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転移大学生のダンジョン記~拳一つでフルボッコだドン~  作者: 如月 燐夜
二章 求める者と授かる者
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ギルドにて

ほぼ、説明回です


門を抜けるとそこには正にファンタジー世界が広がっていた。十メートルは有ろうかという大きな幅の道には、馬車が忙しなく駆け巡り所狭しと並ぶ建物には商人だろうか客を呼び込む声が響いている。


そして、町中を歩くのは皮鎧やローブを着たいかにも冒険者といった風体の者達。人族、エルフ、獣人、ドワーフ、翼人など様々な種族が居るようだ。


「うおぉぉー!すっげぇー!!」


ご覧の通りテンション上がりっぱなしである。だって獣人だぜ、獣人!元ゲーマーとしては興奮を押さえきれない。


「主殿、嬉しそうでござるな」


「ソラト、オレあれ食べたい。肉だぞ肉」


うちの獣人擬き娘がどうやら串焼きに惹かれた様である。むぅ、そう言えば腹が減ったな。あ、アリシアのお弁当が有るんだった。忘れてたな…そろそろ昼食の時間だし、食事にしよう。


左手側に大きな噴水があってその近くにベンチとテーブルが置かれている。丁度良い、あそこで食べよう。


カミツレが串焼きを物欲しそうに眺めてる。むぅ…そういや、俺ってこの世界の通貨持ってないぞ?


串焼きも買ってやれない貧乏な主でごめんな…と思ってたらアンリエッタさんがカミツレの姿を見ていたのか串焼きを人数分買ってきてくれた。アンリエッタさん、マジ天使…(泣


「ソラト、これ美味い。ソラトも食え。」


目をキラキラさせて俺にも食べる様に催促するカミツレ。興奮しすぎて尻尾とお耳出てますよぉ~?


それよりまずはお礼をしなきゃな。


「アンリエッタさん、すみません。俺が一文無しなばかりに迷惑かけちゃって…」


「いえ、良いんですよ?可愛い女の子の幸せそうな笑顔が見れるんですから。それにここでの滞在費や食費は隊長の自腹ですから」


え?まさかの百合属性持ちですか?そういえばたまに蕩けた目でカミツレやブルースの事を見つめていたけど、まさかな?


てかセレナって金持ちなんだな…貴族だから当たり前か。


串焼きを頬張りながらベンチに移動しブルースの空間収納からアリシアのお弁当を出してもらう。


木製の弁当箱の中にはサンドイッチが入っていた。この世界は意外と食文化が進んでいて元日本人の俺としては非常に助かる。


あ、串焼きは甘辛いタレでした。


美味しかった。異世界に来て焼鳥 (ぽいの)を食べれるとは思ってなかった。満足じゃい。


サンドイッチをガブリ…柔らかい白パン(白黒あって黒いのは固すぎて食べれない)の間にレタスっぽいのとトマトそしてなんとオーク肉のハンバーグみたいのが入っている。味付けは塩コショウとシンプルだがこれがまた美味い。


食後にはエルフの里から持ってきた茶葉をセレナ達の部隊が持っていた木製のグラスに入れてブルースがお湯を注いでくれた。うーん、美味しかった。ごちそうさま。



「さて、食事も済んだし宿に向かうか。あと冒険者の登録がしたい!」


この世界にも冒険者の寄合所、というか互助施設がある。


そうギルドだ。


やっぱ冒険者には登録しておかないとな!


一応身分証になるし、クエストを受けて達成すればお金が貰える。


その分危険もあるみたいだけど、ぶっちゃけブルースが居れば失敗しないだろう。


まぁ、俺がヘマするかもだけど…



「そうだな…じゃあまずは我々で宿を取っておこう。アンリエッタとシアはソラト殿に着いていけ。アンリエッタは元シルバー級冒険者だから色々教わると良い」


「シルバー?冒険者の階級か?」


「そうです。ストーン(石)、アイアン(鉄)、ブロンズ(銅)、シルバー(銀)、ゴールド(金)、プラチナ(白金)の順で階級があり私は上から三番目ですね。まぁ、中堅と言ったところでしょうか。元冒険者で騎士になる人も結構多いんですよ。ここにいるシアも元はブロンズ級です。」


「へぇー…!さすがアンリエッタさんですね!」


確かに彼女の動きは移動中戦闘に慣れたような動きが時々見られた。


シアさんもこの隊の上から数えた方が早いくらい強いんだろうな。あ、隊の半分は騎士見習いというか従士っていう役割らしい。この前の魔族に操られたのはほとんどが従士の方々だった。


「うっす!お姉さんに任せるっす!ソラト君に色々教えちゃうっすよ?へへへ…」


燈色の髪を揺らして鼻の下で指を擦り付け照れ笑いをするシアさん。


お姉さんって言ってたけど、多分一個上か同じくらいなんだよなぁ…まぁいいか。


「助かります。シアさん、アンリエッタさん、宜しくお願いします!」


「じゃあ行きましょうか。隊長、宿の方はお任せしました。」


「うむ、行ってこい」


セレナは腰に手を当て偉そうに頷いている。その堂々とした仕草に少しだけ見惚れたのは内緒の話だ。ブルース、カミツレあたりは気付いたと思うが…


▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼


十分ほどメイン通りを歩いただろうか。東から西に進み、冒険者ギルドへと辿り着く。


うおぉぉ、テンション上がってきたあぁぁ!!


木製の二階建ての大きな建物で押戸を開け中に入る。右側に所謂クエストボードを確認する。左側には一段高くなったスペースがあり、そこで食事や酒を楽しむ事が出来るみたいだ。俺達が中に入ると酒場スペースでたむろっていた何人かの視線を集める。すると相談する声が聞こえた。


「おい、今入ってきたの《銀閃》じゃねえか?冒険者辞めたって聞いたぞ俺!」


「その隣に居るのは《金剛》のシアじゃねえか!久々に見たぜ!」


「じゃああの一緒に居るガキ共は?この辺じゃ見ねえ顔だな」


「ルーキーか《銀閃》の付き人だろう?騎士鎧着てるから多分そうじゃねえ?」


などなど話声が聞こえる。アンリエッタさんはそれらを無視し真っ直ぐ受付カウンターまで進んだ。


「にしし、恥ずかしいっすね」


と言っているシアさんはアンリエッタさんに続いて歩き出す。どうやら二人とも有名人の様だ。


あと、俺は弱いからまぁ良いとしてお前らブルースさん舐めすぎだからな?お前らなんか一瞬で蹂躙されちゃうんだぞ?


「新人の登録と再発行を頼みたい」


アンリエッタさんは鈴のような声でそう受付に立っているスキンヘッドのおっさんに告げた。


「んなっ…アンリ…?!シアもいるじゃねえか…!!っと…お、おう…じゃあ新人はそっちで済ませてくれ。…二人とも久し振りだな」


「挨拶は後程…とりあえず用件を済ませたいわ」


「アンリ姉、辛辣っすね…へへ、ガイのおっちゃん久々っす!」



まぁ、有名人なら知り合いは多いだろうな。っと俺達もさっさと済ませようか。


「こんにちは、本日担当を勤めさせてもらうシャニアよ。宜しくね?新人の登録ということだけど、一人銀貨一枚頂きます。」



「あ…えと……あ、アンリエッタさん…ありがとうございます」


金がないの忘れてた…どうしよ?って感じで回りを見たらアンリエッタさんが物凄い速さで机に銀色の硬貨を置いた。


「はい、確かに銀貨三枚頂きました。まずは説明をさせていただきますね…」


道中アンリエッタさんに聞かされた話をされた。ランクを上げるには決められた回数をこなすことで上がるものと昇格試験というものが有るらしい。また、最初に登録するとき登録者の実力を見て階級分けするらしい。なんでも傭兵やそれなりに腕の立つ者が金に困り転職をした際、不満を抑える処置だそうだ。ダンジョンに入るには最低アイアン級の能力が必要なんだとか…弱ったな


「実力試験、受けますか?」


ブルースとカミツレを見ると目がギラギラしている。うっ…君たちがやる気なら俺もやるしかないじゃないか…


「はい、三人分お願いします」



「かしこまりました、それではそちらの階段を下りた地下闘技場でお待ちください」


「はい」


俺達はお姉さんに指示された階段を下りて地下闘技場へと向かう。


その間にブルース、カミツレに念を押す。


「お前ら手ぇ、抜けよ?相手を殺しちゃったら意味ないんだからな?」


「分かってるでござる」


「えー、手加減面倒くさい…寝てて良い?」


駄目です。ブルースは本当に分かってんのかな?まぁいいか。五分もするとそれなり人が集まり出しほぼ満員状態らしい。こんなに人居たっけ?


「ソラトさん、頑張って下さいね?隊長も見てますよ?」


あ、アンリエッタさんとシアさんだ。隣にさっきの厳つめスキンヘッドのおっさんが居る。その後ろにはセレナが手を振っている。あ、ウインクしてきた。顔は良いんだよな顔は…


「準備は宜しいですか?生憎プラチナ級は居ませんが他はおりますので挑戦する階級をご提示下さい」


「アイア…「ゴールドでござる!」」


「「「おぉー」」」



ちょっ!ブルースさん、何言ってるの?!


「オレはシルバーでいいや。」


「「「おおー!」」」


これ、もしかして俺も最低限シルバー以上じゃなきゃ格好つかないよな…ええい…ままよぉ!


「俺もシルバーでお願いします」


「クソガキ、冒険者舐めてんじゃねえぞこら!」


「どんだけ自意識過剰なんだよ!」


うーん、このアウェイ感…辛辣ぅ…男には厳しい世界です…(泣


「分かりました、ではどなたから先に受けられますか?」


「お、俺から行きます」


くそぉー見てろよ?俺だってそれなりに戦えるんだからな?まぁ、ブルース達に比べたらちょっとレベルは頼りないけど…よっし、やるぞ!


「では対戦相手は…そうですね、ユリアンさんお願い出来ますか?」


「おっと、突然のご指名かい?正直男の相手は勘弁して欲しいんだけどねぇ…まぁ、良いだろう。この僕、《薔薇の貴公子》ユリアンがお相手しよう」


なんかサラサラした金髪のイケメンの兄ちゃんが気障っぽく優雅に闘技場へと入ってくる。


なんだろう…あまり言いたくないけど、チャラそうだし、プライド高そうで凄く苦手なタイプです、はい。


「宜しくお願いします」


まぁ、あれだ。こんな人でも良いとこを探してやらないと…多分友達少ないだろうし…失礼か


「フンッ…この僕が相手してあげるんだから光栄に思うといい。君みたいな凡夫に世間の厳しさを知らしめてやろう」


「「「きゃー、ユリアン様素敵ー!」」」


よし、決めた。顔面ぶん殴ってやろう。



「お二人とも宜しいですか?それでは、試合開始!!」

アンリエッタとガイのおっさんの過去についてはそのうち書きます。

それと平民には名字がない設定です。書き漏らしたのでここに記します。


本日のキャラ紹介は二人です。


アンリエッタ・シュラーク 24才

シュラーク男爵家の令嬢だが家を飛び出し冒険者となる。

だが五年で辞め国へ戻り騎士団へと加入する。

セレナ隊副隊長兼セレナのストッパー

顔 ☆☆☆☆☆

性格☆☆☆☆★

武力☆☆☆★★

魔法☆☆★★★

怖さ☆☆★★★


シア 21才

元々アンリエッタの実家の家令の娘でアンリエッタが家を出るとき共に生きることを決めた。性格は自由奔放で気まぐれ。何かとお姉さん面したい年頃。

顔 ☆☆☆★★

性格☆☆☆★★

武力☆☆☆☆★

魔法☆☆★★★

姉力☆☆☆☆☆


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