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本完霊師  作者: 鵜梶
第1章【面倒くさがりな少年】
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本の表紙

目の前が青い。


全てが青い。



「主は何故、そんなにもあの者を敬愛するのだ?」


「そうだね、何故だろうね」



私は一言師匠に告げる。



「ならば問いを変えよう。何故主はそんなにもあの者を愛せるのだ?」


「さぁ、私にもわからないよ。そんな心理」


「わからないのに好きであり続ける事が出来る・・・我々は何かを敬愛したり、執着する事はない。だからそなた達のその心理に興味がある。」


「そうだろうね。僕にここまで手厚く世話をしてくれたんだ、君の考えそうな事は直ぐにわかったよ。」



アレから1000年以上。


私はここで1つの答えを見つけた。



「主、本当に行ってしまうのかえ?」


「あぁ、世話になっておきながら身勝手で申し訳ない。」


「・・・愛する者に殺されるかもしれんぞ。」


「ははっ、そう簡単に死なないよ。私は君に異形の力を受け継いだ身だ。何度殺されようとも、何度でも生き返る。」


「転生の能力は無限では無い。知っておろうが、転生にもリスクを伴う。」



わかっているさ。


師匠、君には世話になって来た。

だから僕は言おう。




「私は何度も彼女に殺されて来たけど、その度に思う事があるんだ。」


「・・・聞こう。」


「やはり私はリスクを負いながらも、彼女を私の手で救いたいのだと。」


「他愛ごとを・・・主は恐らく次の転生では能力をほぼ失うだろう。それでも尚、此処を離れようと、そなたの思い人を救いに行くというのか?」


「何を失っても構わないさ。」




私は決めた。


どんなに犠牲が出ようとも。





「私は、私を殺してでも彼女を救うさ。」


「・・・主の決意は固い。」





そう、決意は人一倍だ。





「師匠、人間の言葉にはこんな言葉があるんだ。」


「ことわざという奴か?」


「そんな物だね。」






師匠の刃が、私を貫いた。




私の血が、体液が、全てが流れる。







「人は、恋をすると、病むように壊れる。」











私はそこで死んだ。


何時もとは違う。




本当に眠りに落ちた様に、死んでしまった。







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