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委員長様はシリーズ

委員長、いや、委員長様は約束します。

作者: ニコラス

お友達からリクエストを頂きましたので、

書いてみました!前作のおまけみたいな感じです

今まで俺は誰かに本気になった事なんて

なかった。

告白されれば、とくに断る理由も見つからなかったから付き合って、そして別れる。

そんなことをずっと繰り返してきた。

何度繰り返しても、俺が本気で好きだと思えた事は

なかったし、これからもずっと同じなんだとおもっていた



そんなときだった、彼女に出会ったのは




あの日の昼休み、いつもと同じように小学校からの友人である佐藤と昼食をとっていた。

佐藤は、運動神経のいいやつで県内でも強豪校といわれるこの学校のサッカー部に所属している。

性格は明るくて単純。


佐藤は脳筋なんだよなぁ……


今はパンを口いっぱいに詰め込んで今日の小テストについて話しているようなんだけど……


「ひょふのへふとほふへんふひふん……もぐもぐ」


な、何言ってるんだか全くわからない……


「ちゃんと飲み込んでからにしろよ……」


ごくんっ!


「今日のテスト突然すぎんだよな~!!ワケわからなかったーー!!!」


「いやいや、1週間前から告知されて……」




ガラッ



教室の扉が開く音に、俺はふっとそちらを見て…


「すまない、川崎はいるか?」





時が止まったようだった。





あの時の俺はきっと口を開け、そうとうまぬけな顔をしていただろう自覚がある。

それくらいの衝撃だった。


華奢な体にスラッと伸びた手足、漆黒の髪は綺麗に

みつあみに編まれていて、メガネの奧にある

瞳はキラキラと輝いて見えた。



「おーい?相互?どうした?」

佐藤が何か言ってるがその時の俺には全く頭に入ってきていなかった。


そして、彼女はうちのクラスの学級委員である

川崎を見つけると、その瞳をすっと細めて彼の方へ

歩いていく。



「た、鷹野さん!?な、何か用かな?」


「川崎君、クラスのアンケートの提出日……何時だったか覚えてるか?」


そう言うと彼女はゆっくりと首をかしげた。

彼女の頭の動きに合わせてみつあみが揺れる


「ひぃ!!昨日です!!」


「今回、それを集計するのは?」


「鷹野さんです!!!!」


「そう、私なんだ。しかし困ったことに一クラス分集まっていない。そしてそのクラスはどうやら

ここらしいんだよ……困ったなぁ?川崎君。」


羨ましい…………

自分もあんな風に彼女に見つめられたい。そんな風に思っている自分に驚いた。

だけど、あんな素敵な彼女にじっと見つめられて

いるのに川崎君は真っ青な顔でプルプルと震えている。さっきから言葉もでないようで、あぁっとか

うぅっとか意味のない音を発している


そんな川崎を見かねてか彼女がため息をはいて


「全員分集まっているのか?」


彼女の問いかけに川崎はびくっとすると、


「すいません!!!まだ、全員分集まってないです!!!」



「放課後までに持ってこい。いいな?」


「ひゃい!!」


彼女は颯爽と教室を出ていった。

さっきから胸が高鳴っておちつかない、あの声で自分の名前を呼んで欲しい、さっきは一切向けられることの無かった視線を俺にも向けて欲しい!

そう強く思った。

こんな気持ちは、初めてだった……。


「おい!!!相互!!聞いてんのかよー!!」


はっ!

我に返ると佐藤が俺をずっと呼んでいた事に気がついた。


「どうしたんだよ?ボーとして。悪い物でも食ったのか??」


「…………なぁ、さっき入ってきた子が

誰だか知ってるか?」


「あ?さっきっていうと、1組の委員長様のことか?」


は?なんで様付け?というか、知ってるのか?

そんな疑問が顔に出ていたのか

佐藤は呆れたような顔で彼女の事を話した。


「知らないのかよ!結構有名なんだけどなぁー?

名前は鷹野透子。俺、1年の時鷹野と同じクラスでさ、そのときも委員長やってた。」


「鷹野透子ちゃん………」


「確か、2年になった今も隣の1組で委員長やっててた筈だ。鷹野って、おさげにメガネだろ?初めは皆、大人しい子なのかななんて思ってたんだけど、騒いだり提出物忘れる奴がいると

さっきの川崎みたいに凍てつくような視線に晒されんだよ!も~それがスッゲー怖ぇーの!!

それでついたあだ名が委員長様って訳だ。

それにしても川崎は気の毒だったなー!」


川崎は必死の形相で皆にアンケートを提出する

ように呼び掛けている。

皆も同情して時折、元気だせよ!とか放課後までに

持っていけば多分許してくれるよ!などと励ましながら手伝っていた。


「鷹野さん……」


「お、おい。おまえ本当に大丈夫か?」


「佐藤……俺、鷹野さんに一目惚れしたかもしれない」


「はぁ!!??」


何で今のを見てそうなるんだ!!!

まだ、間に合う考え直すんだ相互!早まるな!

イケメンのお前なら次の彼女も絶対見つかるって!


そんなことを佐藤が言ってるが考え直すもなにも

一目惚れなんだからしょうがない。

彼女だって、今の俺には鷹野さんしか見えない。




早くこの気持ちを伝えたい、伝えなくては彼女が

他の奴のものになってしまうかもしれない。

そんな感情に突き動かされた俺は佐藤の制止を

振り切って、教室に彼女を呼び出した。

放課後川崎から受け取ったアンケートを教室で集計して待っていた彼女に告白した。

俺の突然の告白にとても驚いていたようだったけど、最後には笑顔で了承してくれた。


それからは夢のような毎日だった。

どんどん彼女、透子ちゃんの事を好きになっていく

一緒に帰ったり、手を繋いだり

最初は恥ずかしがって赤くなりながらも

俺の我が儘を叶えてくれた。


でも

何時からだろう、透子ちゃんが時折戸惑ったような

表情を見せるようになったのは……

どうしたのか聞いても何でもないと言う、だけど

よく俺に何か言いたげな顔をしているのを

見るようになった。



付き合い出してから2ヶ月位たった頃だろうか

いつも真っ直ぐ相手の目を見て話す透子ちゃんには

珍しく、うつ向いて躊躇いがちに

「教室に残ってくれないか話がある」

と言ってきた。



心なしか透子ちゃんの顔色が悪い

恐らく最近の透子ちゃんの様子がおかしかった原因についてだろうと言うことは想像出来るが、

何を言われるのか心配になる。

わ、別れ話とかだったらどうしよう!!



「……な、なぁ倉島…もう、そろそろいいんじゃないか?お前は頑張ったよ、迫真の演技だった」


「えっ?演技って?」


透子ちゃんは困ったように目を泳がせた


「だから!………………っ付き合うとか、一目惚れとかだ……………。」


「…………………………え?」


最初は何を言ってるのか理解出来なかった。

でも、段々透子ちゃんの言った事が浸透していく

につれて沸き上がったのは激しい怒りと

演技って思われていたにも関わらず、やっぱり好きで絶対に手に入れるっていう強い執着だった。


あぁ、俺どんだけ透子ちゃん好きなんだよ…!



「ねぇ……透子ちゃん、俺がずっと演技してるように見えた?透子ちゃんのこと大好きだって言うときに、手を繋いでいるときに嘘ついてるように見えた?」


「く、倉島?」


戸惑う透子ちゃんを少し乱暴に引き寄せる。

透子ちゃんが逃げられないように、手近にあった

椅子を引き寄せ、座らせてから俺の手で囲んだ。


これでもう、逃げられないよ?


正面にある透子ちゃんの顔をじっと見つめていると

小さな声で


「見えなかったけど……だけど!突然告白されて

一目惚れだって言われたって、信じられないだろ!!…」


「……じゃあ、今は?…俺が本気にで透子ちゃんの事を好きだって言っても信じられない?」


「そんなことっ!!」


「でもさ、今更信じられないって言われても透子ちゃんを離してあげるなんて出来ないよ……!!!

一目惚れだけじゃない。この2ヶ月で透子ちゃんの事、もっともっと本気で好きになって!!」


信じられない って言われるのが怖くて思わず遮って

すがってしまう。


「おい!最後まで聞け!!!わ、私は……倉島の言ってる事が演技かもしれないなんて疑いながら、同時に………倉島の事……好きで、演技って言われるのが怖くて!!!」


透子ちゃんの肩が僅かに震えている。

目にはうっすらと涙の膜が張っていて……

それでも俺のことを真っ直ぐな強い視線で見つめる

透子ちゃんにこんな顔されたら、許さない訳には

いかないじゃないか



「は~……。透子ちゃんはずるいよ……」


「??」


「何でもないよ。………じゃあ、今度こそ、これで両想いってことでいいんだよね?」


「うっ!そ、そうだな……」


「……………。」


「………………。」


無言が続く。

2ヶ月付き合って、やっとのことで両想いになれた

訳だけど……今までの俺は何だったんだろうねー

はぁーー。透子ちゃんもさすがに悪かったと思っているのか、申し訳なさそうな顔をしていた。


…………ちょっと位許されるかな?


「透子ちゃん」


「っな、なんだ!?」


「お願いがあるんだけど……いい?」


「おぉ!なんだ!何でも言ってみろ。私に出来る事ならなんでもする!」


ふ~ん?なんでもねぇ?透子ちゃんは罪悪感で

言ってるんだろうけど、男にそれいっちゃダメだよ

……身をもって分かってもらうしか無いよね?


「じゃあ、目つぶって?」


「目か?わかった。」


無防備過ぎるよ


さっきまで透子ちゃんを囲っていた腕をはずして

代わりに両手を握る。

少しピクッとした反応があったが、それも一瞬の

事だった。


「動いちゃダメだよ」


「何をするんだ?」


「んー?秘密」


そう言うと透子ちゃんの右手の指先にそっと唇を寄せる。彼女が律儀に約束を守っているのを良いことに今度は首筋に強く口付ける。


「俺が本気だって印だから」


ちゅっ!

わざと音を立てて離れれば透子ちゃんの肩が

大きく揺れた。我慢しきれず開いた瞳に抗議の意味も込めて目尻にもキスをひとつ


まだ良いっていってないよ?まぁいいけど


「く、倉島ぁ!?」


「もう一個お願い。相互って呼んで?」


「名前か!?しかし急に変えるというのも恥ずか…


「透子ちゃん?お願い!」



「くっ!………………………相互……」


真っ赤になってポツリと言った。~っ!!可愛い!

堪らなくなって、透子ちゃんの華奢な身体を強く抱き締めた。

すると透子ちゃんが何かを決心したように深呼吸して、


「なぁ、相互…私はもう、お前を疑わない。

絶対だ、約束する。」


「透子ちゃん………!!うん、約束。」


そして、初めて透子ちゃんの唇に自分の唇を重ねた













終わりましたーO(≧∇≦)O


前作の「お怒りです」の方がランキングに乗せて

頂いたり、アクセスが恐ろしい事になっていて

びっくりしました!!

読んでくださった方はありがとうございました!


今回は相互視点と言うことで、透子ちゃんの描写には相互フィルターがかかった状態ですので、

事実とは異なる場合が有ります(笑)


ちなみに、このあと相互君はキスマークが

透子ちゃんにばれてしばらく口をきいてもらえません。

透子ちゃんは、怒るとちょっぴり?行動が大胆になります。

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