事の結末。
閻魔はイライラと机を指で叩いている。
地獄についての最後の報告が数時間前。二人組みの連続殺鬼犯が姿を眩ませたと言うものだ。
未だに捜索を続けているのか? 進捗状況は?
まるで情報があがってこない。
「これだから新入りは……」
閻魔が深々とため息を吐きかけた時、備え付けの電話が鳴った。閻魔はこの文明の利器が苦手であったが、状況が状況なだけに仕方なく受話器をとる。
「閻魔だ。さっさと報告しろ」
「俺たちは使い捨てじゃない。打倒閻魔!」
新入りの声だった。何をトチ狂ったことを言っているのか?
閻魔はシワの寄った眉間を揉み解しながら今度こそ深いため息を吐いた。
俺は雀の鳴き声で目が覚めた。平和な空気である。
「やべ、学校行かないと」
俺が息を吹き返したのは葬儀場だ。地元新聞の朝刊に載ってしまうくらいには騒ぎになった。何せ二人も息を吹き返したのだから。
どうにも隣の会場も騒がしいと思って覗いて見ると朝貴が俺を見つけて、
「地の果てからでもついて行きますっ!」
とガッツポーズしたのにはつい笑ってしまった。
後日、二人の記憶を総合すると俺達は閻魔に厄介払いされたことが分かった。
閻魔の仕事場を包囲して後一息だったのに残念極まりない。寿命が尽きたら出会い頭にブン殴ってやる。
「当分は死にそうにないですけどね」
と朝貴。
何でも質の悪い病気で死んだはずが生き返ってみると綺麗さっぱり治っていたそうだ。
閻魔の野郎、俺達が簡単にはくたばらないよう体を丈夫にしたらしい。
まあ、生を謳歌するとしようか。
そこで俺はふと疑問に思う。
「そういや何で転生せずに生き返ったんだ?」
地獄で刑期を終えると新しい命として生まれてくるはずなのに。
「どさくさに紛れて地獄から逃げ出した悪人を捕まえる為と聞いていますよ」
朝貴が何気ない調子で言った。
え? これ続くの?
~完~
よかった。終わった。
~かな?~
うおぉぉいっ!?
終わりです。
別の作品に出すことはあるかも知れないけど。