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牛の首

作者: 星野☆明美

カランカラン。

背後で大きな音がした。

草原でお弁当をぱくついていた俺たちは、ぎえ、とかうわ、とか言って散り散りに走った。

「俺の〜、俺のサンドイッチぃ」

「まあ、諦めろ」

牛の放牧してるなー、とは言ってたんだ。たしかに。でも襲撃されるとは思わなかった。

カウベルの音に振り向くと、そそり立つ牛の巨体。あんなにデカいとは思わなんだ。

「牛の……首を……絞って……」

「なんだって?よく聞こえなかったが?!」

「弁当を取り返そうぜ」

「もう全部食われたのにどうやって?」

友人たちは、一頭の乳牛を数人がかりで押さえ込んだ。

「牛のっ!首を!」

「首を押さえるのか?」

冗談じゃない。顔がドアップだぜ。

「違う!牛の乳首を搾れ!」

「バケツもなんにもないぞ」

「直に飲むんだ」

「なんてこったい」

チーズみたいに濃厚なミルク。

俺たちは代わる代わる牛の乳首を搾った。

「よし、いけ!」

牛の尻を叩いて追いやった。

ぐるるるる、ぎゅるるるる。

「腹の調子が……」

周りは草原でトイレはない。

俺たちは集団で腹を下した。

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― 新着の感想 ―
[一言] 弁当食われた仕返し……だけど処理前にそれ飲んじゃダメよ(゜Д゜;)
[一言] そうですねぇ……。 そうなりますよねぇ……。 ある意味惨劇ですねぇ……。 でも、美味しいらしいですよ?処理前のは。でも安全性が……。
[良い点] ∀・)一見コメディなんですけど、トータルでよくよく出来事の顛末をみていったらホラーですよね? [気になる点] ∀・;)でも牛に襲われるってすごく恐ろしい気がする……。 [一言] ∀・)牛の…
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