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本完霊師  作者: 鵜梶
第3章【悲惨な過去と少年】
13/15

12ページ

昔のお屋敷の様な内装の廊下をアカザ達の後ろを歩きながら見渡していると、まるで一昔前にタイムスリップした感覚になる。

ある意味古風でとても落ち着く様な昔の家と受け取ることも出来るが、壁にチラホラと入って来る何かの“お札,,の様な物が優斗の目には映っていた。生々しい屋敷の内部に誰しもが普通にしているのだから、一瞬この札が見えていないのではないかと疑問に思う。


すると前を歩いていたローブを羽織っている一人が札が少し剥がれているのを見付け、貼り直しているのを目撃した。

大方今ここにいるメンバー全員札が見えているのだろう。もしかしたら普通の人にも見えるのかもしれないが、普通の人がこの光景を見たらホラーだ。


優斗自身も呪われた家を題材にしたホラー映画を思い出す。⚫︎怨の廊下だ、そのうち黒猫が襲ってきて子供に吠えられ、女の人に髪の毛で首絞めロックを食らわせられる。


映画の一場面を思い出し、優斗は冷や汗をかく。



「緊張してる?僕等がいるから安心して大丈夫だよ、何かあっても傷付けるような事はしないと思う。」


「・・・俺に何があるっていうんだよ」


「だから君の目だって。」



優斗の目。


他の者とは確かに目の色素は違うがし、何かしら見えているらしいが何が違うのだろうか。未だに彼等が言っている『特殊や特別』が理解出来ていない。


今までも色々な人に目の色でからかわれた事は数え切れない程あった。しかし、其れ等は必ずと言える程興味や、不気味さによってだった。気持ち悪いだの、目に黄身が入ってるだの、化け物だの色々言われてきたが、特殊と言うのは初めての事だった。



「特殊とか、特別とか僕等は言ってるけど、稀にこんなケースがあるのかもしれない。」


「こんなケース?あんたらの髪の色が他と違く見える事がか?」


「正確には“僕等の本来の色,,は、魔術師や祓魔師、魔導師、そして本完霊師・・・そういった何かに属さない限り見えない様になっているんだ。霊感があるからといって見えるものじゃない。」



今彼から他にもそういった類の人達がいると軽く知らされるが、そこは今はどうでもいい。

にしても、かなり奥まで進んだが未だに脚を止める気配が見受けられない。徐々に奥の方は外からの光が入らないのか暗くなっており、心なしか寒気を感じる。




「言ってる意味わかんないんだけど・・・」


「すぐに分かるよ。もうすぐ着くから」



ピタリ。




その言葉を気に、皆が一斉に脚を止めた。



優斗もつられて脚を止めると、目の前に威圧感を漂わせる壁が姿を現わす。今の今まで気付きもしなかった。下から上までじっくり見て行くと、壁には般若はんにゃの様な模様が辺り一面に広がっており、妖しげに上部は暗くなっている。


いかにも妖しい壁。



「失礼します!総帥そうすい。先程ご連絡し、命令に従い、副班長 十綱 藜を連れて参りました。尚、十綱副班長が述べていた『黄色い瞳の少年』も同行しております!」



ローブを着た人物達の1人が壁に向かって声を張り上げ、話し始めた。もしかしたらこの壁と思っている場所は扉なのだろうか?

優斗が不思議そうに壁を凝視していると、壁が徐々に動き出した。模様が変形して行き、大きな1つの般若はんにゃが出来上がる。



「おぉ・・・」



余りにもの大きさに驚いていた、その時







「コーヒー牛乳まだかゴラァァァアアアア!!!!」





甲高いドスの効いた声が響いた。



なんだ今の声は?



コーヒー牛乳?



「スケ松ぅ!!カク谷ぃ!!テメェ等いい加減に帰って来いや!!何時まで私の魂飲料ソウルウォーターを待たなきゃいけないんだよっ!!!!仕事やらねぇーぞぉ!いいのかえぇえ!!!!!???」



壁の描かれていた般若はんにゃが立体になり、雄叫びを挙げている。予想外にも壁が喋り出し、しかもコーヒー牛乳はまだか、仕事しないと何故か脅している。


と言うかもしかして・・・



「総帥っ!落ち着いてください!スケ松様とカク谷様は現在他の部署の偵察を」


「おんどりゃぁあ!そこのわっぱ!!そんな事はどうでもいいんだよ!!!!コーヒー牛乳買って来いや!1秒で!!!!」


「1秒!?そんな無茶なっ!」



どうやらこの“壁,,が総帥と言うらしい。


総帥と言うくらいだ、仕事で言う所の社長クラスと言うのだろうか?



「間違えてもカフェオレとか買ってくんじゃねぇーぞ!!!??買って来たらお前の給料半額だぁあ!!」


「そんなぁ!??」



これは酷い。

どうやらこの企業はブラック企業らしい。


優斗は壁に対し、こんな上司は絶対に欲しくないと心から願った。今でも仕事場にはオネエな上司や、下ネタしか喋らないおじさん達、常にポケットにお菓子が入ってて事ある毎に「お菓子あるよ?食べる?」と同じ様な飴玉をいくつも渡して来るおばさん達がいるのだ。

もしこんな上司が職場にいたら、自然に仕事を優斗は辞めるだろう。



「ちっ!・・・まぁいい。報告しろ」


「は・・・はい!」



どうやら本題に入ったようだ。



「現在、魔夢バクに関しての事件が平均1日当たり十数件、今日だけで十五件は発生。死者は一名出ております。尚、先程通信報告の際に申しました通り、今回の原因と思いし人物を保護。連れて参りました。」


「何故原因とわかったのだ?早とちりではないのか?」


「総帥、其処からは僕がお話し致します。」



アカザが会話に割って入る。



「今回、彼はレベル5以上と思われる魔夢バクに狙われておりました。しかし、僕は以前にも魔夢バクで彼を助けた事があるのです。そしてその際に記憶が消えていなく、僕は彼に記憶消去を2度程行いました。」


「そなたにしては珍しい事があるのだな・・・記憶消去など、初歩的な初歩な筈だというのに。ミスをするとは」


「総帥。違います。僕は確実に彼に記憶消去を行っているのです。行った上で消えていないのです。」



空気が変わった。


張り詰めた様な空気に変わる。



「・・どういうことだ。」


「今朝方彼にも協力して貰い、我が肉親のツルボにも見届けてもらいました。が、やはり消えませんでした。」


「・・・続けよ。」



一瞬だが、般若はんにゃの顔が険しくなる。



「本来、記憶消去メモリーデリートは魔書の初歩の初歩で学びます。それはつまり見習いの身でも出来るからという物。しかし、彼にはそういった類が効かない可能性があります。」



するとローブを着た人の1人が質問をして来た。



「他というと、試したという事か?」


「いえ、試す事はしませんでした。本来これらの類は人には向けてはいけません。可能性があると、僕の推測ですが思ったのです。・・・総帥、以前にもこの様な事例はお有りでしょうか?」


「事例はいくつかあるが、その事例は全て皆が『何かしらの見習い』『何かしらに属している』もの達だった。」


「それはつまり、記憶消去は行われないもの達であった事は確かなのですね。」


「うむ。」



記憶消去が行われないもの達。

トドのつまり、アカザ達みたいに何かしらの属しているもの達の事を言うのだろう。祓魔師や、魔術師、本完霊師など・・・普通の仕事とは違って、かなり裏がありそうな所であるのは確かだ。

優斗は何も言わずに聴き続けた。





「ならば彼は何処にも入らないでしょう。何故ならば、彼は何処にも属していない、一般人なのですから。」


「何・・・?」



雲行きが怪しくなって来た。


明らかに相手の顔色が(壁だけど)悪くなっているのが分かる。



「僕自身、彼の存在は以前より知っていました。が、私は彼と接触は愚か、話しかけることすらありませんでした。理由は簡単明瞭かんたんめいりょで、学年が違い、目立つ人物ではなかったから。」


「そなたの言い分では、気になっていたがワザと知らないフリをしていたと言う風にも聴こえるが・・」


「そこは弁解しません。僕は彼の事を気に掛けていましたが、その時の僕は彼の事は余り眼中には無く、どちらかと言うと気になっていたが理由としては、学校にどうやって来させようかと悩んでいたことくらいです。」


「それ以外はない・・・と?」


「もう一つあります。ですが、コレは昨日の夜。彼が魔夢バクに偶々襲われている所に出会して、思い出したのです。」



アカザは優斗の方に視線をやり、優斗の長い前髪越しに優斗の目を覗き込む。

それは一瞬の出来事だったのにも関わらず、優斗は悪寒を感じ、身体を縮こまらせる。



「彼は約1年前、彼が入学して来たその日の学校集会の際に、彼は僕が前で演説を行っている時、僕の演説で悲鳴をあげたのです。無論、僕が酷言い回しをしたのではなく、彼は僕の髪と目を見て悲鳴をあげたと思われます。彼にその事を聞いても応えてはくれませんが、事実だと思われます。」


「そこの少年、何故そなたはアカザを見て驚いたのだ?普通に染めてるだけだとは思わなかったのか?」


「はぅえ!?」



いきなり優斗の方に話題を振られ、声が裏返る。慌てながらも返答をしようとすると、ゆっくりでいいから話すが良いと前置きを言われた。



「・・・明からさまにアカザ先輩だけだったから、です。初めは染めたとか、カラコン入れてると思ったけど・・・周りはそんな青とか原色に近い様な色は染めてなかったし。」



優斗は言葉を少し置き、ぽつぽつと呟くように話した。



「変な生徒会書記の人とか、作り笑顔とか作る人・・・とか、色々面倒な人だなとは思ってました。」



正直に応えると、壁は少し間を置いてから盛大に笑い出した。



「そなたまるでブスみたいな事を言う!ま、確かにアカザは色々と面倒な事も引き受けるタチの悪いお節介者だからな!無駄に笑顔を振りまいている結果がそれか!!」



(ブスとは失礼な言い方だな。)



「いやしかし、そなたは私が見る限りでも、異質物と言うのは間違いないだろう。君は前髪を随分伸ばしているようだけど、それでは逆に目立っていたのではないか?」



何も言い返せなかった。

確かに壁の般若はんにゃが言っている通り、何度も前髪で馬鹿にされたりイジメを受けそうになった事はある。が、イジメにならなかったのは恐らく優斗のクラスの担任がイジメっ子な奴等に“脅しをした,,から。




『このクラスでイジメを行った奴は、死んだ後も後悔させる程酷い事してやるから。社会に出れなくなるまで追い詰めるつもりだからな。お前達、俺様のルールはキッチリ守れよ?・・・守んない奴も、俺様はお前等に何すっかわかんねーと思え。以上だ。散れ!』




教師とは思えない一言だった。


元々担任の真琴マコト先生は噂が耐えない教師だった。だからなのか、その日以来優斗を馬鹿にする奴は数人居たが、イジメという所までは発展はせずに済んだ。

今までも何度かマコト先生には助けられて来たが、理由は恐らく面倒事を増やしたくはないからであろう。



「イジメなんて気にしてないです・・・別に、気にした所で俺は何も感じないので。」


「何も感じない?そなたは心を無にしているのか?それとも、イジメて来る餓鬼共を見下して馬鹿にしているのか?それとも自分がイジメられても平気なのかい?」


「何も感じないんです。」



実際、優斗はイジメられっ子として何度か酷い目にあった事はあるのだが、別にこれと言って心が痛む事はなかった。


理由は己でもよくは分からない。



「・・・さよう。」



すると、壁は何故か深く考える様な素振りを見せ、黙り込んでしまった。




アカザが優斗に話し掛ける。



「優斗君。君本当に自分に無関心なのか、それとも、自分の事をただただ下に見過ぎているのか。どっちなんだい?」


「何言い出すんですか。いきなり・・・」


「朝君を見る限り思ってたんだけど、君は何処と無く自分自身に無関心なんじゃないかって。人と関わりたく無い、だから成績も下の下にして目立とうとしないんじゃないかって。」


「成績は関係ないだろ。」



昔から勉強は嫌いだった。

本当なら高校なんて行く予定など無かったのだ。しかし、あの時・・・



優斗は唇を噛み締める。

思い出したくないモノを思い出す所だった。





「報告を続けます。」



アカザは再び報告を続ける。



「彼は僕等の義眼と同じ、魔の色が見えているのは明白。」


「“魔色,,って・・・先輩の髪の色の事?」



アカザは頷く。



「さっき車の中でその事に軽く触れたけど、実は僕等の義眼や眼の色が見えるって事は、とても重要なんだよ。」



今の今まで黙り込んでいたツルボは、優斗の隣へと立ち見上げる様に話しかけて来た。



「どうやら私の目の包帯も見えているようだし、君はある意味で見え過ぎているのかもしれないな。普通なら私の包帯は見えていないだけではなく、まぼろしとして違う目が見えるようになっているんだ。」


「幻で・・・目を?」


「あぁ、それ程私達が所持している『魔色』は普通の人間には見られてはいけないのだよ。」



(厨二病を拗らせた様な単語が沢山出てくる、湧いてくる!)



聞いてて身体がむず痒いが、彼等の眼を見る限り嘘は付いていない事ぐらいわかる。真剣に優斗に説明してくれているのも、わかっているつもりだ。


が、それ程までしてまで、見えなくする理由があるのだろうが、優斗には理解は出来なかった。



「“魔色ましょく,,と言うのは、その名の通り魔を基準として構成され、具現がされた色素のこと。その色彩は様々であるが、必ずと言っていい程黒以外の色彩に染まる。」



ツルボは恐らく丁寧に説明をしてくれているのだろうが、今の説明ではある欠点があるという事に優斗でも気が付いた。



「普通に髪を染めた人間、カラーコンタクトとやらを付けた人間と見分けがつかないのでは?と、思うだろけど、実質そうもいかない。魔色はその色を基調に、魔が私達を発見し易いようにするものなんだ。」



続けてアカザが優斗に説明をする。


「僕等の敵は『魔夢バク』とは言ってたけど、事実はそれだけじゃないから、僕等の髪や、眼の色でお互いの場所を判断しあってるんだ。」


「それじゃ、あんたらは襲われる為にそんな色にしてるのか?」



アカザは横に首を振る。



「僕等が普段、普通の人に髪や目を見えない様にしているのは、社会に溶け込んでても批判を持たれない為。そして周りが魔夢バクに出会してしまう可能性を軽減する為なんだ。

僕等が髪や目を魔色にする理由は、彼等に触れても、観えても、魔に落ちない為なんだよ。

けど、だからと言って、敵にバレたから命が狙われると言うのも、また違うんだ。」


「違うって・・・」


「彼等は僕等から逃げながら行動をし、人間を捕食。そういったサイクルをしている。君も彼等に二度出会しているけど、必ず僕が後から来ただろ?それは彼等は僕等から逃げているからだ。僕等は魔夢バクを退治する者だからね。」



ツルボはまとめる様に指を折りながら説明して行く。


「つまり・・・

一つ、普通の人に見られちゃいけない理由は、被害者軽減と、私達と関わって魔に当てられない為。魔の者に接触をすれば、魔に好かれ、魔が惹かれるからな。


二つ、それにもし、同業者に街中で出会った場合でも会釈程度で済む。

・・・無駄な争いが無くなる様にもなっている。


三つ、私達が髪など魔色にしている理由は、魔に落ちない為。魔に触れれば触れる程魔に落ちやすく、落ちれば他の同業者に迷惑が掛かる。

しかし、魔色にはそれ等を相殺する効果がある。

よって、私達は髪などを魔色に染める。」



「・・・魔色ってを聞いただけで、こんなに疲れるなんて思っても見なかった。」


「ははっ、だろうね。」



ふと、優斗は疑問を提示した。




「・・・なぁ、俺の眼って、魔色って事か?」




何気ない疑問だった。






「そなたは違うな、恐らく。」



今まで黙っていた壁の般若はんにゃが喋り出した。



何故だろうか、


先程よりも険しい表情な気がした。



いや、アカザ達も何処か・・・



「そなたの眼・・・今の今までどうやって隠していたのかは想像するのは容易い。カラーコンタクトと言うのが一般で復旧している今となっては、そなたは我々から気付かれずに来れたのだろう。」



般若はんにゃは言葉を続ける。



「しかし、それが災いを招いた様だ。」



一斉にローブを羽織った人々が、優斗を取り囲む。



「!?」





「そなたのこれまでの経歴を調べさせて貰う。出生から現在に至るまで、そなたのありとあらゆる過去を調査させて貰おう。安全か分かり次第、解放しよう。」


「は!?」


「経歴で分かるものではないが、今までその眼をひた隠しして来た己を悔やむ事だな。」


「ちょっ!?待てって!俺はお前達に関わるつもりなんて・・・」


「もう遅い」



背筋が凍った。



優斗は大方彼等が言っていた、事の重大さは分かったつもりだ。


しかし、この事は他言無用にすればいいだけの話と思い込んでいた優斗は、いきなりのプライバシーの流失に動揺を隠せない。




「アカザが申していた事が確かなら、そなたは記憶消去が効かないと見た。つまり我々の『魔に落ちない魔導書の類が効かない』という事がどういう事か・・・考えてみたまえ、少年。」



優斗自身、何処かで感ずいていたのかも知れない。




しかし、それは最悪の───────





「我々が此処まで機密情報を漏洩ろうえいして置いて、君をやすやす返すとでも思っていたのか?アカザも恐らく、君をただ説明の為連れてきたのではないと思うが?」


「どういう事だよ!アカザ先輩!」


「・・・君は聞いていた筈だよ。」




アカザは何食わぬ顔で優斗に言う。




「君は僕等・・・本完霊師だけじゃない。魔夢バクとしても、



脅威になるって。」



そこで優斗は気が付いた。


彼等が優斗を特殊と言うのは、



この目が・・・




「車の中でも言った筈だよ。

君が脅威になりうる可能性もある、人殺しにもなり得る可能性もあるとも。」







両方の敵になる可能性を秘めている事に。





壁の般若はんにゃは強面の顔に影を付け、言葉を発した。





「そんな人物を、我々は野放しに出来ない。」




続けてこうも言い放つ。





「本完霊師を名乗る者達に告ぐ。彼を保護対象から、調査保護対象に変更。これから約数時間、我々から逃れる事は皆無であろう。」



「指令を実行せよ、抵抗するならば牢に監禁して構わん。」






それは最悪の事態だった。





「ごめんね優斗君。明日の朝には帰れると思うよ?・・・それに、明日は学校が休みの日だし、丁度良いじゃないか。」



(普通に当たり前みたいな顔で何を言っているんだこの先輩は!?)



「待って!俺は何もしてな・・・っくないけど!

けど待ってくれ!本当に俺は関わりたくないんだよ!!!面倒くさいし!!!せめて俺の話を───」


「後で聞く。その前に私達に従ってもらおうか。」



ローブの人々にジリジリと距離を詰められる。



「なら家に─────」



「家の人には電話はしておいたよ。」





アカザの手回しの早さに、優斗は思わず言葉を失った。




「これで心置きなく、君を調べられるね。」


「アカザ、言い方が変質者っぽいから、それ以上は喋るな」











こうして優斗は、危険人物扱いとして




保護=拘束されたのだった。












「なんで・・・面倒な方向性に」




優斗は胸を酷く締め付けられる気持ちになった。









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