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本完霊師  作者: 鵜梶
第2章【天邪鬼な少年】
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6ページ目

交通事故が眼の前で起きた。


何故、どうしてと聞かれたら、恐らく偶々偶然だと思われる。

それを俺は目撃してしまったわけで、俺は・・・





「見たの?」


「・・・ぅ、あぁ、」




俺は見てしまったんだ。




「ワタシが見えるんでしょ?」


「ちが」



呼吸が定まらない中、俺は目の前のそいつを見入る。



「うぅん、ワタシが見えてるのは皆同じ。だけど貴方はワタシのコレを見ているんでしょう?」


「あぁ・・・ああああああああああぁぁあああ!!!!!!!!!!!」



俺は人混みを掻き分ける。


周りが俺を怪訝な目で見ている。



「馬鹿だな・・・あ、そうだ。丁度新しい身体を探してたんだった。」



周りは何故平然としていられるのだろうか。



「はぁっ!はぁっ!」



周りの人物達は何故───────







「あはっ♪」






(ちょっと君、食べさせてね。)







俺が溶けていく音がした。


溶けていく。


溶けて溶け・・・て










ドサッと、人が倒れる。

歩いていた人々が次々に止まったり、倒れた人物に話し掛けている。



その近くに棒立ちする1人の男がいた。







「ぁ・・・あー。」



不謹慎な事に、棒立ちしている男は足元に倒れている人物には目もくれず、目の前の一点を見つめていた。






「ぁー、あぁー・・・まぁ、こんなところか。」




周りは倒れた人物に目が行っており、誰もその男に対して話し掛けるものはいなかった。



男はその観衆の群れから離脱し、歩き出す。





「喰いかけだから、死にゃーしないぜ♪・・・多分な。」






誰も気付かない。


誰しも気付かない。





倒れた人物と同じく、男の額から上の頭部だけが








消失していることに。






「“黄色い目,,かぁー・・・見つかったら、ワタシがぜーんぶ喰べちゃおうかなぁー♪」





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