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転移大学生のダンジョン記~拳一つでフルボッコだドン~  作者: 如月 燐夜
四章 攻める者と護る者
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風化した遺跡


88階層での下へ続く階段は未だ見付からない。まだ未熟な専属画家志望のパンプヘッドのカラテラ、キキーモラのリアス、アンナには魔物屋で待機してもらうことにした。


しばらく探索するも目ぼしいものは見付からない。


やはりあちらの島か、海にあるのだろうか?


俺は顎に手を当て一人悩んだ。


皆も同じ気持ちなのだろう、俺に視線が集まる。


セレナが駆け寄り報告をする。


「ソラト、海の中にふしぎな光が見えた。どうする?探索するか?」


セレナは潜って調査したのか全身濡れている。やはり、海か。


「いや、その必要はない。俺がやろう。少し離れていろ!【アイシクル・エイジ】!!」


俺は海に掌を向け魔法を放つ。


配下も増え能力の上がった現在の俺ならばこの魔法を二発打っても魔力切れを起こさない。


アイシクル・エイジより燃費の悪い大規模魔法もあるのだが、あれはとっておきでここぞって時にしか使えない。代償もでかいしな。


海の六割ほどが凍ると俺は闇の翼を発動して空中に跳躍し氷の上に降り立つ。


闇魔法は直接的な攻撃魔法の種類は少ないが補助や妨害などの効果が多いので中々に重宝している。


拳に純粋な魔力を流すとそれを全力で何度も何度も降り下ろした。


パキッパキッと音が鳴り亀裂が幾重にも走る。


粉々に砕けキラキラと光に反射した。

残るのは砂と海氷の破片のみ。



ふぅ、なんとかなったか。


後ろから拍手喝采が聞こえる。


俺を讃える声も飛んで来た。何か照れ臭いな。


「ソラト、お疲れ様。」


セレナが後ろから近付きそう言った。


「いや、特に疲れてない。だがありがとう」


手渡されたタオルを受け取り肩に掛けた。

セレナは嬉しそうに俺に笑顔を向けている。



「あっ、ソラト!あそこを見てくれ!」


セレナが指差す方向に目を向けると島があった。


視線を下に向けると穴が空いている。やはりあったか。


「よし、行くか」


「「「はいっ!」」」


新たな幹部候補たちは力強く頷いていた。


まだ俺の役に立てていないため少し焦っているのだろう、足並みが早い。


「焦るな、これからだ」


俺がそう伝えると少し表情が和らいだのが見えた。


大きく頷くと幹部候補達は返事を揃えた。



階段を降りるとそこは砂漠地帯、遺跡だった。


周辺を砂に囲まれ装飾された円柱がそこかしこに転がっている。


人家らしきものも見える。


風化し瓦礫となっているが人が居たのだろうか?


明らかに人工的なものだが人の気配はない。


この階層も何処かから取り込まれたのだろうか。


周囲を手分けして探すが特に目ぼしいものは見付からない。


出てくる魔物も蛇や鷹、蠍など雑魚ばかりだ。


幹部候補たちは苦戦していたがセレナ隊が補助に入り何とか怪我なく戦えているようだ。


俺はその場に座り込み気配探知に専念する。


マップと同期して集中し階段を探す。


大蛇の魔物が途中噛み付いてくるが俺は歯牙にもかけず拳で殴り付けた。


俺がそんな風に探知をしているとセレナ隊のシアが駆け寄ってくる。


焦った表情をしているのが遠目に見えた。



「ソラト君!こっちこっち!獣人っぽい人が倒れてるの!」



獣人が何故ダンジョンの下層に?


俺はシアの案内に従いその場へ向かった。



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