33.エピローグ
縄が首に食い込む。あまりの苦しさに真治はもがいた。
縄が切れ、真治は床へ落ちる。
「うぅえ、うふぅ」
吐きそうなほど苦しそうに呻きながら、真治は思う。
なぜ、自分がこんな目に遭わなければいけないのか。これも全部、杉本のせいだ。杉本に高校でいじめられ、中退なんかしなければ、自分はもっと幸せな人生を送ることができた。
ああ、憎い。あの男を殺したい。あの男の全てをぶち壊したい。
真治は杉本に対する怒りの炎に薪をくべるため、段ボールを開き、ノートを探した。
そのとき、一冊の本を見つける。本を手にとり、眉をひそめる。
「何だこの本? こんなの持ってたっけ?」
日焼けして、ボロボロになった和装本だった。
その本の表紙には『呪殺』と書いてあった。
これにて第一章完結です。ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。
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第二章は構想がまとまり次第投稿を開始します。




