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ゴーストタウン  作者: さっちゃん
8/9

第8話。クリスマスの夜

今日はクリスマスだ。

これじゃあ、聖夜じゃなくて邪夜だ、悪夢だ。

奥に和室が1つある。ガラス戸を開け、障子を開ける。

ここにいても玄関のドア越しにはあいつがいるし…。

奥の部屋で時間稼ぎしようと思った。

息を潜めていれば、状況も変わり奴も諦めるかもしれない。

ガラス戸を閉め、障子を閉める。

これで少しはゾンビとの距離が離れたことになる。

でもこれでは心もとない。

それでもないよりかはマシ、か。電気も点かないのでロウソクに火を灯した。


『メリークリスマス。』

 

なんて寂しいクリスマスだ。最近、クリスマスというとロクなことがない。 


ラジオが置いてある。電池はまだある。予備もこの引き出しに入っている。

心臓の鼓動が高鳴る。僕は緊張していた。

これから、どうしようか?

僕のとるべき最善の方法はなんだろう?

ゾンビがいつドアを突き破って入ってくるか分かったものではない。

すぐに入ってこれないように簡単なバリケードを作った。

和室にある机をガラス戸の前まで運び、横に倒して置いた。障子はすぐに開かないようにつっかえ棒でおさえた。


武器になるものを探すため部屋を見渡した。

ゲームソフト、美少女フィギュア、そんなのばっかりだ。巨乳のフィギュアが多いのはそっとしておいてくれ、僕の趣味だ(苦笑)


おや、これは。中指を立てて挑発している絵。

なつかしいな、これは僕が昔、描いた絵だ。

会社の理不尽さに腹が立ってこの絵を描いたのだった。

作品名は『反逆者』。子どもが描いたようなレベルの低い絵だが、お気に入りだった。

何か自分の魂を鼓舞するようなそんな気持ちになった。


中学生の頃ぐらいからだろうか?僕は世の中を斜めに構えて見るようになった。

無邪気だった小学生の僕は、その時からいなくなっていた。

僕は大きな力に逆らう信念のようなものをいつも持つことで自我を保っていた。

それさえも捨ててしまったら、もう崩れ落ちてしまう、そう思った。

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