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第5話 やっぱり逃げる!
ガァァーァアー!
ゾンビが後ろに吹っ飛び倒れた。
『やったぞ!うまくいった!ざまぁみろ!
どうだ!空手有段者の技の威力、思い知ったか!』
更なる攻撃を加えようと思ったが、僕はこの隙に再び逃げることにした。
『よし、ゾンビが倒れているうちに!』
倒れているゾンビの横を走り抜け、後ろをチラッと確認する。
すると、ゾンビはもう起き上がっていて、僕を全速力で追いかけてきている。
『ひ、ひえぇぇー』
ゾンビはまったくダメージを受けていないようだった。
このまま走り続けるのも体力の限界だと思った。
とりあえず、自分の家に逃げ込もう!と思った。
そこに籠城して時間稼ぎをして救助を待とう!
それにしても他のみんなは何処へ行ってしまったんだろ?
街は静まり返っていて人の気配がしない。
街灯がチカチカ、不気味な蠢動のように点滅を繰り返している。
家の方角を目指し、走り続ける。
ゾンビは僕のすぐ背後にいる。
ギリッギリッギシ。
奴の歯軋りの音が聞こえる。
奴はあの強靭な顎と歯で僕に喰らいつこうとしているのだ。
『ウワァァァー』
最後の力を振りしぼり、走る、走る、走る!