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転移大学生のダンジョン記~拳一つでフルボッコだドン~  作者: 如月 燐夜
二章 求める者と授かる者
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実力試験

戦闘回です。


さて、どう攻めようか…戦闘経験の少ない俺が格上の相手をすることになった。この気障ったらしい兄ちゃんに勝つ方法は有るのか?


いや、ないな…

だったら真正面からぶつかるのみ…!

俺はアイシクル・ブロウを発動する


「ほう…氷魔法に戦闘スタイルは拳闘士か…まぁ、相性は悪くない。最初の一撃は譲ってあげるよ」


ナメやがって…!!なら遠慮なく行かせて貰おう。


懐に踏み込み顎目掛けてジャンピングアッパーカットをする。後ろに退がられ避けられるが、これはフェイントだ。そのままピッタリくっつきボディブロウをお見舞いする。綺麗に入ったのかその場に蹲るユリアン。

どうだ…!!


「クッ…中々やるじゃないか!今度は此方の番だ!」



立ち上がりユリアンが腰の細剣…レイピアを抜き構える。そして空いてる左手を前に突き出し呪文を詠唱する。



「《花の精よ、その力を持って我が敵の動きを封じ、我に力を貸し与えたまえ。》ローズテンペスト!」


ユリアンの静かだが堂々とした詠唱と共に薔薇の花弁が周囲を舞い俺に襲い掛かる。俺はそれを両拳で打ち落としながらユリアンの方へ近付く。だがこのまま行ってもレイピアに攻撃されるだけだ…どうすれば?!


《氷魔法_アイシクル・バーストを覚えました》


ここでまさかの電子音?

だが助かる。

俺は肌に切り傷を量産しながらもユリアンの眼前へと辿り着く。



「くらえっ!」


俺はユリアンに、ではなく地面に拳をぶつける。すると地面から無数の氷柱が生えユリアンを襲う。


「がはっ…!」


ユリアンは氷柱に貫かれ…ずに地面に倒れる。これは命の奪い合いじゃない、試験だからな。


俺はゆっくりユリアンの前へ向かい、拳…ではなく手を差し出す。


「ありがとうございました」


「フッ…舐めていたのは僕の方だったか…。正直油断していたよ、僕はまだまだな様だ。」


「いえ、そんなことなかったです。まぐれで勝てた様なものですから」


「君は器が大きいな。フフッ、君に興味が湧いてきた。我が友になってくれないか?」


喚き散らすかと思ったら素直に負けを認める。え、この人まさかホモ?んなわけないか…


「俺で良ければ…ソラトです。よろしく、ユリアンさん」


「呼び捨てでいい。ソラトか、その名前この胸に刻んだよ!」


そう言ってユリアンは俺の手を更に強く握った。

やっぱりこの人…

┌(┌ ^q^)┐ホモォ…


その後、俺はセレナの隣に座り観戦することにした。だって離れてもセレナが追いかけてくるからさ…

仕方なくだよ仕方なく…。


まぁ、反対側にはユリアンが当然のように座ってきた…ちょっと怖いです。


ユリアンとセレナはお互いを強敵ともと見定めたのか俺を挟んで目をバチバチさせている。あのぉ、誰か代わってくれませんかね…?


気を取り直して第二回戦。カミツレが闘技場に眠そうに立つ。対戦相手は…何故アンリエッタさんがそこに?


「ほう、どうやらカミツレがアンリエッタを相手に指名したらしいな。中々面白いカードじゃないか」


あ、そうなんですか。セレナさん、解説ご苦労です。


「あらあら、カミツレちゃんが指名してくれるなんて嬉しいわ、宜しくお願いしますね。」


「ん、今のオレで正直アンリエッタに勝てるか分からないけど、やってみる。勝ったらソラトに撫でてもらう」


「そうですね…じゃあ私が勝ったらカミツレちゃんを一晩中撫で回してあげましょう。あ、考えてたら興奮して来ました…はぁはぁ……っと、早く始めなさい!」


珍しくやる気に満ちているカミツレ。てかアンリエッタさんってやっぱり百合属性持ち?じゃなくてそんな強いのか?俺にはよく分からん…


「…は、はい!それでは…試合開始!!」


関係ないけど受付嬢のお姉さんノリノリだな…まぁ、仕事なんだろうけどさ。


試合開始の合図と共にカミツレが闘技場内をグルグル走り出す。そういや、カミツレの戦闘見るの初めてだな。どんな動きをするんだろ?


アンリエッタさんは堂々とした立ち姿でロングソードを構えている。騎士然としたその姿は一辺の隙もない。


カミツレは緩急を付けた動きで翻弄する作戦か?殴る蹴るの応酬をするがアンリエッタさんに全くダメージが入った様子はない。


「ムカつく…仕方ない、少しだけ本気出す…。」


カミツレは立ち止まり、そんな事を呟く。まぁ、攻撃が効かないとなるとそう思うよな…


カミツレが手を前に差し出す。すると数秒もしないうちにアンリエッタさんは宙へと浮かび逆さ吊りになった。


これ、《天罰の鎖》ってスキルか?不可視の鎖で相手を縛るとかえげつないな…。


アンリエッタさんは宙吊りになりながらも余裕の態度を変えない。何か隠し持ってるのかな?


カミツレがさっきより早い速度で駆け出し後ろからアンリエッタさんを殴り付ける。


だが、殴った方のカミツレが痛がっているようだ。



「アンリエッタ固すぎ…」

文句を言いながらも攻撃を続けるがやがてカミツレはその場に座り両手を上げた。



「オレじゃ勝てない…負け、認める」


え、嘘…なんとカミツレは降参してしまった。


降参した原因はアンリエッタさんのスキルなのかな?


「なぁ、セレナ。カミツレが降参したのってアンリエッタさんのスキルか?固いって言ってたけど」


「あぁ、アンリエッタは《要塞》スキル持ちだからな。防御系スキルの最上位に位置するスキルだ。私でも本気で守りに徹したアンリエッタには敵うか分からん。攻撃系のスキルもかなり持っているしな。」


うへーマジか…俺でも勝てるか分からない相手だな、アンリエッタさんは本気で怒らせない様にしよう。


カミツレは《天罰の鎖》を解除し、トボトボと悲しそうな表情で俺の元に帰ってきた。


「ソラト、ごめん。オレ負けた。アンリエッタ強い」


落ち込むカミツレの頭に手を置いて俺は苦笑する。励ましてやるか。


「結果は負けたけど、これから強くなればいい。よく頑張ったな!偉いぞ!」


そのままカミツレは俺の膝の上に座る。フフ、甘えん坊さんめ…アンリエッタさんはそのままこっちに来ると話し始めた


「今の試合正直焦りました。シャニア、結果は負けですがカミツレちゃんにはそれなりの能力があります。試験は合格にしなさい。」


「ふぇ…あ、はい。分かりました…カミツレさん、シルバーっと…」


「良いのか?オレじゃアンリエッタには勝てない…オレ弱い…」


「良いんです、私が決めたんですから。ガイもそれで良いですね?」


「お、おう」


なんかアンリエッタさんのごり押しでカミツレもシルバーになることが決まった。


良いのか、これで…とりあえず、アンリエッタさんには逆らわないでおこう。


「続きましてブルースさんの試合に移りたいと思います。ゴールド級は…カインさん、お願い出来ますか?」


「あーん?なんで俺がこんな小娘と…」


「酒場のツケ、銀貨三枚分減らしましょう…」


「うおー、なんか知らないけど急に戦いたくなってきたぞぉ!?よーし、お嬢ちゃん!俺が相手してやるっ!」


続いてブルースの試合、なんかだらしなさそうな無精髭のおっちゃん…ゴホン、ベテラン冒険者が現れた。てかダメな大人の典型的なタイプだな、ありゃ。


「むぅ、中々手強そうな相手でござるな。拙者はブルース、宜しく頼む」


「はっは、変なしゃべり方だが礼儀正しい嬢ちゃんだな。カインだ」


「カイン殿!拙者の、ひいては主殿の野望のためここは負けてもらうでござる」


「ほう、主殿ってのは最初の坊主か…見たところあんたの方が強そうだが訳有りかい?まぁいい、とにかくやろうぜ?」


え?俺の野望って何ですかブルースさん!ちょっと良く分かりませんよぉー


「伊座、尋常に勝負っ!」


「あ、あの、まだ開始してないんですけど…!!ええい、試合開始!」



ブルースは開始の合図を待てなかったのかカインのおっさんへ向けて走り出す。


というかいつの間にライトソード出したんだろ?


対するカインのおっさんは背中に縛っていた大斧を取り出しブルースの初撃を相殺した。


「中々重い…な…だが、まだまだぁ!」


カインのおっさん…長いからもうおっさんでいいか。


おっさんはそのまま大斧を振り回しブルースを弾き飛ばす。


ブルースは空中で一回転し、忍者の様な動きでシュタッと地面に着地した。


か、かっこいい~!!


「ならば…こうでござる!」


ブルースが叫ぶと同時に四体に分かれる。《分身》のスキルか。タイミングをずらし、所謂ヒットアンドアウェイ戦法で翻弄する。


おっさんも耐えているがこれには頭に地が上ったのか段々大振りになってきた。


「ええーい、ちょこまかと!」


「ふはは、どうだ!拙者の忍術、とくと味わうがいい!」


対するブルースはすごくご機嫌の様だ。ブルース、お前いつから侍から忍者に転職したんだ?


ブルースの猛攻は止まない、時折水の玉をお見舞いしたり上空からレーザーをぶっぱなしたりとおっさんをどんどん追い詰めていく。こりゃ、ブルースの勝ちだな。おっさんもブルースの嫌らしい攻撃にタジタジなのか、手でブルースを制して叫んだ。


「こ、降参だ降参!なんなんだよ嬢ちゃんのその強さ!正直俺じゃ相手にならん。プラチナ級の強さはあるぞ?」


おっさんがそう叫ぶと周囲がざわめく。


「プラチナだって?」


「あんな可愛い子が?嘘だろ」


「だが、見ただろ?カインさんが手も足も出なかったぜ?」


ギャラリー(野次馬)が大騒ぎし、審判役のシャニアさんは困っていた、一応試合は終わってブルースは御満悦だ。やりすぎだよ、ほんと…


「ガイさん…どうしましょうか」


「むぅ、俺じゃ決められんな…とりあえずゴールドにしとけ。プラチナへの昇格はクエストを受けてもらってギルマスに判断してもらおう。」


「分かりました…それじゃ、実力試験はこれまでです。解散!試験官のお三方には特別報酬を出しますので受付の方へお願いしますね」


シャニアさんの一言で地下闘技場から出ていく冒険者たち。興奮冷めやらぬ様子で一階の酒場で飲みつつ語り合うのだろう。


会場に残るのは俺たち三人とセレナ隊十名、ユリアン、カインのおっさん、それにガイのおっさん、シャニアさんだけだった。


「三人とも良い戦いだった。年甲斐もなく興奮したよ!期待の新人が入ってきてくれて嬉しいぜ」


「ふっ、流石は僕の友とその仲間たちだ。僕も楽しみが増えたよ」


「おう、坊主もそこの嬢ちゃんも中々良い試合だったぜ!これからちょくちょく会うと思うけど見かけたら声掛けてくれよ」


そう言ってユリアン、カインのおっさん、ガイのおっちゃんは去っていった。シャニアさんは三人が出ていったのを見計らい口を開く。



「それではステータスプレートを拝見させてください。それをこちらのギルドカードに複製して登録は終了となります」


え?ステータス出すの?俺のステータス見られたらやばくない?あ、ブルースとカミツレ魔物じゃん…どうしよ…!

ブルースは分身した状態で相手の頭上からレーザーや鉄砲水を発動し襲い掛かります。本気出すと光の剣や槍も足されて大地が真っ赤に染め上がります。マジパネェ!


ソラトのアイシクル・バーストですが、地面から沢山の氷柱を出す技です。本来なら相手を串刺しにするのですが、そこは試験なので加減しました。


ユリアンの腹が弾けなかった理由ですがソラトは無意識のうちに手加減をしています。


シャニア 19才

ギルド受付嬢兼酒場責任者 五年前アンリエッタの担当をしていた可哀想な子。普段は素朴で大人しいが舞台に立つと豹変する。彼氏募集中だが冒険者はお断りらしい。

顔 ☆☆☆★★

性格☆☆☆★★

武力☆☆★★★

魔法☆☆★★★

人気☆☆☆☆☆



ユリアン 20才

銀級冒険者 元貴族だが家名は捨てたらしい。美しいものと強いものが好きでソラトを気に入る。

顔 ☆☆☆☆★

性格☆☆★★★

武力☆☆★★★

魔法☆☆☆☆★

恋愛ホモォ♂(測定不能)


カイン 33才

金級冒険者 白金相当の能力を秘めているがブルース相手にぼこぼこにされる。借金をしている。妻子持ちで唯一のリア充(ソラト談)

顔 ☆☆☆★★

性格☆☆☆★★

武力☆☆☆☆★

魔法☆☆★★★

貯金★★★★★

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