第1話 ホラーの始まり!
陽がほとんど沈みかけているころ、僕は地元の街を走っていた。
『奴らの食料』にされるのはごめんだ。
『奴ら』とは、ひと言で言えばゾンビと呼べばいいんだろうか?
突如として奴らは現れた。
いつ現れたのかは分からないが、僕が異変に気づいたのは、バイトを終え、電車に乗った時だ。
電車の中はいつになく静まりかえっていて何やら不吉な予感がしたのだ。そして、胸騒ぎは的中した。
ドーン!!とすごい音がしたので僕は車内の座席から音のする方に眼を向けてみたのだ。
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すると別の車両から物凄い勢いで得体の知れない何かが、こっちに向かって走ってくるのだった、全速力で!
さっきの音は車両と車両の連結部分にある扉が吹き飛んだ音だったのだ。
『奴は』もう隣の車両まで迫ってきている。
『な、なんだよ、あいつは?!』
よく見てみると、ホラー映画で見たことのある造形をしていた。
あれ、ゾンビだよな?
ガァァァァー!
うめき声を上げながら僕目がけて突進してくる。
なんかヤバいぞ、これは!僕は座席から立ち上がり、隣の車両へ、隣の車両へと逃げたが、すぐに車両はいちばん後ろの車両、つまり行き止まりになってしまった!