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動いた彼ら  作者: Nui
8/10

当たり前の違い

「どうして手を伸ばさないの?助けてほしいなら手を伸ばせばいいじゃない。すごく簡単でしょ?」


「・・・あぁ、そうだね」


 赤ちゃんみたいだ。ふとそんなことを思った。君は赤ちゃんのような存在なんだね。

よく私は何かがズレていると言われる。多分この例えもきっと理解されないんだろうな。赤ちゃんは笑えば周りの人も笑う。逆に泣いていればどうしたの?と周りが慌て出す。小さい手を差し出せば笑って手を握ってくれる。かく言う私もそうだ。赤ちゃんは可愛いと思うし、泣いていたらどうにかしてあげたい。


「そうだね、凄く、簡単なことだね」


 手を伸ばすなんてとても簡単なことだ。だから私は笑った。今度からそうしてみるよと感謝を伝え歩き出す。手を伸ばすのは本当に簡単だ。でも違う。君と私は全く違う。手を伸ばした時、その手を取ってもらえるとそう信じ切っている顔。あぁなんて素敵な人だ。きっと楽しい人生を送れたんだね。疲れたと立ち止まれば周りが大丈夫?と声を掛ける、動きたくないと言えばきっと誰かがその細くて可愛らしい手を握り引っ張ってくれるのだろう。そう言う当たり前をちゃんと受け取れた人間なんだね。


「いいなぁ」


 なんて言葉を溢すことは許されない。彼女と私は違う。だから常識が違うたってなんの疑問もない。だって彼女と私の生きる世界は違うのだから。

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