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文学少女に恋をした。  作者: よし
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1.窓辺

ある秋の日、文芸部の窓際に眼鏡をかけている髪の長い女の子と出会った。

何を考えているかわからない表情に惹きこまれた。


これが人生で初めての一目惚れだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

高校生になって新たなことに挑戦しようとしたりしたが結局は帰宅部。

中学生の頃と何ら変わりのない日常を過ごしていた。


入学して半年が過ぎたころ帰りに廊下を歩いていると文芸部のドアが開いていたので僕は歩きながら空いているドアから中を覗いた。


窓際に一人、女の子が立っていた。


サラサラの長い真っ黒な髪が風になびいていて僕は思わず見入ってしまった。

すると女の子がこっちに振り向いたので僕は思わず会釈をしてしまった。


その子は何を考えているのかわからない表情でこっちを見ていたので声をかけてみた。


「初めまして。文芸部の方ですか?」


女の子は一つ返事で、

「はい。」

とだけ。


人と話すのがあまり得意ではない僕だが直感的にわかったこともある。

その子は僕以上に話すのが苦手そうであると。


女の子は黒い長い髪、眼鏡でこれが俗にいう文学少女で僕はすぐに虜になった。

何を考えているかわからないその表示に惹きこまれた。


すると僕は思ってもいないことを口に出していた。

「入部希望なんですが部長はいらっしゃいますか?」


自分で何を言っているんだ?と自問自答しながらその子の返事を待った。


彼女はボソッと、

「部員は私一人でいまは部ではなく同好会なんです。

なので部費とかはおりないからここにある本でよければご自由に。」

と今の現状を説明してくれた。


僕はすぐさまお礼を言い職員室へ向かい同好会への参加申請を提出した。


本なんてめったに読まないので動機が不純すぎる。

自分でもわかっていたのだがこの衝動を抑えきれなかった。


その後、文芸同好会の部室に戻り同好会に参加する旨を再度伝えた。


その子の表情は何も変わらず会釈のみだった。

本当に何を考えているかわからない、でもそこに惹かれている。








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