想い『風』
この町に引っ越してきてやっと3ヶ月。僕はいつも通り、高校に向かう。
ちょうど家と学校の中間あたりに大きな川を渡る橋を通る。そこでいつもすれ違う女の子がいる。彼女はいつも僕とは逆向き。もちろん制服も違う……別の学校の子。
もう3ヶ月、すれ違うだけで、挨拶もしたことは無い。きっかけなんて無い。
今日もすれ違うだけ。
その時強い風が吹いた。振り向くと、彼女のものだろう、一つの封書が足元に飛ばされてきた。彼女は慌てて取りに来る。僕は慌てて拾う。
「あ、はい。これ」
「……いえ、それ、受け取ってください」
そう恥ずかしそうに言うと、彼女はいつものほうに走って行った。
その封書を見ると2ヶ月前の日付と彼女の名前が書かれていた……。
天宮奏様、依様の『口説かれろ企画』(http://ncode.syosetu.com/n4480br/)に参加しようとして書き始めたのですが、10キーワードも無理でした。そんな作品。