ステータス×ステータス
どうしよう…ステータス…誤魔化すか?
「あ、えっと…ステータスはちょっと…出さなきゃどうなります?」
「はい。ステータスの提示がなければ、冒険者にはなれません。規則ですので」
で…ですよねー…こうなったら脅すか…?
「分かった…見せるのは構わん…だが、見たら後悔するぞ?」
「脅しにも屈しませんよ?ギルド職員はいざというときの為に戦闘訓練を積んでますのでその場で取り抑え衛兵に突き出します。」
ダメかぁ…
俺は大人しくステータスプレートを出しシャニアさんに見せる。
名前 ソラト・ユウキ(結城 空人)
レベル28(+5↑)
年齢 20才
職業 拳闘士
称号 《魔物の主》 《異才の料理人》 《漂流者》 《天然ジゴロ》 《一撃必殺人》 《ミスタートラブルメイカー》 《神の寵愛を受けし者(玩具)》
能力
物理攻撃力 伝説のパンツレスラー
物理防御力 プラスチックくらい
魔法攻撃力 どんだけぇー
魔法防御力 ガラスくらい
敏捷 速すぎぃー
運 そこそこ
所持 異界の通信具 異界の通貨 異界の運動着
テイム
種族_ヒューマ・スライム 個体名
種族_人族 個体名
種族_人狼 個体名
魔法 氷魔法 《アイシクル・バースト》(new)
スキル 拳闘術Lv7(+2↑) テイムLv3 地図 憤怒(new) 直感 話術 魅了 解析(new)
耐性 飢餓
あれ?スキル増えてる…前有った《怒り》が《憤怒》に変わってるし《解析》なんてなかったよな?能力のところは相変わらずおかしいよな…
はは、ころせよ…こんなの人に見られてこの先生きていけねえよ…くそ、涙が出てきた。。。
「こ、これは…なるほど、確かにこれは人には見せられないですね。数値ではなく言葉で表記されるとは…」
「はい、すみません…」
「何故謝るんですか?確か過去の勇者も数値ではなく言葉で表記されてました。ぱんつれすらーとは何か知りませんが伝説と付くからには凄まじいのでしょうね」
へっ?新情報が入ってきたんだけど…過去の勇者も言葉で表記されてたって?たぶん推測するに過去の勇者は冒険者に登録してたんだろう。それが何らかの形で職員に受け継がれてるのではないか?
「それでは皆様登録しますね。……はい、完了です。頑張って下さいね?」
あ、考え事してたら終わった。シャニアさんから銀色に光輝く名刺サイズのカードを受け取った。そこには名前、種族、職業、年齢、出身地、階級などが記載されている。ってかブルースとカミツレはどうなったんだ?
「ブルース、カミツレ、ギルドカードを見せてくれ」
「どうぞでござる」
「はい」
名前 ブルース
種族 魔族
職業 侍
年齢 342才
出身地 南の森
階級 ゴールド
名前 カミツレ
種族 魔族
職業 狩人
年齢 4才
出身地 南の森
階級 シルバー
へ?魔族?魔族って大丈夫なの?ゲームとかラノベでは討伐される側なのに冒険者でいいのか?
「あの…魔族って冒険者に居るんですか?」
俺は恐る恐るシャニアさんに質問する。
「ええ。数は少ないですけど居ますよ。プラチナ級の方も居ますし、魔族は魔法を使った戦闘や武器の扱いが得意なので魔剣士になる方が多くダンジョン攻略に重宝されています。他国では発見され次第討伐対象となりますがクロッセアではよく見掛けますね」
へぇーそうなんだ!なんだ、何も心配はなかったじゃないか。良かった良かった。俺のステータス暴露以外はな…はは
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ギルドを出た後宿へ向かう。セレナが先行して後を俺達はゆっくり進んでいく。大通りを歩いていると路地裏の近くに立っていた看板が目に入る。
『ヴァネッサの魔物屋』一流テイマー御用達の店!只今大特価割引中!!
魔物屋?魔物でも売ってるのだろうか?異世界って何でも商品にしてしまうのだろうか?疑問が尽きず看板を見つめていると一人の少女が目に入った。ニコッと笑うその少女に真っ白だという印象を受ける。色素が全体的に薄いのだ。髪や肌、着ているドレスまで白いのだ。ただその白さの中でも一際目立つのは血のように紅い瞳だった。俺は見惚れていたのかもしれない。
「主殿?どうされたでござる?」
ブルースの呼び掛けがなければずっと見つめていたであろう白い少女は一瞬目を離した隙に姿を消していた。
「白い少女が……いや…何でもない……」
「?…そうでござるか。セレナ殿達が待ってるでござる。急ぎましょうぞ」
「ああ」
俺は言いかけたがやめた。何故か言ってはいけないような気がしたから。
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宿の前に着くと俺は早速ダンジョンへと向かうことにした。とりあえず場所は覚えたし、宿を出てすぐ右側にダンジョンの入り口を発見してしまったからだ。行くしかないっしょ!
セレナが取ってくれた宿、『小鳥の囀り亭』はもっともダンジョンに近く高級宿で値段が高いらしい。だが、料金は全て王国持ちなので構わないとのこと。しかも風呂付きだ!女性が多いこの隊(俺以外全員女性)はやはり女性として風呂には入りたいのだろう。
魔法で清潔さは保ってるがやはり湯船には浸かりたい。しかも風呂は風呂でも歴とした温泉であり蒸し風呂とかじゃない。
少し興味はあるが帰ってからゆったり入ろう。
俺はブルースとカミツレを伴ってダンジョンの方へ向かう。
新品のギルドカードを手に列へと並ぶ。昼過ぎだと人はあまり居ないのか大して時間は掛からなかった。門をくぐり抜け衛兵にギルドカードを見せてからダンジョンの中へと向かう。しばらく歩くと全面岩肌の開けた洞窟の中心にたどり着く。順路に吸い寄せられるように向かっているとブルースから声が掛かる。
「主殿、そっちじゃなくてこっちでござる。そっちだと既に倒し尽くされてるからこっちの方がお得でござる!」
ブルースに案内されて広間の端っこに向かう。何やら中央が騒がしいので見ていると広間の真ん中にある石板みたいなやつが光って冒険者が現れる。あれがブルースの言ってた移動用の転移装置か。
とことこ端へ向かうとブルースは端の壁に触れる。すると壁に亀裂が入り、中央からは死角になる様な小部屋が現れる。なんだこれ?
そのままブルースがズカズカ中へ入って行くのを見て慌てて着いていく。そこには同じような石板が置かれておりブルースが俺を待ってくれていた。カミツレもキョロキョロして珍しそうに周囲を窺っている。
「ここから拙者が昔修行していた頃入っていた階層に移動するでござる。拙者に捕まってくれでござる。」
石板には20~30と書かれている。なるほど、階層ごとに石板が違うのか。中央のは帰還用の石板なんだな。
ブルースは石板に触れると石板が光輝く。慌ててブルースに触れると光が強くなり、目を瞑ると一瞬の浮遊感を感じた。目を開くと先ほどよりかなり開けた場所に立っていた。
「ここは草原か?にしても広いな…」
「そうでござる。たしか二十七階層でござったか?拙者は最大四十六階層まで行ったことがあるでござるが今の主殿とカミツレを育てるにはうってつけでござる」
なるほどなぁ。ブルースから二十七階層の説明を受ける。見たとおり草原型で何処かにある洞窟に下へ降りる階段があるらしい。魔物はオーガ、ハイオークなど人型が多いらしい。
「おっ、早速の歓迎でござるな。あ、カミツレ!抜け駆けはなしでござるよ!」
「こうゆうのは早い者勝ち。もたもたしてるとオレが全部倒しちゃう。」
早速とばかりにオーガとオークより一回り大きなハイオークが現れた。オーガは頭から二本角を生やしするどい牙が上下から乱立している。うん、まさに鬼って感じだな…俺も行こう…!
…と思ったらブルースとカミツレが無双して粗方倒し終わってしまった。
俺の相手は残り物のオーガ。よし、やるぞ!
「うおっらぁ!」
気合の声と共にオーガの胸にまずは一発。オーガの胸に大穴を作りそのままドウッと倒れた。ありゃ、力入れすぎたか?ユリアンの時は力加減出来たのに…最近力が増していく感覚がある。これも異世界に来たからなのだろうか?
オーガのドロップ品の袋を拾い中を見る。おっ、これ銀貨か?三枚くらい入ってる。この世界で初めて自分でお金を稼いだ。やったー!
そのまま進みまずは身体を慣らし自分達の生活費くらいは稼がなければ…いつまでもセレナやアンリエッタさんにおんぶに抱っこじゃ俺の精神安定的にだめだ。早く何とかしなければ…!
ブルースとカミツレは好き勝手に見敵必殺をしてらっしゃる。あー、でも経験値って概念があるのか分からないが全部ブルースに入るのは勿体無いよな。ゲームとかだと経験値って頭数で分配されるじゃん?俺も早く強くなりたいな…
『スキル…パーティー編成_スキル…経験値可視化_が解放条件を満たしました。以降ステータスで使用できます』
ふぁ…?!電子音さんちーす。なんか念じてたらスキル覚えちゃったし。覚えたというか既に覚えてたのか?解放条件云々言ってたしな…早速確認する。ステータスオープン
名前 ソラト・ユウキ(結城 空人)
レベル28
年齢 20才
職業 拳闘士
経験値 150
15028/28000
合計経験値 387000
一部省略……
スキル 拳闘術Lv7(+2↑) テイムLv3 地図 憤怒 直感 話術 魅了 解析 パーティー編成(new) 経験値可視化(new)
パーティーメンバー
現在無し 後三人加入出来ます
新たに経験値とパーティー編成の項目が増えていた。俺、こんなに経験値持ってたんだね。
そうそう、ギルドでシャニアさんに教わったんだけどステータスをタップすると詳細がみえるんだぜ?
今まで効果を知らなかったスキルがこれで丸裸だぜ、ヘッヘッヘ
《パーティー編成》
使用方法……相手に向けてパーティー編成とステータスプレートを出しながら唱える。相手が受け入れた場合成功となる。
効果……任意の相手とチームを組むことが出来る。経験値をレベル差で均等に割り振る。《テイム》《使役》《眷属化》の効果は上乗せされる。
ふむ、効果倍増なのか?ならかなり使えるな…!経験値可視化はどうだろう?
《経験値可視化》
使用方法……ステータスプレートを確認する。
効果……自らの経験値を確認することが出来る。
うわ、シンプルすぎる……
とりあえずブルースとカミツレにパーティー編成を試してみる。
「おーい!ブルース、カミツレ、こっち来てくれー!」
絶賛ヒャッハー中のブルースとカミツレが返り血を拭いながらこっちにやって来る。可愛い?やったー
「ソラトどした?」
「あぁ、今から新しいスキルを試すから受け入れてくれ。《パーティー編成》」
「ほあっ?なんか良く分からぬが主殿の居場所が感覚的に分かるようになったでござる。目を瞑ってても分かりそうでござるな」
「うん、ソラト近く感じる。ブルースも近く感じる。」
おっ、大成功だ。俺にはブルースとカミツレの姿が淡く発光しているように感じられる。すげーな、これ!
これ、もしかして他のスキルも見れちゃうんじゃ……?ブルース達にはまたヒャッハーしてもらって今持っている他のスキルを全部確認してみる。
《拳闘術Lv7》
5546/7000
戦闘スキル…拳士系下位スキル
《テイムLv3》
熟練度2501/3000
心を通わせた魔物を仲間に加えることが出来る。仲間が倒した相手の経験値を一割貰える。
_現在三体までテイム出来ます。
《地図》
頭に地図を作り出す事が出来る。マップオンと詠唱すると使用可能。
《憤怒》
?????
《直感》
危機に瀕したとき最善の策を取ることが出来る。常時発動
《話術》
一対一で会話する時、相手に気に入られる時がある。成功率は五分五分
《魅了》
人や魔物まであらゆる生物を惹き付ける。ただし、同姓には嫌われやすい。常時発動(神様からの贈り物)
《解析》
対象を注視すると詳しい情報が頭の中に浮かぶ。
うーん、大体予想は着いたけど憤怒が???ってどうゆうことだろ?何か条件が有るのかもな。
地図は確かマップオンだったな。あ、ほんとだ。この青い点が三つあるのが俺達か?赤いのが敵対マークか?どんどん減っていく。
てかブルース、カミツレが無双しすぎて経験値がヤバイことに…!
『レベルが上がりました_』
上がったよ…!もしかして俺要らない子…?
いやそんなことはないはず…。うん…あまり自信がない。
ちょっと待てよ…スキルを詳しく調べられる事によってダンジョンがヌルゲーになってしまった。
あれ?もしかして俺のチート伝説…始まっちゃう?
オーガ一匹で大体300くらい経験値が入ると思ってください。
それに10%を加算すると大体330でそれを300体くらい倒しています。
レベルは1上がると次に必要になるのが1000ずつ加算されていく設定です。
作者は計算が苦手なので間違っていても暖かい目で見守ってください、一応電卓を使用してますが数字を見ていると途中で混乱してくるので…




