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私の家族を紹介します

誤字、脱字ありましたら、こっそりお願いします。


「花、おはよ~!」



そんなことを言いながら私の布団に潜り込んできたのは、兄の蓮見 大和だ。

余談だが、私はめっぽう朝が弱い。

どれくらい弱いのかというと、毎日、大和が起こしてくれないと遅刻確定するくらいには弱かったりする。



「ねぇ、花。早く起きてよ。

花が起きてこないとつまらないよ……」


「ん~」



そんなこと言われたって眠いものは眠いのだ。

春眠なんとかっていうだろ。



「起きないとちゅーするよ」


「ん、わか…た」



スイス人の母の影響もあって、我が家ではちゅーは挨拶だ。

恐れることは何もない。

………おい、コラ、兄よ。ちゅーじゃなかったのか。

妹のパジャマを勝手に剥かないでください。

さすがに抵抗するが、まだ眠い頭ではろくに力も入らない。



「ん~……」


やめろ~、寒いだろ……。

そして、されるがままに再びの睡魔と兄に襲われていた私に救いの神がやって来た。



「……おい、コラ、大和。それはやり過ぎだ」



低音イケメンボイスと共に布団を剥ぎ取られ、大和もベッドからおろされる。

いきなりぬくい体温が離れたことと春先の少し冷たい空気が一気に流れ込んできて体が震える。

訂正、救いの神ではなく、私の愛しの毛布を剥ぎ取る悪魔だ。



「…や、寒い~」


「景人、てめー!何しやがる!

花が寒がってるだろ!布団返してやれよ!!」


「そっちかよ!大和は花を起こしにきたんじゃなかったのか。

……花も、さすがにもう起きないと遅刻しちゃうよ。入学式から遅刻はしたくないでしょ」


「ん、それ…は、まず…。いま…おきる」



耳元での低音イケメンボイス、ごちそうさまです。じゃなかった。そうだった、今日は高校の入学式だ。さすがに入学式から遅刻はまずい。

布団の誘惑を懸命に振りほどき起き上がる。



「……ん、おはよ。大和、支度するから出てって~」


「はぁ~~、花は寝起きでも可愛いなぁ。おはよう、花!

まさに地上に舞い降りた天使!俺のディアレスト!!

今日から高校生だけど、彼氏なんてまだ早いからな!」


「……ふふ、大和、お兄ちゃんなのにお父さんみたい」



ようやく覚醒してきた頭で大和と朝のハグをする。これも蓮見家の日課のひとつ。

ちなみに、今までのやりとりからわかる通り兄は重度のシスコンだったりする。

そして、そんなことを言いつつ私も優しくてかっこいい大和のことが大好きだったりするのだ。両思いなのだー、んふふ。



「けいちゃんもぎゅ~?」


「はいはい、ぎゅ~」



10年前のあの日、お隣に引っ越してきたけいちゃんこと佐山景人は、初対面で名前を叫んでぶっ倒れた私とも良好な関係を築いていた。……第一印象、最悪だったと思うんだけどなぁ。

しかも、ゲームの主人公である兄は分かるのだが、妹である私にも甘い。それはもう、甘々の溺愛レベルだ。

割とずれたところがある私たち兄妹の面倒を、いつもみてくれるのは他ならぬけいちゃんだ。

私の中ではすでに、頼れる兄のポジションを陣取っている。家族でファミリーなのだ。

だから、ついハグやちゅーをしちゃうわけですよ。恐ろしいよね。5歳でOLだった前世の記憶を思い出したのに、恥ずかしいとか全然なくて今の家族の習慣が染み付いちゃっているんだもん。


あの日 、恋愛せずに真っ当な人生を歩むと誓ったけど、家族だったらそんなこと関係ないよね。

ご都合主義?なんとでも言っておくれ。だって、けいちゃんはとってもいい匂いがするのだ。くんくん、イケメンのいい匂い癒されるわ~。

お兄ちゃんとけいちゃんと朝の挨拶をしたところで、階下からお母さんの声が響いた。



「花~、早くしないと遅刻しちゃうわよ~!お兄ちゃんも、早くご飯食べちゃって~!

あと、景人くん、コーヒー入れたから待っている間飲んでいかない?」


「「はぁーい!」」

「ありがとうございます。いただきます」



お母さんの声にお兄ちゃんとけいちゃんは1階に下りていき、私も急いで制服に着替える。

ゲームの期間は兄が高校2年生の間の一年間だった。

腐のつく友だちから、かる~く聞いただけで半分ちかく、いや、ほぼ全部聞き流していたから実はどんな設定だったかもあやふやなんだけど……BLっていうくらいだから、みんな男の人が好きなんだよね?ていうか、大和狙いなのかなぁ?

でも、主人公の妹なんてポジション、何が起こるか分からないからね!

明るい人生設計のためにも、高校生活、心してかからねば!


家族と言いつつ兄と幼馴染しか出てこない不思議。


花はたまに魔王風な話し方をします。ふははははー。

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