の精気の方が美味しいのよね。」
「はぁ…そういうものなのか」
「ええ。だから今、すごくお腹が空いてるのよね…。貴方が邪魔したから…」
「うっ…あ、すまない。俺、急用を思い出したんだった…ぎゃー!」
テーブルに銀貨三枚を置くと慌てて席を立つ。するといつの間にか後ろにヴァネッサが現れた。
「逃がさないわよ!貴方くらいじゃ食事にはならないけど、せいぜいおやつには足りるでしょう。どんな味がするのかしら…フフ…フフフ…」
店を出るとヴァネッサは俺を所謂お姫さま抱っこで抱えながら空を飛んで移動した。とある屋敷の前まで来ると着地し俺を抱えたまま中へ入っていく。階段を上がりベッドの上に投げ捨てられた俺の前でドレスを脱ぎ捨てる。慌てて目を閉じると俺は必死に抗議した。
「おやつなら別の人が良いんじゃないかな、ほら俺って筋張っててあまり食べる所ないし…」
アァァァアーッ♂
「はぁ…すっきりした。中々食べ応えがあったわね貴方。ご馳走様でした。」
うぅ…まさか知り合ったばかりの女性に襲われるとは…しくしく…
「何よ、男なのにメソメソして?童貞って訳じゃないんでしょ?年上に襲われるなんて寧ろ本望でしょ!風呂の準備してあるからさっさとしなさい。行くわよ?」
「行くって何処に?」
「私の店に決まってるでしょ!とっとと風呂に行ってきなさい!」
ヴァネッサ
??歳 魔物屋店主
顔 ☆☆☆☆★
武力☆☆★★★
魔法☆☆☆★★
魅力☆☆☆☆★
クロッセアにて長年娼館と魔物を売買する商店を営んでいる。クロッセアの顔役の一人でもある。単に売るだけではなく短期間、長期間貸すなどの方法もある。(アルバイトや派遣社員などを想像してくれると分かりやすいかもしれない。)また、彼女自身サキュバスという種族柄、男性の精気を月に一度、摂取しなければ魔力が暴走し、自我を保てなくなってしまう。彼女自身、不幸な過去があったため他人を不幸にしない様、客を選んで売っている。
ストックががががが…
少ししたらペース落とすかもです。