ヘルプミー
「どうしてこうなったんだろう…」
俺は魔法使い、冒険者ギルド所属の魔法使いだ。
冒険者とは違い、ギルド所属は公務員だ。
給料は中堅冒険者ぐらい貰ってる。
安定した給料は、しがない俺に安らぎをくれる。
「冒険者なら一発狙うべきだろ!」
と昔の仲間は言っていたが、レベル20ぐらいの俺は限界を感じた。
冒険者の平均レベルは50、いろいろ努力や工夫したが、レベルの上がらない俺には厳しい世界だ。
たまたまギルドの知り合いが誘ってくれた。
そいつには頭が上がらない。
ちなみに仕事は救助隊。
俺は、強さは無いがサポートに長けてるみたいで、救助信号や救助依頼時などに受けた冒険者のフォローに向かう。
他にもアイテムの鑑定など雑用もしている。
で今何してるかというと…
ジャングルでレベル120ぐらいのモンスターにおっかけまわされる。
「無理無理ムリムリだー!」
叫びだしてしまうのも仕方ないだろう。
「強すぎだろう…」
こうなったのは、ダンジョンで冒険者が残した壺の調査中だった。
救助に向かったが、残念にも助けられないケースる。
今回、冒険者のタグや遺品を持ち帰る。だが遺品の中には呪われた物や危険な物もあるので、ギルドで調査を行う。
「えーと、壺。
幅30、奥行30、高さ45、蓋付き、モンスター反応無し、魔力反応無し。単なる壺かな?」
コツンと机に置く、蓋は開けない方がいいだろう。
前に仲間が開けて異臭騒ぎにはまいった、一週間は匂いがとれなかった。
「ふう…」
ため息をつく、飲み物でも飲むかな?
台所に向かう前にふと壺を見る。
「あれ?蓋があきかかってる。ゆるんでいたか?」
そう思うと、輝きだした!
「まずい!避難しないと…」
そして光が収まると誰もいなかった。
「いたた…あれ?」
腰が痛い、どこかから落ちたみたいだ。上を見ると霧で霞んでいるようだ。
地面に手をつくと、何か柔らかい。
絶句した。ドラゴン?なんでいるんだ?こんな上位モンスター初めて見た。
とりあえず、気づかれないよう、降りて走って逃げる。
「どこだここ?」
走り出して気づいたが、辺りはジャングル、かなり暑い。
空や遠くに大型モンスターが跋扈している。
自分が知る限りのモンスターでも、レベル100以上だろう。
ここで最初に戻る、勝てもしないモンスターに見つからないよう隠れながら走りだす。
だが彼は知らない、最初にぶつかったドラゴンに当たりどころがよかったのか、ドラゴンを倒してしまったことに。
その為、レベル80まで上がり、冒険者平均より強くなったことを。
これはモンスタージャングルに落ちた彼が、たまたま持っていたギルドの備品などを使ってサバイバルする話である。




