自宅
深夜2時、静まり返ったアパートの一室。
佐藤は一人、パソコンで仕事をしていた。
全てが静かで、外の風の音すら聞こえない。
突然、部屋の外から「コツ…コツ…」と足音が聞こえた。
「隣の人かな」と思いながらも、少しだけ不気味さを感じた。
しかし、足音は次第に部屋の中に近づいてくるように聞こえた。
廊下を歩く音ではなく、自分の部屋の中からだ。
佐藤は恐る恐る振り返ったが、何もいない。
ただの静寂があるだけだ。
だが、再び「コツ…コツ…」と音がした。
今度は、すぐ後ろだ!そう直感した。
鼓動が早くなり、全身に冷たい汗が流れる。
振り返る勇気を出して椅子をゆっくりと回す。
そこには、何もいなかった。
ホッとしたその瞬間、背中にひんやりとした感触が走る。
振り向けない。いや、振り向いてはいけない気がした。
そしたら、しばらくして
耳元で、かすれた声が囁いた。
「私、ずっと見てたよ。」
女の人の声が聞こえた。
佐藤は、全身の毛が逆立っていた。
そして、女の人はかすれた声で囁いた
「あなたもおいで」
佐藤の心臓は激しくドクドクと鼓動を始めた。
そして意識が遠退いていった。
翌日、佐藤は自宅で冷たくなっていた。