酒と肴と男と女
その後、一時間ほど魔物を狩ったところで俺の魔力が底を尽きそうになったのでダンジョンを後にした。
かなりのドロップ品が有ったのでそれを見て俺はホクホク顔だ。
何故かブルース達は自分が狩った魔物のドロップ品を俺に差し出してくる。断ったが、
「拙者は主殿の従魔、これを受けとるのは主殿の定めでござる。」
と言う。
カミツレは
「んー。オレは面倒臭いからソラトに全部渡す。たまに串焼き買ってくれればそれでいい」
などと言う始末。仕方ないなぁ。今回の戦利品は以下の通りだ。
・オーガの皮×24枚
・オーガの角×26本
・オーガの魔石×37個
・ハイオークの肉×38個
・ハイオークの毛皮×51枚
・ハイオークの魔石×48個
・ジェネラルオークの魔石×2個
・ケンタウロスの蹄×11個
・ケンタウロスの尾毛×3房
・ケンタウロスの魔石×15個
・金貨×4枚(400万ゴルド)
・銀貨×41枚(41万ゴルド)
・銅貨×102枚(1万200ゴルド)
こんな感じだ。ブルース達が大暴れしたためかなりの戦利品を手に入れた。
ケンタウロスはこの階層のレアモンスターみたいな奴で十体以上が一塊で襲ってきた。
人の上半身と馬の下半身を持ち、かなり好戦的な奴らだったがブルースに三枚に下ろされていた。
うひゃあ…怖い怖い…
俺のレベルも10くらい上がって今じゃ40レベルに到達した。
半日で硬貨の合算が442万200ゴルドである。はっきり言ってやり過ぎ感半端ない…。一般の人が一日銅貨五枚あれば生活出来るので相当な稼ぎである。まぁ、貰えるものは貰っておくけどね。俺の装備品と食費などに使わせて貰おう。
それからダンジョンを出て見回りしてる衛兵に聞くと換金所なるものがあるらしく魔物の素材を買い取って貰うことにした。延べ5,415,700ゴルド(金貨5枚銀貨41枚銅貨57枚)となった。内訳はこうだ。
・オーガの皮×24枚=銀貨4枚×24=960000 銀貨96枚
・オーガの角×26本=銀貨2枚×26=520000 銀貨52枚
・オーガの魔石×37個=銀貨3枚×37=1110000 金貨1枚銀貨11枚
・ハイオークの肉×38個=銅貨41枚×38=155800 銀貨15枚と銅貨58枚
・ハイオークの毛皮×51枚=銅貨5枚×51=25500 銀貨2枚と銅貨55枚
・ハイオークの魔石×48個=銅貨3枚×48=14400 銀貨1枚銅貨44枚
・ジェネラルオークの魔石×2個= 銀貨5枚×2=100000 銀貨10枚
・ケンタウロスの蹄×11個=銀貨10枚×11=1,100,000 金貨1枚銀貨10枚
・ケンタウロスの尾毛×3房=銀貨7枚×3=210000 銀貨21枚
・ケンタウロスの魔石×15個=銀貨8枚×15=1,200,000 金貨1枚銀貨20枚
やばいな、素材だけでこんな儲かるなんて…これで先の日本円換算で単純に五倍だから金貨1枚が500万だからえーと…442万200と541万5700を足すと約1000万を五倍すると…大体日本円換算で5000万近く持ってるぞ…やばいな、そんな大金を持ってるなんて知れたら命が幾つ有っても足りないぞ…?
だが、わてには最強のボディーガード…ブルースさんが居るんや!貴族でも冒険者でも掛かってこい!フハハハハ!!
換金所を後にしてセレナ達と合流して酒場に向かう。
道中ユリアンやシャニアさん、ガイのおっちゃん、カインさん、暇な冒険者達を吸収していった。
晩飯、晩飯ィー!ヒャッハー、飯食わせろー!!
はい、ということで一番大きな酒場を貸し切ってぎゅうぎゅう積めになりながら沢山の料理や酒を振る舞った。店主には銀貨40枚を握らせると知り合いの料理人を集めてせっせと働き始めた。うんうん、俺の為に働くといい、フハハハハ!
なんて感傷に浸っていると俺はアンリエッタさんにお金を借りていたのを思い出しアンリエッタさんのところに向かう。
酔ったのかユリアンがしつこいくらいに付きまとってくるが、ブルースに押さえ付けられて身動きが取れなくなっている。ホモに人権はない、南無三。
「ガイ…あんたもはひゃくけっきょんして身をかはへなさいよぉ…もう昔のことなんかわひゅれなはい…!(ガイ…あんたも早く結婚して身を固めなさいよぉ…もう昔のことなんか忘れなさい…!)」
「…アンリ、飲み過ぎだぞ?」
「うるひゃい!わらひのしゃけが飲めないのかぁー?おーい、しゃけがにゃいじょー!じゃんじゃんもってこーい(うるさい!私の酒がのめないのかぁー?おーい酒がないぞー!じゃんじゃん持ってこーい)」
アンリエッタさんは大分ご機嫌の様だ。そのまま机に突っ伏してスースー寝息を立て夢の中へ旅立った様だ。ガイのおっさんは困った顔をして近づく俺に気付いたのか、苦笑している。
「ガイさん、大変そうですね?」
「おう、そう思うなら助けてくれや」
「いやいや、お楽しみの時間を邪魔しちゃ悪いと思って」
「そうか…暇なら少し、昔話を聞いてくれるか?」
突然語り始めたガイのおっさん…面倒なんだけど聞かなきゃ駄目?駄目ですか、はい。
「俺とこいつが会ったのは今から五年も前でな。たまたまダンジョンで罠に嵌まっちまってよ…もうだめかと思ったらこいつが現れてな?それからの縁さ。当時ソロでやってた俺はアンリエッタ…アンリに救われてから意気投合してパーティを組むことになった。アンリとシアと三人でな。」
ガイのおっさんは葡萄酒を一気に煽り一呼吸置いて続けた
「…だがこいつらは王都に向かって軍に入った。それを知ったのも風の噂よ。何も言わずにな…俺は何がなんなのか分からなくなったよ。ゴールド級のベテランと持て囃されたが、限界を感じてな。どっかで酒場をやろうと思ってたんだが、ギルドに拾われてあっという間にサブマスよ…へへ、人間何があるか分からねえな。」
寂しそうな表情をしておっさんは微笑む。そっか、寂しかったろうな…俺も、ブルースやカミツレが突然居なくなったらどうして良いのか分からない。ガイのおっさんも大変だったんだなぁ。
「コイツが出てく少し前に俺はプロポーズをしたんだ。だが断られてな…それからギクシャクし始めたから俺が悪かったんだろうな…。へへ、兄ちゃんもプロポーズするときゃ気を付けろよ?女は怖えーぞ?人生の先輩からの助言だ」
二人は恋仲だったのか。こんなハゲ…失礼、剃髪したおっさんと美人なアンリエッタさんじゃ釣り合わないだろ。いや、恋愛は人それぞれだからな。
何らかの理由でアンリエッタさんは身を引いて王都に向かい軍の門を叩いたってとこか。
最初会った時の驚いた顔はそんな経緯があったらしい。
俺はガイのおっさんのグラスに酒を注ぎ、自分のグラスを重ね当て一気に煽るとその場を離れ次の相手を探すことにした。
ハードボイルドに占めたかったんですけど描写が難しいなぁ…まぁ、いつだか言ってたアンリエッタとガイの描写が書けて満足な如月です。
計算は合ってるかわかりませんが大体そんな感じってことでおなしゃす!フィーリングってやつっすよ!
ガイ・ゼントリオン 37才 冒険者ギルドサブマスター
元貴族の息子 反発して冒険者になる
アンリエッタの元カレ
顔 ☆☆★★★
性格☆☆☆☆★
武力☆☆☆★★
魔法★★★★★
頭髪★★★★★